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10話 会社員、次の町へ向かう。

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ついに、ついにこの時がやってきた。
そう、借金を返済し終えたのだ!

「これでようやくただ働きから解放されて、お給料がもらえるようになるな!」

俺が笑顔でそう言うと、ヤヴォルの鞭が飛んできた。

「いっっっっった!!!!」

「こんの、馬鹿者ぉぉぉぉ!私たちは冒険者!冒険してなんぼだろうがぁぁぁ!」

「いやいやいや、でもここで働いていた方が安全だよ?給料もこれからはもらえるし、今流行りのスローライフしましょうよ~。」

「前回までの冒険したがり男はどこに行ったんだ!」

「だって、このパーティー終わってるじゃん!木の棒が武器とか言うふざけたサラリーマンに、火力だけご立派な馬鹿、厨二野郎、そんで強化魔法だけの服装ビッチ女。どう考えても強いモンスターと戦ったら瞬殺されるのがオチやん!だったら、スローライフしてた方が安全でいいでしょ!」

「誰がビッチだ。」

ヤヴォルが俺にげんこつをした。

「バカランカ。こいつを引きずっていけ。」

「オッケー。」

「俺のスローライフがぁぁぁぁぁ!!」

そんなわけで俺たちは、次の町へ向かうことになった。
次の町に行くには、2つのルートがある。
1つは、商人や駆け出しの冒険者が通る『安全安心♡ほんわかルート』。そして、もう一つが人がほとんど通っていない、山脈を超えて行くルート、『命の保証はいたしません♡サバイバルルート』だ。当然、俺はほんわかルートを選びたい。が、さすがは馬鹿と強者を調教したいドSと重度の厨二病患者、俺の予想通りに迷わずサバイバルルートへ歩いていった。ちなみに、俺は引きずられているので拒否権はない。

そして現在、めっさ強そうなモンスターが俺たちの前に現れた。木がドラゴンの形をしているモンスターだ。

「ほう、ネイチャードラゴンか。奴のグラノスプレスは少しでもかすると即死だから気をつけろ。」

「序盤に出くわしちゃいけない奴だったぁ!」

ネイチャードラゴンはさっそく俺たちに攻撃をしてきた。
なんとか避けることができた俺たちだったが、次の瞬間、ネイチャードラゴンはグラノスプレスを俺たちに向かって繰り出してきた。

「おわったぁぁぁぁぁ!」

しかし次の瞬間、

「ファムトムスラッシュ!」

とレオターの声が聞こえるとグラノスプレスはすっと消滅した。俺がレオターの方を見るとネイチャードラゴンがレオターに倒されていた。

「レオターがネイチャードラゴンを倒した!?」

と、俺が驚いていると

「ネイチャードラゴンは技は強い代わりに、かすり傷でも死んでしまう弱い低級モンスターだ。なに、サクヤの怖がっているのが面白くてな。わざと黙っていた。」

「ドSかな!?」

そんなやりとりをしていると、今度は首のない馬に乗った鎌を持った鎧が現れた。

「ははーん。さてはお前も、見かけ倒しの低級モンスターだな。もうだまされないぞ!」

と俺が言うと、後ずさりしながらヤヴォルが言った。

「あれは、上級モンスターのジュラハンだな。」

「……撤退ぃぃぃぃぃぃ!」

俺たちは全力で逃げた。

「我の本当の実力を使えば、あんな奴どうってことはないな。」

「いや、お前冷や汗垂らしながら言うセリフじゃねえぞ!」

「だだだだ大丈夫だ。みんなにステルスをかけておいたから、じきにジュラハンからみんなの姿が見えなくなるはず!」

「でかしたバカ!」

「ジュラハンにはステルスは無効なんじゃないのか?」

「そうだったぁぁぁぁぁ!」

「おばかぁぁぁぁぁ!!!!」

そんなこんなでなんとかジュラハンから逃げ切った俺たちだったが、

なんと俺たち道に迷いました!

























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