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第22話「告白①」

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「だったらなんで俺を側に置いたんだ。レイを殺すことはできないって嘘ついてる可能性だってあるだろ。そしたらレイは俺に殺されるじゃないか……」


「でも貴様は私を好いているから殺さないんだろ? 貴様は人が変わったみたいに目つきや口調や仕草や態度もまるで違う。演技しているとも思えないし、貴様が私に欲情しているのも酷く面白い。私は貴様を利用してこの城を守る。ただ、それだけだ。」


 ……ただ、それだけ。


 それでレイが幸せなら俺はこれ以上望むことはないはずなのに、どうしてもレイが今、幸せそうに見えないのは俺が生きているからだろうか。


「レイ、本当の敵は俺じゃねぇ。俺が死んでもおまえは誰かに殺される。そういう運命になっている」

「……それが今日一緒に食事をしたリリック、マゼンダ、ユーデルと言いたいのか? 貴様は食事中も随分なことをあの三人に言っていたが」


「そうだ。あと……」


 『ミケ』と答えそうになった口を咄嗟に閉じる。ミケに対してどういう感情を抱いているのか分からないレイに、これ以上不安になるようなことは言えない。けれど、レイは俺の言いかかった言葉が気になるようで「あと、誰だ」と俺の返事を急かした。


「それは言えないけど……レイの近くにいる」

「貴様、さっきから言えないとはどういうことだ。何故貴様が知っていて私が知らない。いいから答えろ」


 こんなことを言っても信じてくれるとは思えないが、俺はレイに幸せになってほしかったんだ。言おう。信じてくれるか分からないけど、全部伝えてみよう。……レイを守るために。


「レイ、俺『ソウル』じゃないんだ。その、なんというか……身体はソウルだけど別の人格で。前世で事故で死んじゃって転生してきたっていうか……」


 説明は難しすぎる。どう言えば伝わるだろう。やはり言わない方が良かっただろうか、色々思うところはあるけれど、自分の経緯を今口にしているんだ。もう後には引けない。


「……興味深いな。続きを話せ」


 以外にも食いついてくれた。幸か不幸か「何を言っているんだ」というような目でみられていないので、続きを話すことにする。


「俺は転生する前にレイ達のことを知っていたし、これからどうなるのかの未来が分かる」

「……それは、未来予知の特殊能力か?」

「いや、未来予知ではなくて。実際に俺が体験したことなんだけど。レイ達は『ポルニア国の王子様へ永遠の愛を誓って』っていうBLゲームのキャラクターで、主人公ミケに成り代わってストーリーを進めるんだけど、このゲームの結末は俺的にはハッピーエンドじゃない。ただ一つ言えることは、レイはゲーム序盤にソウルに殺されるようになっている」

「全然何を言っているのかが分からんが、私は貴様に殺されたのならば、何故、今生きている?」

「え、えっと……それは、レイがソウルに殺される前に俺がソウルに転生できたから……だ」


 説明が難しすぎる。
 でも、現状を伝えず説明する方法が俺には思いつかなかった。


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