23 / 27
優雅なる貴族社会
次なる戦
しおりを挟む
パーティーは成功といえるできだった。
皇太后にむきかけていた世間の目をそらし、かつ求心力や影響力を見せつけることで皇太后勢力に対しての牽制ができた。
また、四大貴族でパーティー不参加だったバルサーク家と皇太后一派の癒着についても、疑いからパーティーで得た貴族たちの情報で確信に変わった。
これにより、バルサーク家と他の四大貴族の対立が決定的になり、皇太后派とバルサーク家を除く四大貴族派の権力闘争は激しさを増していくことになる。
そんな風に貴族たちが権力闘争を繰り広げている傍ら、エラシスとレオは前のフラースでの戦いが嘘のようなほど平穏な日々を送っていた。
「どうした?私の顔をじーっと見つめて。」
「いっいえ!何でもありません!」
レオは慌てて下を向き、目の前にある朝食を食べはじめる。
あのパーティーの日以来、レオはエラシスに対してモヤモヤとした感情を抱いていた。
あの太陽のような笑顔がずっと頭から離れない。なんか俺、あの日から変だ…
レオ自身も初めて抱いたこの感情に戸惑いを見せていた。
一方のエラシスは、
レオとの鍛錬の日々も面白かったが、そろそろ戦が恋しくなってきたな
と戦を求めはじめていた。
そんな彼女の願いが届いたのか、南の反乱軍の鎮圧に大臣たちが乗り出さんとしていた。
南部の状況は思った以上に芳しくなかった。
ヌガルの戦いで反乱軍が事実上の勝利をおさめてからというもの、反乱軍の勢いはますます増してヌガルの森近辺の小都市を次々と攻略していった。
元々、そこらの小都市の守りが手薄だったのもあったが、何よりもテテンド帝国軍の侵攻に注視していたのと、そのテテンド帝国戦のホレイ川の戦いで大敗したのが反乱軍の勢いにさらに拍車をかけ、レスカー帝国軍の苦戦の要因となってしまった。
また、公にはされてないが、ホンラン王国とサイヨウ連合国が武器や資金を反乱軍に援助をしているのもなかなかレスカー帝国軍が鎮圧できない要因だった。
だが、大臣としては不本意だったが皇太后によりテテンド帝国と停戦協定を結ぶことができた。これにより北の憂いが無くなり、南に目を向けることができるようになったのだ。
反乱が長引けば、それは内戦になる。
そうなることを恐れる大臣たちは、北部の戦後処理を速やかに終わらせ、早々にエラシスを総大将とした討伐軍をフリーダムへと進軍させる。
一方、反乱軍はレスカー帝国軍の進軍の情報を知るやいなやヌガルの森にて迎撃する準備を始めた。
かくして、反乱軍とレスカー帝国軍の戦いの火蓋が切って落とされた―
皇太后にむきかけていた世間の目をそらし、かつ求心力や影響力を見せつけることで皇太后勢力に対しての牽制ができた。
また、四大貴族でパーティー不参加だったバルサーク家と皇太后一派の癒着についても、疑いからパーティーで得た貴族たちの情報で確信に変わった。
これにより、バルサーク家と他の四大貴族の対立が決定的になり、皇太后派とバルサーク家を除く四大貴族派の権力闘争は激しさを増していくことになる。
そんな風に貴族たちが権力闘争を繰り広げている傍ら、エラシスとレオは前のフラースでの戦いが嘘のようなほど平穏な日々を送っていた。
「どうした?私の顔をじーっと見つめて。」
「いっいえ!何でもありません!」
レオは慌てて下を向き、目の前にある朝食を食べはじめる。
あのパーティーの日以来、レオはエラシスに対してモヤモヤとした感情を抱いていた。
あの太陽のような笑顔がずっと頭から離れない。なんか俺、あの日から変だ…
レオ自身も初めて抱いたこの感情に戸惑いを見せていた。
一方のエラシスは、
レオとの鍛錬の日々も面白かったが、そろそろ戦が恋しくなってきたな
と戦を求めはじめていた。
そんな彼女の願いが届いたのか、南の反乱軍の鎮圧に大臣たちが乗り出さんとしていた。
南部の状況は思った以上に芳しくなかった。
ヌガルの戦いで反乱軍が事実上の勝利をおさめてからというもの、反乱軍の勢いはますます増してヌガルの森近辺の小都市を次々と攻略していった。
元々、そこらの小都市の守りが手薄だったのもあったが、何よりもテテンド帝国軍の侵攻に注視していたのと、そのテテンド帝国戦のホレイ川の戦いで大敗したのが反乱軍の勢いにさらに拍車をかけ、レスカー帝国軍の苦戦の要因となってしまった。
また、公にはされてないが、ホンラン王国とサイヨウ連合国が武器や資金を反乱軍に援助をしているのもなかなかレスカー帝国軍が鎮圧できない要因だった。
だが、大臣としては不本意だったが皇太后によりテテンド帝国と停戦協定を結ぶことができた。これにより北の憂いが無くなり、南に目を向けることができるようになったのだ。
反乱が長引けば、それは内戦になる。
そうなることを恐れる大臣たちは、北部の戦後処理を速やかに終わらせ、早々にエラシスを総大将とした討伐軍をフリーダムへと進軍させる。
一方、反乱軍はレスカー帝国軍の進軍の情報を知るやいなやヌガルの森にて迎撃する準備を始めた。
かくして、反乱軍とレスカー帝国軍の戦いの火蓋が切って落とされた―
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる