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12話 会社員、蛇を食す
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「よっしゃ、やっと町に着い…」
俺たちが森を抜けるとそこには町は見えなくて、ただ砂漠が永遠と広がっていた。横を見るとぼろくさい看板があった。その看板には
これより先は、砂漠地帯。
まっすぐ行けば、いつか町にたどり着く。
死なないように頑張ってね♡
とだけ書かれていた。
「鬼畜すぎぃぃぃぃぃ!」
俺は、天に向かって叫んだ。
とはいえ、進まないにはどうしようもないので俺たちは砂漠を進んでいった。
―2時間後
「あづ~い」
バカはへとへとになりながらそう言った。いや、バカだけじゃない。たった1人を除いて、全員が砂漠の暑さにへとへとだった。
「お前ら、
少し歩く速度が落ちたんじゃないか?」
「そういう君はこの暑い中とっても元気じゃないかね。え?レオター君。」
「この程度で暑いとは…
ふ。まだまだ修行が足りないようだな。」
「ほう、その鎧を防寒機能や耐熱性があるとかで武器屋で売っていたのを見たことがある気がするんだがなあ?」
ヤヴォルが汗だくになりながら、レオターを睨みつける。
「お前…」
「ふ。…金は力なり、だ。」
「何キメ顔で言ってんだ。はたき落とすぞぉぉぉ!」
そんなことを言っていると、目の前に突如として地面から巨大な大蛇が現れて、
「シャアアアアア!」
と俺たちに襲いかかって来た。
「「「てめーは今お呼びじゃねえんだよぉぉぉ!!!」」」
俺たちは、連携プレーで大蛇を瞬殺した。おそらくパーティー結成以降で初めて皆の心が一つになった瞬間であった。
(ただしレオターを除く)
大蛇を倒した直後、ぎゅるるるるる、とバカの腹の音が鳴った。
そういえば飯を食べてなかったな
と俺が思っていると、ヤヴォルが
「よし、そろそろ飯にするぞ。」
と言い出す。
「え?でも料理の材料がそもそも見当たらないんだけど。」
「あるではないか、目の前に。」
「…………蛇を生で食べろってか。」
「さすがに生はきついからな。」
ヤヴォルはそう言うと、レオターに大蛇を細かく斬るように指示した。
「なぜ、暗黒神の生まれ変わりである我がそんなことをしなければならないのだ。」
レオターがヤヴォルの指示に従おうとしなかったが、ヤヴォルの顔を見た瞬間、
「これも暗黒神の使命ということか。」
冷や汗をたらたらと流しながら大蛇を細かくきり切り刻み始めた。レオターが人が食べれるサイズまで切り刻み終えると、ヤヴォルは次に俺に俺の武器である木の棒を地面に置くように指示した。俺が言うままに木の棒を地面に置くとバカが
「ファイヤー!」
と俺の武器に火をつけた。
「いや、何しちゃってんのぉぉぉ!!」
「焚き火が必要だったんだ。別にいいだろ。木の棒が役に立っているところなんて見たことないのだし。」
「確かに!確かにそうだけど!そんな武器でもたくさん思い出があるん…あるん…いやないわ!あると思ったけどなかったわ!」
そんなこんなで、大蛇の肉を火であぶって食べることになった。
「じゃあ、いただきまーす。」
異世界に来て蛇を食べることになるとは…
俺は初めて蛇の肉を食べることに少し躊躇があったが、思い切ってがぶりと食べた。
「ん!?これは……微妙!」
おいしいというわけでも、まずいというわけでもない。言葉では表すのが難しい微妙な味だった。
その後、俺たちはひたすら砂漠の中を歩き続けた。そして日が暮れかけていた頃に、俺たちはようやく砂漠を抜け出した。
ちなみに、薪扱いされた木の棒はというと、火に焼かれても奇跡的に無傷だったという。
俺たちが森を抜けるとそこには町は見えなくて、ただ砂漠が永遠と広がっていた。横を見るとぼろくさい看板があった。その看板には
これより先は、砂漠地帯。
まっすぐ行けば、いつか町にたどり着く。
死なないように頑張ってね♡
とだけ書かれていた。
「鬼畜すぎぃぃぃぃぃ!」
俺は、天に向かって叫んだ。
とはいえ、進まないにはどうしようもないので俺たちは砂漠を進んでいった。
―2時間後
「あづ~い」
バカはへとへとになりながらそう言った。いや、バカだけじゃない。たった1人を除いて、全員が砂漠の暑さにへとへとだった。
「お前ら、
少し歩く速度が落ちたんじゃないか?」
「そういう君はこの暑い中とっても元気じゃないかね。え?レオター君。」
「この程度で暑いとは…
ふ。まだまだ修行が足りないようだな。」
「ほう、その鎧を防寒機能や耐熱性があるとかで武器屋で売っていたのを見たことがある気がするんだがなあ?」
ヤヴォルが汗だくになりながら、レオターを睨みつける。
「お前…」
「ふ。…金は力なり、だ。」
「何キメ顔で言ってんだ。はたき落とすぞぉぉぉ!」
そんなことを言っていると、目の前に突如として地面から巨大な大蛇が現れて、
「シャアアアアア!」
と俺たちに襲いかかって来た。
「「「てめーは今お呼びじゃねえんだよぉぉぉ!!!」」」
俺たちは、連携プレーで大蛇を瞬殺した。おそらくパーティー結成以降で初めて皆の心が一つになった瞬間であった。
(ただしレオターを除く)
大蛇を倒した直後、ぎゅるるるるる、とバカの腹の音が鳴った。
そういえば飯を食べてなかったな
と俺が思っていると、ヤヴォルが
「よし、そろそろ飯にするぞ。」
と言い出す。
「え?でも料理の材料がそもそも見当たらないんだけど。」
「あるではないか、目の前に。」
「…………蛇を生で食べろってか。」
「さすがに生はきついからな。」
ヤヴォルはそう言うと、レオターに大蛇を細かく斬るように指示した。
「なぜ、暗黒神の生まれ変わりである我がそんなことをしなければならないのだ。」
レオターがヤヴォルの指示に従おうとしなかったが、ヤヴォルの顔を見た瞬間、
「これも暗黒神の使命ということか。」
冷や汗をたらたらと流しながら大蛇を細かくきり切り刻み始めた。レオターが人が食べれるサイズまで切り刻み終えると、ヤヴォルは次に俺に俺の武器である木の棒を地面に置くように指示した。俺が言うままに木の棒を地面に置くとバカが
「ファイヤー!」
と俺の武器に火をつけた。
「いや、何しちゃってんのぉぉぉ!!」
「焚き火が必要だったんだ。別にいいだろ。木の棒が役に立っているところなんて見たことないのだし。」
「確かに!確かにそうだけど!そんな武器でもたくさん思い出があるん…あるん…いやないわ!あると思ったけどなかったわ!」
そんなこんなで、大蛇の肉を火であぶって食べることになった。
「じゃあ、いただきまーす。」
異世界に来て蛇を食べることになるとは…
俺は初めて蛇の肉を食べることに少し躊躇があったが、思い切ってがぶりと食べた。
「ん!?これは……微妙!」
おいしいというわけでも、まずいというわけでもない。言葉では表すのが難しい微妙な味だった。
その後、俺たちはひたすら砂漠の中を歩き続けた。そして日が暮れかけていた頃に、俺たちはようやく砂漠を抜け出した。
ちなみに、薪扱いされた木の棒はというと、火に焼かれても奇跡的に無傷だったという。
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