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大河原 進也
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人ってあっけない。
ママは焼かれて骨になってしまった。
ほんの数日前まで、普通に動いて生きていたのに。
私にとってのママは、強くて、無敵。
だから車に撥ねられたくらいで死ぬなんて未だに信じられない。
もっといろいろできたはずなのに。
出てくるのは後悔ばかり。
でも、私は生きなきゃ。
それがママの願いだから――。
私の引き取り先はかなり揉めているらしい。
遠縁にあたる人ばかりで、私には顔も名前もわからない。
「うちはもう子供が二人もいるし、お宅一人じゃない」
「うちだってもう親が歳だし、そんな余裕ないよ!」
なんの話をしているの?
今はママのお葬式なのに。
「しかも、あんな女の娘なんて―…」
『あんな女』?
私はたまらず睨みつける。
「なんだ、その目は?
やっぱり親が親なら子も子だな!」
「!!」
悔しい…!私のせいでママが…!
「私は誰のお世話にもなる気はありません!!」
気がつくと私はそう叫んで外へ飛び出していた。
ママは焼かれて骨になってしまった。
ほんの数日前まで、普通に動いて生きていたのに。
私にとってのママは、強くて、無敵。
だから車に撥ねられたくらいで死ぬなんて未だに信じられない。
もっといろいろできたはずなのに。
出てくるのは後悔ばかり。
でも、私は生きなきゃ。
それがママの願いだから――。
私の引き取り先はかなり揉めているらしい。
遠縁にあたる人ばかりで、私には顔も名前もわからない。
「うちはもう子供が二人もいるし、お宅一人じゃない」
「うちだってもう親が歳だし、そんな余裕ないよ!」
なんの話をしているの?
今はママのお葬式なのに。
「しかも、あんな女の娘なんて―…」
『あんな女』?
私はたまらず睨みつける。
「なんだ、その目は?
やっぱり親が親なら子も子だな!」
「!!」
悔しい…!私のせいでママが…!
「私は誰のお世話にもなる気はありません!!」
気がつくと私はそう叫んで外へ飛び出していた。
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