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そしてー…
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お参りも済み、譲ちゃんのお母さんに頭を下げて、あたし達は家を後にした。
帰り道、憔悴した様子で無言で歩く幸に、母親が声をかけた。
「ごめんね、幸。早く知らせてほしかったって言うかもしれないけど、お母さん、退院するまで幸には自分のことだけ考えてほしくて。
知ったら、幸までいなくなってしまいそうな気がして…」
「お母さん…」
幸は流れる涙を拭き取り、笑顔を作った。
「大丈夫。きっと譲ちゃんのお母さんの言うとおり、譲ちゃんがあたしのことを助けてくれたんだ。
だからあたし、譲ちゃんの分までちゃんと生きるよ」
幸はどこまでも青く澄み渡る空を見上げた。
そうだよね、譲ちゃん。
あたし今、お母さんと一緒に暮らしているんだよ。
びっくりでしょ?
ねぇ、あたし今、すっごく幸せだよ。
譲ちゃんのおかげ!
ありがとう、譲ちゃん。
あたし絶対、譲ちゃんのこと忘れないから――。
END.
帰り道、憔悴した様子で無言で歩く幸に、母親が声をかけた。
「ごめんね、幸。早く知らせてほしかったって言うかもしれないけど、お母さん、退院するまで幸には自分のことだけ考えてほしくて。
知ったら、幸までいなくなってしまいそうな気がして…」
「お母さん…」
幸は流れる涙を拭き取り、笑顔を作った。
「大丈夫。きっと譲ちゃんのお母さんの言うとおり、譲ちゃんがあたしのことを助けてくれたんだ。
だからあたし、譲ちゃんの分までちゃんと生きるよ」
幸はどこまでも青く澄み渡る空を見上げた。
そうだよね、譲ちゃん。
あたし今、お母さんと一緒に暮らしているんだよ。
びっくりでしょ?
ねぇ、あたし今、すっごく幸せだよ。
譲ちゃんのおかげ!
ありがとう、譲ちゃん。
あたし絶対、譲ちゃんのこと忘れないから――。
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