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第九話・佳奈の塾
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駅前コンビニでのアルバイトから帰宅して、二人分の夕ご飯の仕度をする。勝手知ったる我が家で、父娘の生活の時とはほとんど変わらないルーティン。ただ以前と違うのは、後から帰ってくるのが実父ではなく、血の繋がらない妹だということ。
玄関の鍵が開かれた後に聞こえてくる、廊下を通り過ぎて行く軽い足音。そのおとなしい音は洗面所を経由してから、そのまま階段を上がって二階に移動してしまう。そして、しばらく天井の方から物音がして、今度は階段を降りる足音が聞こえてくると、愛華は炊飯器の蓋を開いてご飯茶碗に白米を盛り付け始める。
「おかえりー。ご飯にしよっか」
「……ただいま」
キッチンカウンター越しに自分の茶碗を受け取ると、佳奈は静かに自分の席に着いた。すでに時刻は20時を過ぎていて、塾の前に菓子パンを一袋食べて行ったにしても、お腹はかなりペコペコのはずだ。
佳奈が通っている塾の小学生向けのクラスがあるのは夕方で、授業自体は19時頃には終わる。ただ、佳奈は引っ越し前からの教室に変わらず通っているせいで、今は通塾には電車を乗り継いで1時間近くをかけている。勿論、行きも同じだけかかるから、下校後に家でのんびりできる余裕なんてないし、学校の宿題は塾の休み時間や電車待ちの時に済ませているみたいだった。
その長い通塾時間も春休み中は特に問題なかった。春期講習は日中にあったし、どんなに遅くても夕方には帰宅できていたから。でも、学校が始まって通常授業に戻ると、一気に過酷になった。勿論、部活動のある中学生に比べると小学生の授業開始は早く設定されてはいるが……。
――佳奈ちゃん、結構疲れてそうなんだけど……大丈夫かなぁ。
元々から静かな子だとは思っていたが、最近はさらに喋らなくなったような気がする。血の繋がらない姉妹での生活に気を使っているのか、下校後には洗濯物を取り入れて畳んでおいてくれたりと、忙しいのに無理してお手伝いしてくれているのも疲れの原因かもしれない。
「明日は塾が無い日だよね。私、明日は夕勤だから、ご飯は先に食べといてね」
温め直した味噌汁を手渡しながら言うと、佳奈が黙って頷く。それを確認してから、愛華も向かいの席に座って「いただきます」と手を合わせた。
「佳奈ちゃんの塾って、学校からそのまま行った方が近くないの?」
「下校中の寄り道は禁止だから……」
「そうなんだ。厳しいんだねー」
愛華が通っていた公立の小学校では、学校帰りに公文やそろばん教室に直行する子は沢山いた。愛華自身も公文の宿題をランドセルに入れて登校して、そのまま教室に通っていたし、専用の公文バッグは学校が休みの時しか使うことがなかった。おかげで小学校の卒業と同時に辞めた時も、公文バッグはピカピカなままだった。
「制服でウロウロしてると、学校に電話が掛かってくるから……」
「え、何それ。こわっ」
制服が無い愛華の母校とは違い、どこの学校へ通っているかが一目瞭然だから、ちょっとしたことでも近隣住民から通報が入ることがあるのだという。だから、塾に行くにも必ず一度帰宅して着替えてからでないといけない。
今は塾通いも週に三日で済んでいるが、入試直前期になれば特別講習とか集中特訓とか、そういった名目の授業が増えてくるだろう。そういうのに佳奈が参加するのかはまだ分からないが、既に週3でもクタクタになってる妹に耐えられるとは思えない。
そんな愛華の心配は、それから二週間後の朝に的中した。いつも時間通りに自分で起きてくる佳奈が、起床時間を過ぎても部屋から出てこないのだ。
「佳奈ちゃん、起きる時間はとっくに過ぎてるよ?」
ドアをノックしてから中へと入ると、遮光カーテンが閉められたままの部屋は真っ暗だ。壁際のスイッチで電気を点けてみれば、まだベッドに入ったままだった佳奈が、突然の光に目を細める。そして寝ぼけまなこで、枕の横に置いていた目覚まし時計を確認し、「え……あれっ?!」と急に焦り顔に変わる。
慌てて起き出した妹の姿を確認できると、別に体調が悪いという訳でもなさそうという点で愛華はホッとする。前日も塾があり、佳奈の帰宅は遅かった。さらに今日は学校で模擬テストがある日だし、真面目な佳奈のことだから夕食後に部屋に戻ってからも勉強していたのかもしれない。
――このままじゃ、佳奈ちゃん、倒れちゃうよ……。
誰が見ても、妹はもう限界だ。時間が無いと髪は一つに束ねただけで、ヨーグルトドリンクを一気飲みして出て行った佳奈の、慌ただしい足音を聞きながら愛華は眉を寄せた。
「佳奈ちゃん、学校じゃなくて塾の転校もイヤ?」
夕食時、リビングのテレビに気を取られていた妹へ、愛華が問い掛ける。塾もバイトもない平和な夕方。学校で話題になっている番組だからと点けてみたものの、イマイチ面白さが分からないらしく佳奈は難しい顔をしている。
「え、他の塾に変えるの?」
「ううん、他のじゃなくて、今の塾の別の校舎。駅前のビルにも入ってるよね、同じ塾」
「別にあそこなら、知ってる子が何人かいるけど。でも、またテスト受けたりしなきゃいけないんだよね……」
「入塾テストは無いよ。同じ塾内なんだし」
「塾って移ってもいいんだ、知らなかった……じゃあ、近いところがいい。今のとこ、ちょっと遠いから」
佳奈の反応に、愛華は「ああ、やっぱりか」と思った。どんなにしっかりした子だと言っても、佳奈はまだ小学生。大人が用意したレールが一番正しくて間違いがないと思っている。それ以外の選択肢なんて考えもしなかったのだろう。
そして、おそらく柚月は佳奈が今の塾の友達と離れたくないだろうと思って、転校のことを言い出さなかったはずだ。
塾にもよるかもしれないが、同じ塾内の校舎移動はそこまでの手続きは要らないことが多い。場合によっては電話一本で済むし、教室間の申し送りが早ければ翌週から受け入れてもらえたりもする。愛華自身の経験ではないが、中学の時に通っていた教室へ途中で別校舎から移って来た子がいたのを覚えていた。
「後でお母さんに電話する時に言ってみたら? 必要な手続きがあれば、私がやってあげるから」
分かったと頷き返した佳奈の表情が、どこかホッとしているように見えたのは気のせいじゃないだろう。一日に何度も電車に乗って出掛けるのは遊びの場合なら平気だが、それが通塾となると愛華だって勘弁して欲しい。
翌日の夕方、まだ勤務時間中の柚月から電話で頼まれて、愛華はバイト先の向かいにあるビルを訪ねていた。そこで受け取ってきたA4サイズの塾名入り封筒には、翌週から佳奈が通う講習の時間割表などが入っている。特に手続きは必要ないけれど、それだけは直接取りに来て欲しいと連絡があったらしい。
相変わらず柚月は「ごめんなさいね」を他人行儀に繰り返していた。
玄関の鍵が開かれた後に聞こえてくる、廊下を通り過ぎて行く軽い足音。そのおとなしい音は洗面所を経由してから、そのまま階段を上がって二階に移動してしまう。そして、しばらく天井の方から物音がして、今度は階段を降りる足音が聞こえてくると、愛華は炊飯器の蓋を開いてご飯茶碗に白米を盛り付け始める。
「おかえりー。ご飯にしよっか」
「……ただいま」
キッチンカウンター越しに自分の茶碗を受け取ると、佳奈は静かに自分の席に着いた。すでに時刻は20時を過ぎていて、塾の前に菓子パンを一袋食べて行ったにしても、お腹はかなりペコペコのはずだ。
佳奈が通っている塾の小学生向けのクラスがあるのは夕方で、授業自体は19時頃には終わる。ただ、佳奈は引っ越し前からの教室に変わらず通っているせいで、今は通塾には電車を乗り継いで1時間近くをかけている。勿論、行きも同じだけかかるから、下校後に家でのんびりできる余裕なんてないし、学校の宿題は塾の休み時間や電車待ちの時に済ませているみたいだった。
その長い通塾時間も春休み中は特に問題なかった。春期講習は日中にあったし、どんなに遅くても夕方には帰宅できていたから。でも、学校が始まって通常授業に戻ると、一気に過酷になった。勿論、部活動のある中学生に比べると小学生の授業開始は早く設定されてはいるが……。
――佳奈ちゃん、結構疲れてそうなんだけど……大丈夫かなぁ。
元々から静かな子だとは思っていたが、最近はさらに喋らなくなったような気がする。血の繋がらない姉妹での生活に気を使っているのか、下校後には洗濯物を取り入れて畳んでおいてくれたりと、忙しいのに無理してお手伝いしてくれているのも疲れの原因かもしれない。
「明日は塾が無い日だよね。私、明日は夕勤だから、ご飯は先に食べといてね」
温め直した味噌汁を手渡しながら言うと、佳奈が黙って頷く。それを確認してから、愛華も向かいの席に座って「いただきます」と手を合わせた。
「佳奈ちゃんの塾って、学校からそのまま行った方が近くないの?」
「下校中の寄り道は禁止だから……」
「そうなんだ。厳しいんだねー」
愛華が通っていた公立の小学校では、学校帰りに公文やそろばん教室に直行する子は沢山いた。愛華自身も公文の宿題をランドセルに入れて登校して、そのまま教室に通っていたし、専用の公文バッグは学校が休みの時しか使うことがなかった。おかげで小学校の卒業と同時に辞めた時も、公文バッグはピカピカなままだった。
「制服でウロウロしてると、学校に電話が掛かってくるから……」
「え、何それ。こわっ」
制服が無い愛華の母校とは違い、どこの学校へ通っているかが一目瞭然だから、ちょっとしたことでも近隣住民から通報が入ることがあるのだという。だから、塾に行くにも必ず一度帰宅して着替えてからでないといけない。
今は塾通いも週に三日で済んでいるが、入試直前期になれば特別講習とか集中特訓とか、そういった名目の授業が増えてくるだろう。そういうのに佳奈が参加するのかはまだ分からないが、既に週3でもクタクタになってる妹に耐えられるとは思えない。
そんな愛華の心配は、それから二週間後の朝に的中した。いつも時間通りに自分で起きてくる佳奈が、起床時間を過ぎても部屋から出てこないのだ。
「佳奈ちゃん、起きる時間はとっくに過ぎてるよ?」
ドアをノックしてから中へと入ると、遮光カーテンが閉められたままの部屋は真っ暗だ。壁際のスイッチで電気を点けてみれば、まだベッドに入ったままだった佳奈が、突然の光に目を細める。そして寝ぼけまなこで、枕の横に置いていた目覚まし時計を確認し、「え……あれっ?!」と急に焦り顔に変わる。
慌てて起き出した妹の姿を確認できると、別に体調が悪いという訳でもなさそうという点で愛華はホッとする。前日も塾があり、佳奈の帰宅は遅かった。さらに今日は学校で模擬テストがある日だし、真面目な佳奈のことだから夕食後に部屋に戻ってからも勉強していたのかもしれない。
――このままじゃ、佳奈ちゃん、倒れちゃうよ……。
誰が見ても、妹はもう限界だ。時間が無いと髪は一つに束ねただけで、ヨーグルトドリンクを一気飲みして出て行った佳奈の、慌ただしい足音を聞きながら愛華は眉を寄せた。
「佳奈ちゃん、学校じゃなくて塾の転校もイヤ?」
夕食時、リビングのテレビに気を取られていた妹へ、愛華が問い掛ける。塾もバイトもない平和な夕方。学校で話題になっている番組だからと点けてみたものの、イマイチ面白さが分からないらしく佳奈は難しい顔をしている。
「え、他の塾に変えるの?」
「ううん、他のじゃなくて、今の塾の別の校舎。駅前のビルにも入ってるよね、同じ塾」
「別にあそこなら、知ってる子が何人かいるけど。でも、またテスト受けたりしなきゃいけないんだよね……」
「入塾テストは無いよ。同じ塾内なんだし」
「塾って移ってもいいんだ、知らなかった……じゃあ、近いところがいい。今のとこ、ちょっと遠いから」
佳奈の反応に、愛華は「ああ、やっぱりか」と思った。どんなにしっかりした子だと言っても、佳奈はまだ小学生。大人が用意したレールが一番正しくて間違いがないと思っている。それ以外の選択肢なんて考えもしなかったのだろう。
そして、おそらく柚月は佳奈が今の塾の友達と離れたくないだろうと思って、転校のことを言い出さなかったはずだ。
塾にもよるかもしれないが、同じ塾内の校舎移動はそこまでの手続きは要らないことが多い。場合によっては電話一本で済むし、教室間の申し送りが早ければ翌週から受け入れてもらえたりもする。愛華自身の経験ではないが、中学の時に通っていた教室へ途中で別校舎から移って来た子がいたのを覚えていた。
「後でお母さんに電話する時に言ってみたら? 必要な手続きがあれば、私がやってあげるから」
分かったと頷き返した佳奈の表情が、どこかホッとしているように見えたのは気のせいじゃないだろう。一日に何度も電車に乗って出掛けるのは遊びの場合なら平気だが、それが通塾となると愛華だって勘弁して欲しい。
翌日の夕方、まだ勤務時間中の柚月から電話で頼まれて、愛華はバイト先の向かいにあるビルを訪ねていた。そこで受け取ってきたA4サイズの塾名入り封筒には、翌週から佳奈が通う講習の時間割表などが入っている。特に手続きは必要ないけれど、それだけは直接取りに来て欲しいと連絡があったらしい。
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