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第48話「ミケのフェロモン」
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「おい、ソウル。貴様、また気が落ちることを考えていたろう?」
「え? あ……ご、ごめん! 飯持ってくる!」
いけない、レイの前で落ち込んだりしたらすぐにバレてしまう。モヤモヤしながらも作った朝食は、温かい白ご飯にお吸い物と卵焼き、焼き鮭、きゅうりの味噌漬けが出来上がりレイとユーデル以外のミケ、マゼンダ、リリックの食事も食卓に並べていると、ミケがパタパタと走ってやってきた。
「も、申し訳ございません、遅くなりました! レイ様より後に目覚めるなんて、あってはいけないことでしたのに……」
『朝食ありがとうございます』と、俺に近づきミケはお礼を口にした。
格好もいつも通りきっちりしているのに、リリックと部屋であんなことをしていたからか、ミケのフェロモンがいつもより濃くて、さすがの俺も変な気がしてしまう。ユーデルは尚更だったようで、顔を真っ赤にしてミケを見ながら額に汗をかいていた。
行為後のミケはこんなに誘惑度が増すのか。恐らくミケは気づいていないのだろう、俺の手を取り、『後片付けは私が致します』と、顔を近づけてきた。
…………ミケのことなんて好きじゃないのに、なんでこんなにミケで興奮しているんだ。以前みたいに怒りの感情を出そうとしても、ミケのフェロモンに先に当てられているために怒る感情に切り替えられない。
「いいから、さっさと……座れよ」
ミケは俺の耳に息をかけ、俺以外聞こえない声で、
「ソウル様、興奮していらっしゃいますか? ここも、こんなに大っきくして、食後、私の部屋へ来てください」
そう囁いた。
何を言っている。リリックから抱かれて頭イかれたのか? それとも何か変なモンでも飲ませたのか? そういえばレイはミケに媚薬を一瓶丸々渡していたけれど、もしかしてそれのせいか……!?
なんにしたってこの状態ではウロウロできるわけもなく、レイの真隣のイスに座る。すると、ミケも俺の向かいのイスに腰掛けた。
多分、いや、確実にミケは俺を誘惑している。でも、なんで俺なんだ。
真隣のレイをちらっと見るとこんな俺の状態にレイはまるで気づいていない様子だ。レイの下半部は…………テーブルが邪魔をして上手く見えないけれど、恐らく勃ってはいない。
…………よかった。レイがミケのフェロモンに当てられていたらどうしようと内心心配だった。気を紛らわすかのように、
「ユーデル、ご飯多めに作ったからリリックとマゼンダの分もあるんだ。悪いが二人を呼んできてくれないか?」
そうユーデルに伝えると、ユーデルは「は、はい!」動揺しながら返事をし、食卓を離れた。
「え? あ……ご、ごめん! 飯持ってくる!」
いけない、レイの前で落ち込んだりしたらすぐにバレてしまう。モヤモヤしながらも作った朝食は、温かい白ご飯にお吸い物と卵焼き、焼き鮭、きゅうりの味噌漬けが出来上がりレイとユーデル以外のミケ、マゼンダ、リリックの食事も食卓に並べていると、ミケがパタパタと走ってやってきた。
「も、申し訳ございません、遅くなりました! レイ様より後に目覚めるなんて、あってはいけないことでしたのに……」
『朝食ありがとうございます』と、俺に近づきミケはお礼を口にした。
格好もいつも通りきっちりしているのに、リリックと部屋であんなことをしていたからか、ミケのフェロモンがいつもより濃くて、さすがの俺も変な気がしてしまう。ユーデルは尚更だったようで、顔を真っ赤にしてミケを見ながら額に汗をかいていた。
行為後のミケはこんなに誘惑度が増すのか。恐らくミケは気づいていないのだろう、俺の手を取り、『後片付けは私が致します』と、顔を近づけてきた。
…………ミケのことなんて好きじゃないのに、なんでこんなにミケで興奮しているんだ。以前みたいに怒りの感情を出そうとしても、ミケのフェロモンに先に当てられているために怒る感情に切り替えられない。
「いいから、さっさと……座れよ」
ミケは俺の耳に息をかけ、俺以外聞こえない声で、
「ソウル様、興奮していらっしゃいますか? ここも、こんなに大っきくして、食後、私の部屋へ来てください」
そう囁いた。
何を言っている。リリックから抱かれて頭イかれたのか? それとも何か変なモンでも飲ませたのか? そういえばレイはミケに媚薬を一瓶丸々渡していたけれど、もしかしてそれのせいか……!?
なんにしたってこの状態ではウロウロできるわけもなく、レイの真隣のイスに座る。すると、ミケも俺の向かいのイスに腰掛けた。
多分、いや、確実にミケは俺を誘惑している。でも、なんで俺なんだ。
真隣のレイをちらっと見るとこんな俺の状態にレイはまるで気づいていない様子だ。レイの下半部は…………テーブルが邪魔をして上手く見えないけれど、恐らく勃ってはいない。
…………よかった。レイがミケのフェロモンに当てられていたらどうしようと内心心配だった。気を紛らわすかのように、
「ユーデル、ご飯多めに作ったからリリックとマゼンダの分もあるんだ。悪いが二人を呼んできてくれないか?」
そうユーデルに伝えると、ユーデルは「は、はい!」動揺しながら返事をし、食卓を離れた。
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