レスカー帝国物語

海野 入鹿

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プロローグ

レスカー大戦の始まり

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レスカー帝国。かつては栄華を誇った大帝国であった。しかし、永遠の栄華を誇る帝国など存在しない―

帝国は戦争や貴族たちの贅沢により徐々に財政が苦しくなっていき、庶民に重税を敷くようになる。さらに帝国は、資源の獲得と土地の奪還を目指し他国と戦争をするようになった。戦争をしては休戦し、戦争をしては休戦し…と繰り返しているうちに国はさらに疲弊していった。また帝国は庶民たちによる革命を恐れ、反帝国の疑いがある人々を次々に処刑していった。庶民は帝国の圧政に何もできずにいた。

そんな中、1人の青年が立ち上がる。青年の名前はアレク。アレクは、帝国の辺境にあるスラム街で孤児として育ってきた。そんなアレクの願いはスラム街の皆が笑顔で暮らせるようになること。彼はその願いをかなえるために、スラム街で同じく育った幼なじみたちと反乱を起こしたのだ。

当初、その小さな反乱はすぐに鎮圧されるはずだった。しかし、その反乱に影響された一部の人々が瞬く間にスラム街に集まり、反乱軍を組織した。反乱軍は、反乱の鎮圧をしにきた帝国軍を返り討ちにして、スラム街の近くの町2、3ぐらいを帝国軍から解放した。

やがてそのことが他国にも伝わり、ホンラン王国やサイヨウ連合国の支援を得た。その支援で、スラム街を改修してフリーダムという反乱軍の拠点となる都市を造った。そして、反乱軍はアレクを反乱軍の象徴として君臨させ、反乱軍の創設メンバーやかつて帝国軍に所属していた者が隊長として軍を率いることで軍の統一性を向上させようとした。そんな反乱軍の拠点に、皇帝が率いる帝国軍が進軍をしていた。

かくして、反乱軍と帝国軍の戦争が始まったのである。
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