42 / 45
王都サンドリアⅢ
しおりを挟む
次の日、俺たちは王都に向かうことに決めた。
ヌワさんとローデンブルク家に別れの挨拶をしてイプスールを出た。
エマさんがなんだかもじもじしていたので何事かと聞いたら、彼女は海水浴の準備をしていたらしい。
海の街なのにまるでそのことが頭から抜けていた。
ミレーヌと再開したことのインパクトが強すぎたな。
スライム研究のこともあったし。
ちゃっかり水着も買ってあった。
そういえば俺がチリッチ君と研究所にいたときに街の散策に出てたから、おそらくその時に買っていたのであろう。
エマさんがマジックバッグから取り出したのはまさかのハイレグ水着。
その布面積じゃどう考えてもその立派な乳房は収まらんでしょと思わずツッコみたくなった。
それに、そんな水着姿のエマさんと海水浴だなんてとても俺の下半身が耐えられない。
コントロールできる性欲にも限界があるってものだ。
過ちは犯さないにしても、下半身はきっと反応してしまうだろうな。
そういえばヨガで性欲を完璧にコントロールしていた変わり者の友人がいたな。
しっかり教わっておけばよかった。
まったくエマさんは俺の理性と本能のせめぎ合いを強要させてくれる。
かなり疲労するから勘弁してほしいね。
というわけで残念ながら今回は水着回なしだ。
海の綺麗な街はまだまだある。
それまでおあずけだ。
〇
イプスールを出発してから四時間ほど経ったころだろうか。
トラブルが発生した。
俺たちの行く手を塞ぎ、馬車を囲むならず者たち。
馬車旅のの名物である盗賊の登場だ。
「命が惜しければおとなしく身包み置いてけ」
この世界で暮らし始めて早十年。
しかも商人として世界中を巡っていたものだから、どれだけの盗賊とエンカウントしたことだろうか。
すでに恐怖どころか驚きもない俺はふあっと欠伸しながら馬車を降りる。
「それで?
なにが欲しいんだい?
といってもなにもないけど」
頭をぽりぽり掻きながら俺は盗賊のボスらしき男に訊ねる。
「……舐めた態度取りやがって。
殺されてえのか?」
「まさか。
それにしても冒険者を襲うなんてよっぽど切羽詰まっているのかな?
どうせ襲うなら商人の馬車から奪えばいいのに」
「はっ!
俺様はそんなこまけえことは考えねえよ。
目についたものは殺し、奪う。
それだけよ」
「随分と腕に自信があるようだけど……
まあ、いいか」
するとエマさんも馬車から降りてきた。
エマさんの姿をみた盗賊たちはヒュウーと口笛を鳴らす。
「ほう。
こいつは当たりだったな。
おい、てめえら!
この女は傷つけるなよ」
「へえ。
女の人には手を出さないって優しいね。
無傷で彼女を捕まえてどうするつもりだい?」
「馬鹿が。
そんなこと決まってるだろ。
奴隷商に売り払うんだよ。
まあ、その前にじっくり俺たちで堪能させてもらうがな。
どんな声で鳴くか楽しみだぜ」
べろっと舌なめずりして下卑た笑い声をあげる盗賊たち。
まあ、初見で予想はついていたがこの盗賊たちは同情余地なしの部類だな。
確認して損した。
「じゃあ、戻ろうかエマさん。
ドラファルさん、あとは任せたよ」
「御意」
その後ほんの数秒で壊滅する盗賊たち。
盗賊にも色々な人間がいる。
ラシャール君たちみたいな好ましささえ感じてしまう信念ある盗賊から、目の前のこいつらみたいな下種な盗賊まで。
大半は後者なのだが、前者の類もそこそこ見かけるのだ。
なので面倒ではあるがこうして一応その人となりを確認をしている。
いい人材であれば商会に引き抜いたり、仕事先を斡旋してやったりもする。
何故と言われても特に理由はない。
偽善と言われればそれまでの行いだ。
まあ、宝探しみたいなものだ。
商会の幹部たちとも皆変わった出会いをしているからなあ。
スラム街で、雨の路地裏で、牢屋で、モンスターの胃の中で……
いつどこで素晴らしい人材に出会うかわかったもんじゃない。
だからたとえ面倒であってもこうしてアンテナ張っておかないとな。
今回はハズレだったけども。
縄で簀巻きにされ道脇に転がされる盗賊たちを置いて再び馬車は走り出す。
この道は比較的交通量も多い。
通りがかった他の馬車が街まで連行してくれることだろう。
警備団に届ければそれなりにお金になるしな。
〇
盗賊に襲われるトラブルはあったものの、三分ほどで片付いたので旅程にはさして影響がなかった。
当初の予定通り日没前に王都に辿りつく。
アルマシア王国最大の都市だけあって巨大な街である。
都市の規模だけでいえば世界一であろう。
都市に負けずこれまたバカでかい入り口の門をくぐって王都に入る。
それにしても、王都か……
仕事で渋々来ることはあったが、本当に不愉快な思い出しかない。
傲慢な貴族、擦り寄ってくる商人、高圧的な近衛兵、慇懃無礼なギルドの役人……
正直言ってこの世界で俺が好きな都市ランキングのワースト一位である。
まあ、そんな思いをしていた当時は俺もまだまだひよっこの商人だったからな。
力を付けた今ならまた違ったように映ることを期待しよう。
さて、ひとまず宿探しだが……
おっ、あそこに見えるスマートなシルエットは彼なのではなかろうか?
「おひさしぶりでございますコウタロウ様。
ドラファル様、エマ様も。
……おや?
これは珍しい。
妖精ですか」
「ファラだよ」
「ふふっ。
ファラ様ですね。
ようこそ王都へ」
やっぱりスコット君だった。
「ひさしぶりだね。
スコット君も元気そうでなによりだよ。
それにしてもよく俺たちが向かっていることがわかったね。
ヌワさんから通達でも貰っていたのかい?」
「いいえなにも。
しかし、ドラファル様の強大な気配を感じたものでこうして参った次第です。
むしろコウタロウ様もご一緒だったことに驚いているぐらいですよ」
「ふぉっふぉっふぉ。
上手く隠しているつもりなんですがの。
『霊炎』は騙せませんか。
腕はちっとも衰えていないようですな」
「お褒めにあずかり光栄です」
二つ名。
それは冒険者であるなら誰もが憧れる最強の称号である。
ランク最高位のプラチナの中でもさらに一線を画した実力を持つと判断された冒険者にのみ二つ名は与えられる。
現在、二つ名を与えられているのは三名。
『嵐姫』、『槌滅』、そして『霊炎』。
そんな『霊炎』の名を冠するのがシマダ商会サンドリア支部代表のスコット君なのである。
……雇っておいてなんだけど、なんでここにいるんだろうな。
ヌワさんとローデンブルク家に別れの挨拶をしてイプスールを出た。
エマさんがなんだかもじもじしていたので何事かと聞いたら、彼女は海水浴の準備をしていたらしい。
海の街なのにまるでそのことが頭から抜けていた。
ミレーヌと再開したことのインパクトが強すぎたな。
スライム研究のこともあったし。
ちゃっかり水着も買ってあった。
そういえば俺がチリッチ君と研究所にいたときに街の散策に出てたから、おそらくその時に買っていたのであろう。
エマさんがマジックバッグから取り出したのはまさかのハイレグ水着。
その布面積じゃどう考えてもその立派な乳房は収まらんでしょと思わずツッコみたくなった。
それに、そんな水着姿のエマさんと海水浴だなんてとても俺の下半身が耐えられない。
コントロールできる性欲にも限界があるってものだ。
過ちは犯さないにしても、下半身はきっと反応してしまうだろうな。
そういえばヨガで性欲を完璧にコントロールしていた変わり者の友人がいたな。
しっかり教わっておけばよかった。
まったくエマさんは俺の理性と本能のせめぎ合いを強要させてくれる。
かなり疲労するから勘弁してほしいね。
というわけで残念ながら今回は水着回なしだ。
海の綺麗な街はまだまだある。
それまでおあずけだ。
〇
イプスールを出発してから四時間ほど経ったころだろうか。
トラブルが発生した。
俺たちの行く手を塞ぎ、馬車を囲むならず者たち。
馬車旅のの名物である盗賊の登場だ。
「命が惜しければおとなしく身包み置いてけ」
この世界で暮らし始めて早十年。
しかも商人として世界中を巡っていたものだから、どれだけの盗賊とエンカウントしたことだろうか。
すでに恐怖どころか驚きもない俺はふあっと欠伸しながら馬車を降りる。
「それで?
なにが欲しいんだい?
といってもなにもないけど」
頭をぽりぽり掻きながら俺は盗賊のボスらしき男に訊ねる。
「……舐めた態度取りやがって。
殺されてえのか?」
「まさか。
それにしても冒険者を襲うなんてよっぽど切羽詰まっているのかな?
どうせ襲うなら商人の馬車から奪えばいいのに」
「はっ!
俺様はそんなこまけえことは考えねえよ。
目についたものは殺し、奪う。
それだけよ」
「随分と腕に自信があるようだけど……
まあ、いいか」
するとエマさんも馬車から降りてきた。
エマさんの姿をみた盗賊たちはヒュウーと口笛を鳴らす。
「ほう。
こいつは当たりだったな。
おい、てめえら!
この女は傷つけるなよ」
「へえ。
女の人には手を出さないって優しいね。
無傷で彼女を捕まえてどうするつもりだい?」
「馬鹿が。
そんなこと決まってるだろ。
奴隷商に売り払うんだよ。
まあ、その前にじっくり俺たちで堪能させてもらうがな。
どんな声で鳴くか楽しみだぜ」
べろっと舌なめずりして下卑た笑い声をあげる盗賊たち。
まあ、初見で予想はついていたがこの盗賊たちは同情余地なしの部類だな。
確認して損した。
「じゃあ、戻ろうかエマさん。
ドラファルさん、あとは任せたよ」
「御意」
その後ほんの数秒で壊滅する盗賊たち。
盗賊にも色々な人間がいる。
ラシャール君たちみたいな好ましささえ感じてしまう信念ある盗賊から、目の前のこいつらみたいな下種な盗賊まで。
大半は後者なのだが、前者の類もそこそこ見かけるのだ。
なので面倒ではあるがこうして一応その人となりを確認をしている。
いい人材であれば商会に引き抜いたり、仕事先を斡旋してやったりもする。
何故と言われても特に理由はない。
偽善と言われればそれまでの行いだ。
まあ、宝探しみたいなものだ。
商会の幹部たちとも皆変わった出会いをしているからなあ。
スラム街で、雨の路地裏で、牢屋で、モンスターの胃の中で……
いつどこで素晴らしい人材に出会うかわかったもんじゃない。
だからたとえ面倒であってもこうしてアンテナ張っておかないとな。
今回はハズレだったけども。
縄で簀巻きにされ道脇に転がされる盗賊たちを置いて再び馬車は走り出す。
この道は比較的交通量も多い。
通りがかった他の馬車が街まで連行してくれることだろう。
警備団に届ければそれなりにお金になるしな。
〇
盗賊に襲われるトラブルはあったものの、三分ほどで片付いたので旅程にはさして影響がなかった。
当初の予定通り日没前に王都に辿りつく。
アルマシア王国最大の都市だけあって巨大な街である。
都市の規模だけでいえば世界一であろう。
都市に負けずこれまたバカでかい入り口の門をくぐって王都に入る。
それにしても、王都か……
仕事で渋々来ることはあったが、本当に不愉快な思い出しかない。
傲慢な貴族、擦り寄ってくる商人、高圧的な近衛兵、慇懃無礼なギルドの役人……
正直言ってこの世界で俺が好きな都市ランキングのワースト一位である。
まあ、そんな思いをしていた当時は俺もまだまだひよっこの商人だったからな。
力を付けた今ならまた違ったように映ることを期待しよう。
さて、ひとまず宿探しだが……
おっ、あそこに見えるスマートなシルエットは彼なのではなかろうか?
「おひさしぶりでございますコウタロウ様。
ドラファル様、エマ様も。
……おや?
これは珍しい。
妖精ですか」
「ファラだよ」
「ふふっ。
ファラ様ですね。
ようこそ王都へ」
やっぱりスコット君だった。
「ひさしぶりだね。
スコット君も元気そうでなによりだよ。
それにしてもよく俺たちが向かっていることがわかったね。
ヌワさんから通達でも貰っていたのかい?」
「いいえなにも。
しかし、ドラファル様の強大な気配を感じたものでこうして参った次第です。
むしろコウタロウ様もご一緒だったことに驚いているぐらいですよ」
「ふぉっふぉっふぉ。
上手く隠しているつもりなんですがの。
『霊炎』は騙せませんか。
腕はちっとも衰えていないようですな」
「お褒めにあずかり光栄です」
二つ名。
それは冒険者であるなら誰もが憧れる最強の称号である。
ランク最高位のプラチナの中でもさらに一線を画した実力を持つと判断された冒険者にのみ二つ名は与えられる。
現在、二つ名を与えられているのは三名。
『嵐姫』、『槌滅』、そして『霊炎』。
そんな『霊炎』の名を冠するのがシマダ商会サンドリア支部代表のスコット君なのである。
……雇っておいてなんだけど、なんでここにいるんだろうな。
0
お気に入りに追加
96
あなたにおすすめの小説
恋人を寝取られた挙句イジメられ殺された僕はゲームの裏ボス姿で現代に転生して学校生活と復讐を両立する
くじけ
ファンタジー
胸糞な展開は6話分で終わります。
幼い頃に両親が離婚し母子家庭で育った少年|黒羽 真央《くろは まお》は中学3年生の頃に母親が何者かに殺された。
母親の殺された現場には覚醒剤(アイス)と思われる物が発見される。
だがそんな物を家で一度も見た事ない真央は警察にその事を訴えたが信じてもらえず逆に疑いを掛けられ過酷な取調べを受ける。
その後無事に開放されたが住んでいた地域には母親と自分の黒い噂が広まり居られなくなった真央は、親族で唯一繋がりのあった死んだ母親の兄の奥さんである伯母の元に引き取られ転校し中学を卒業。
自分の過去を知らない高校に入り学校でも有名な美少女 |青海万季《おおみまき》と付き合う事になるが、ある日学校で一番人気のあるイケメン |氷川勇樹《ひかわゆうき》と万季が放課後の教室で愛し合っている現場を見てしまう。
その現場を見られた勇樹は真央の根も葉もない悪い噂を流すとその噂を信じたクラスメイト達は真央を毎日壮絶に虐めていく。
虐められる過程で万季と別れた真央はある日学校の帰り道に駅のホームで何者かに突き落とされ真央としての人生を無念のまま終えたはずに見えたが、次に目を覚ました真央は何故か自分のベッドに寝ており外見は別人になっており、その姿は自分が母親に最期に買ってくれたゲームの最強の裏ボスとして登場する容姿端麗な邪神の人間体に瓜二つだった。
またそれと同時に主人公に発現した現実世界ではあり得ない謎の能力『サタナフェクティオ』。
その能力はゲーム内で邪神が扱っていた複数のチートスキルそのものだった。
真央は名前を変え、|明星 亜依羅《みよせ あいら》として表向きは前の人生で送れなかった高校生活を満喫し、裏では邪神の能力を駆使しあらゆる方法で自分を陥れた者達に絶望の復讐していく現代転生物語。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
とある元令嬢の選択
こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる