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優雅なる貴族社会
日常
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月日はあっという間に流れていき、皇族主催のパーティーの日がすぐそこまでに迫っていた。
城内がパーティーの準備で少しずつ忙しくなっていく中で、レオはエラシスと稽古をしていた。稽古では訓練用の剣や槍を使って日々、腕を鍛えていた。エラシスは丁寧にそして的確にレオに自分流の剣術や槍術を教えていき、レオもまたそれをただ真似るのではなく、自分流にアレンジしていった。
エラシスはそれに驚き、歓喜していた。元々、レオを奴隷にしたのはその武力に将来性を感じたためだったのだが、その才能がエラシスの予想以上だった。
今はまだ、副官より少し下ぐらいの実力だがこのままいけばあと3年もあれば私、いや私以上になるだろう。
エラシスはそう確信し、また早くその時が来ないものかと胸を踊らせていた。
一方レオは、薬の影響や何よりエラシスがレオを奴隷としてではなく、1人の人間として見ていたことでエラシスに心を開き始めていた。それはエラシスが奴隷の扱い方について無知だったゆえかもしれないが、精神が不安定だったレオにとっては救いとなっていたのだ。
「さて、今日はここまでにしておこう。」
約3時間ほど稽古をした後、レオは一旦自分の部屋戻った。城に来てからずいぶんとたち、レオは城内の自分が普段行くところはだいたい把握でき、使用人がおらずとも城内を歩けるようになっていた。
1、2時間後するとレオの部屋を訪れた人がいた。前に薬を届けたヤヌスの使者である。
ヤヌスの使者はレオに貴族の基本的マナーや読み書きを教えていた。
奴隷とはいえ皇帝の奴隷であり、またバユセイユ家の養子である人間が読み書きや貴族マナーがなってないのは我が家の恥ということでヤヌスが派遣したのである。
当初レオはそれらを学び、身につけるのに苦戦していたが、今では最低限の読み書きと挨拶や礼儀などの本当に貴族の基本のマナーを身につけることができていた。
そして、ヤヌスの使者は毎回去り際にレオにあの薬を渡していた。
夜、レオはいつものように薬を飲み、ベッドで眠る。
薬の効果は抜群で、それ以来悪夢にうなされることは無くなった一方で、レオは薬を飲むたびに襲われる快楽の虜になっていって、自分から薬を欲するまでになっていった。
だが、レオはこの薬を飲まないという選択肢は無かった。
この薬を飲むのをやめたら、また悪夢を見るようになる。
レオはそうなることを恐れ、薬を飲むことをやめようとはしなかった。
そうやって少しずつ少しずつ、レオはヤヌスの檻に囚われていったのだ。
城内がパーティーの準備で少しずつ忙しくなっていく中で、レオはエラシスと稽古をしていた。稽古では訓練用の剣や槍を使って日々、腕を鍛えていた。エラシスは丁寧にそして的確にレオに自分流の剣術や槍術を教えていき、レオもまたそれをただ真似るのではなく、自分流にアレンジしていった。
エラシスはそれに驚き、歓喜していた。元々、レオを奴隷にしたのはその武力に将来性を感じたためだったのだが、その才能がエラシスの予想以上だった。
今はまだ、副官より少し下ぐらいの実力だがこのままいけばあと3年もあれば私、いや私以上になるだろう。
エラシスはそう確信し、また早くその時が来ないものかと胸を踊らせていた。
一方レオは、薬の影響や何よりエラシスがレオを奴隷としてではなく、1人の人間として見ていたことでエラシスに心を開き始めていた。それはエラシスが奴隷の扱い方について無知だったゆえかもしれないが、精神が不安定だったレオにとっては救いとなっていたのだ。
「さて、今日はここまでにしておこう。」
約3時間ほど稽古をした後、レオは一旦自分の部屋戻った。城に来てからずいぶんとたち、レオは城内の自分が普段行くところはだいたい把握でき、使用人がおらずとも城内を歩けるようになっていた。
1、2時間後するとレオの部屋を訪れた人がいた。前に薬を届けたヤヌスの使者である。
ヤヌスの使者はレオに貴族の基本的マナーや読み書きを教えていた。
奴隷とはいえ皇帝の奴隷であり、またバユセイユ家の養子である人間が読み書きや貴族マナーがなってないのは我が家の恥ということでヤヌスが派遣したのである。
当初レオはそれらを学び、身につけるのに苦戦していたが、今では最低限の読み書きと挨拶や礼儀などの本当に貴族の基本のマナーを身につけることができていた。
そして、ヤヌスの使者は毎回去り際にレオにあの薬を渡していた。
夜、レオはいつものように薬を飲み、ベッドで眠る。
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だが、レオはこの薬を飲まないという選択肢は無かった。
この薬を飲むのをやめたら、また悪夢を見るようになる。
レオはそうなることを恐れ、薬を飲むことをやめようとはしなかった。
そうやって少しずつ少しずつ、レオはヤヌスの檻に囚われていったのだ。
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