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3話 会社員、町に到着する

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スライモンと遭遇してから20分後、ようやくサクヤたちは町へついた。

サクヤたちが町へついた頃には日が暮れかけていたので、とりあえず宿屋を探した。
町はthe RPGゲームに出てくるような町という感じで、町には人がちらほらとおり、ときどき冒険者らしき人も見かける。そうして、宿屋を探していると宿屋らしき建物に到着した。宿屋の中に入ると客らしき人は2、3人いた。また、正面にはこの宿屋の主っぽい太った中年男性が受け付けに突っ立っていた。

「あの~、ここに泊まりたいんすけど…」

とサクヤがおそるおそる言うと、

「はい、1000G払ってね」

と宿屋の主がぶっきらぼうにサクヤにお金の支払いを要求した。
そこでサクヤは重要なことに気づいた。
俺、こっちの金持ってねーじゃん、と。
固まってしまったサクヤに対して宿屋の主は、

「お客さんもしかしてお金持ってないの?」

と、怪訝そうな顔でサクヤを見る。
実はサクヤはこういうときどうすればいいかを知っている。しかし、それをすると自分のプライドがズタズタになってしまう。だが、野宿は絶対にしたくない。サクヤは意を決した。
サクヤはかばんを床に置き、床に座るとそのまま土下座をして、

「ここで働かせてくださいぃぃぃぃぃぃ!お金がないんです!雑用でも何でもしますんで!1000G分ちゃんと働きますんでぇぇぇぇ!!!」

と、宿屋の主に向かって頼みこんだ。最初、宿屋の主はドン引きしていたが、気を取り直して、

「ちょ、ちょうど雑用係が先日辞めちゃったから雑用でもやってもらおうか」

「ありがとうございますぅぅぅ!」

とサクヤは宿屋の主の寛大な心に感謝をした。
そんなとき、ぐぅ~っとサクヤのお腹が鳴った。宿屋の主は、そんなサクヤを見かねて

「よし、じゃあ飯にするか!」

と宿屋の主はサクヤとその他の客を食事場に案内して、夕飯の準備にとりかかった。サクヤはこんなに優しくされたのは久しぶりだなとちょっと泣きそうになった。

その夜サクヤは、ベッドでスライモンを抱きしめながらぐっすりと眠りについた。



☆補足 
この世界に召喚された人々には、
空の声によってある程度のお金が、専用武器とともに支給されます。サクヤの場合は、担当した空の声がよほどおっちょこちょいだったのでお金を支給することを忘れていたのでした。
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