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第27話「初めての繁華街」

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「ポルニア国の愛なんて正直どうでもいいけど、それでレイが被害被ってるならなら許せない。ポルニア国じゃなくて、俺はレイに愛を取り戻させたい。そしてレイには俺を好きになってほしい。俺だけをみてほしい。そのために俺はここに転生してきた……って勝手に思ってる。御者、それでもいいか?」


 そう尋ねると御者は「はい」と頷いた。


「それで充分でございます。レイ王を救うことは国を救うことと同じことだと私は信じております」


 芯が通る声量で俺にポルニア国の全ての託す御者。そんな御者の期待に答えられるかと問われれば無理かもしれない。けれど、俺は成し遂げたい。ポルニア国が何故こんな世界になってしまったのかが分かった今は少しだけ希望が見えたような気がする。


 根拠はないけどそんな気がする。





「それではいってらっしゃいませ」

 アクアニア国の繁華街へと着いた。馬車を降りた俺とレイは御者に見送られながら、さっそくアクアニア国の敷地に足を踏み入れる。レイは緑色の財布を取り出し俺にお札十枚を差し出してきた。


「私は買うものないしな。貴様が買いたい物を買え」

「……あ、うん。ありがとう」


 頂いたのは見たことがないお札。レイに勘定はできるって言ったけれどこれがいくらなのかが全然分からない。知ったかぶってても意味がない。素直に聞こうとした瞬間、「ポルニア国のレイ王ですか!?」と、人々が集まってきた。当たり前だけどここにいる人たちも皆男だ。小さいこどもからお年寄りまで関係なくレイに近寄る。


 ……やべぇ、迂闊だった。そりゃこうなるよな。変装でもさせてくればよかった。


 レイの周りはあっという間に人でごった返してしまい、俺が入る隙が無い。「おい、レイ!!」と叫ぶと、皆が一斉に俺の方を見た。そして一人の人物が「あなた様はレイ様の護衛の方ですか?」と尋ねてきた。


 俺がソウルだということは気づかれていないみたいだが、ここでシャドウ国のソウルだなんて答えたら面倒くさいことになりそうだ。元々俺はレイの護衛のような形で側にいるんだし余計なことは言わないでおこう。


「そうだ。レイの護衛だ。いいからちょっと退けよ」


 シッシと追い払うような動作をすると、老人は俺を睨み、持っていた杖で俺の頭を勢いよく叩いてきた。


「いってぇ、なにすんだジジイ!」

「王を呼び捨てにするなどと罰当たりな! レイ王の護衛ごときがなんという言葉遣いだ!」


 レイを呼び捨てにしていることが気に入らなかったようで、何度も杖でポカポカと頭を叩かれる。ちくしょう、こうなったらレイの腕を引いて走り出すまでだ。


 強引に輪の中に入りレイの腕を引いて走る。



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