大切なもの

吉野ゆき

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「ん…?」

ガバッ

「やべっ!寝てた!?」

外はもう真っ暗になっていた。
慌てて時計を見る。

―1時20分。

よく寝たな。
まぁ、疲れてたからな。


「美月…?」

人の気配がない。
普通ならもう帰っている時間なんだけど。

キッチン、風呂を捜してみるけどやっぱりいない。


残業かな…?

とりあえずすることもなくヒマなのでケータイをいじってみる。

時間も時間なので誰もつかまらない。

「てかまた腹へったよぉ…」

さすがに二食続けてカップラーメンはなぁ…。

仕方なくコンビニへ食べ物を買いに行こうとサイフを握りしめた。


外に出ると、大きな月がオレを照らした。

「なんだよ、ついてくんなよ」

ひとりで見る月は余計に孤独感を煽って、オレは月を睨んで呟いた。


無事に買い物を終えてアパートへ戻り、食べ終わるとベッドに寝転がりまたケータイをいじった。

すると、いつのまにかまた眠りについていた。
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