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フラース攻防戦
対照的な2人の将軍
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フラースを包囲していた、テテンド帝国軍。そのフラースの南側の後方に陣を構えていた、ノシェラン軍のダクナハ将軍とプビ将軍の隊は後方からドドドドと音がするのに気づいた。兵たちが振り返ると、無数の騎馬兵たちががテテンド帝国軍目がけて突進してきているのが見えた。
「て、敵襲ぅー!!!」
そう言ったのも、すでに時遅し。あっという間にレスカー帝国軍の第一陣が2つの隊を襲撃した。不意をつかれたダクナハ隊とプビ隊の兵士は次々に倒されていく。ダクナハ軍はその場での立て直しを図るも、レスカー帝国軍の騎馬兵たちがそれを許さない。
しかし、ダクナハは素早く自身の馬に乗り、
「皆の者!迎え撃て!」
と兵たちに命令をして自身も戦おうと自らレスカー帝国軍の騎馬兵に立ち向かう。兵もダクナハの勇猛果敢な姿を見て士気が上がり、レスカー帝国軍を迎え撃つ。
一方のプビ隊はというと、完全な混乱状態に陥っていた。兵はおろか、副官やプビ将軍までもが未だ何が起こっているのかがわかっていなかった。そんな状態でまともに戦えるわけなどなく、あっという間にレスカー帝国軍の騎馬兵がプビの近くまで迫った。ようやく、状況がわかったのかプビは、一時撤退をしようと本陣の近くに繋いでいた馬に乗ろうとする。
しかし、プビは太っていたため馬に乗るのに時間がかかってしまった。
こんなことなら痩せとけばよかった…!
プビがようやく馬に乗れたと同時に、
「……え?」
プビの首は胴体から切り離されていた。
「敵将、討ち取った!」
プビを討ち取った騎馬兵がプビの首を高々と掲げた。これによってプビ隊は完全に崩壊した。
ダクナハ隊も劣勢に追い込まれていた。最初の立て直しの遅れの影響がでていたのだ。また、レスカー帝国軍の第二陣の歩兵も到達したことがさらに追い打ちをかけた。
もはやこれまでか
とダクナハが覚悟を決めたとき、後方の異変に気づいた軍勢が救援にかけつけてくれた。ダクナハは九死に一生を得たのであった。
「ふむ。
どうやら膠着状態になったようだな。」
エラシスとレオは第一陣、第二陣の後ろである第三陣にいた。第三陣はまだ戦場からは少し離れていて、ちょっといた丘になっている場所で待機していた。
「エラシス様。
俺たちはいつ突撃するんだ?」
「ふふ、そう慌てるな。
じきに私たちの出番が来る。」
その後、二時間ほど戦場の情勢に変化はなかった。本来なら平原地域で30万もの大軍であるテテンド帝国軍に、第三陣の約4万の兵を含めて約16万の兵しかいないレスカー帝国軍がかなうはずなどない。
しかし、レスカー帝国軍がフラースの南側だけを集中攻撃したこと、そしてテテンド帝国軍が予想以上にフラースの城壁や兵に苦戦を強いられたことがあって、レスカー帝国軍に対応することができなかったのだ。
そして双方の軍に少し疲弊の色が見えてきたとき、エラシスは戦場を隅から隅まで見て、
「…頃合いだな。第三陣!突撃!」
レオたちの軍勢は第一陣、第二陣と合流をした。レオたちの軍勢は、疲れが見えていたテテンド帝国軍を勢いで突き破ろうとする。
が、なかなか突き破ることができない。
すると、エラシスが頃合いを見計らって、自ら先頭に立ってテテンド帝国兵と戦う姿を自軍に見せつける。
「陛下が戦っておられる。
俺たちも戦わなくては!」
レスカー帝国兵らは士気が上がって、さっきの膠着状態が嘘のように目の前のテテンド帝国兵らを倒していった。
レオはそんな彼女のそばで戦いながら、
彼女を尊敬の目で見ていた。
「て、敵襲ぅー!!!」
そう言ったのも、すでに時遅し。あっという間にレスカー帝国軍の第一陣が2つの隊を襲撃した。不意をつかれたダクナハ隊とプビ隊の兵士は次々に倒されていく。ダクナハ軍はその場での立て直しを図るも、レスカー帝国軍の騎馬兵たちがそれを許さない。
しかし、ダクナハは素早く自身の馬に乗り、
「皆の者!迎え撃て!」
と兵たちに命令をして自身も戦おうと自らレスカー帝国軍の騎馬兵に立ち向かう。兵もダクナハの勇猛果敢な姿を見て士気が上がり、レスカー帝国軍を迎え撃つ。
一方のプビ隊はというと、完全な混乱状態に陥っていた。兵はおろか、副官やプビ将軍までもが未だ何が起こっているのかがわかっていなかった。そんな状態でまともに戦えるわけなどなく、あっという間にレスカー帝国軍の騎馬兵がプビの近くまで迫った。ようやく、状況がわかったのかプビは、一時撤退をしようと本陣の近くに繋いでいた馬に乗ろうとする。
しかし、プビは太っていたため馬に乗るのに時間がかかってしまった。
こんなことなら痩せとけばよかった…!
プビがようやく馬に乗れたと同時に、
「……え?」
プビの首は胴体から切り離されていた。
「敵将、討ち取った!」
プビを討ち取った騎馬兵がプビの首を高々と掲げた。これによってプビ隊は完全に崩壊した。
ダクナハ隊も劣勢に追い込まれていた。最初の立て直しの遅れの影響がでていたのだ。また、レスカー帝国軍の第二陣の歩兵も到達したことがさらに追い打ちをかけた。
もはやこれまでか
とダクナハが覚悟を決めたとき、後方の異変に気づいた軍勢が救援にかけつけてくれた。ダクナハは九死に一生を得たのであった。
「ふむ。
どうやら膠着状態になったようだな。」
エラシスとレオは第一陣、第二陣の後ろである第三陣にいた。第三陣はまだ戦場からは少し離れていて、ちょっといた丘になっている場所で待機していた。
「エラシス様。
俺たちはいつ突撃するんだ?」
「ふふ、そう慌てるな。
じきに私たちの出番が来る。」
その後、二時間ほど戦場の情勢に変化はなかった。本来なら平原地域で30万もの大軍であるテテンド帝国軍に、第三陣の約4万の兵を含めて約16万の兵しかいないレスカー帝国軍がかなうはずなどない。
しかし、レスカー帝国軍がフラースの南側だけを集中攻撃したこと、そしてテテンド帝国軍が予想以上にフラースの城壁や兵に苦戦を強いられたことがあって、レスカー帝国軍に対応することができなかったのだ。
そして双方の軍に少し疲弊の色が見えてきたとき、エラシスは戦場を隅から隅まで見て、
「…頃合いだな。第三陣!突撃!」
レオたちの軍勢は第一陣、第二陣と合流をした。レオたちの軍勢は、疲れが見えていたテテンド帝国軍を勢いで突き破ろうとする。
が、なかなか突き破ることができない。
すると、エラシスが頃合いを見計らって、自ら先頭に立ってテテンド帝国兵と戦う姿を自軍に見せつける。
「陛下が戦っておられる。
俺たちも戦わなくては!」
レスカー帝国兵らは士気が上がって、さっきの膠着状態が嘘のように目の前のテテンド帝国兵らを倒していった。
レオはそんな彼女のそばで戦いながら、
彼女を尊敬の目で見ていた。
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