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片思い

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「あれ、俺何言って…」

一気に大倉の顔が赤く染まる。


「ナシ!今のナシ!!
違うんだぁぁぁぁぁ」

叫びながら走り去っていった。


…。

大倉、暴走しすぎ。

いつもほっといても女のほうから寄ってきていた大倉にとっては、初めてでわからないことだらけなんだろう。


それにしても…。

俺は残された鈴原の様子が気になって、横目で盗み見してみた。 


鈴原はまったくの無表情だった。


「鈴原…?」

「なんですか?」

表情を変えずに聞き返してくる。


いや、なんですかって…。
今、告白されたよね?

普通はもっとこう…頬を赤らめたりとか、嬉しがったりとか、困惑したりとか?

何かあるもんじゃないですか??

なんでそんなにケロッとしてるんだ?

告白慣れしすぎてるとか?

…なんかそんなのやだな。



「大倉のこと」

こう切り出すと、そのことかといった表情で、少し不機嫌そうに口を開いた。


「ああ、さっきのですか?大丈夫ですよ。
あんなの真に受けたりなんてしませんから」

「え」

口を挟む間もなく、鈴原は続ける。


「あの人、相当な遊び人なんですよね?よく噂聞きます。
どうせあたしがなかなか靡かないから意地になってるんでしょ。
ああいう、恋愛を遊び感覚で見てる人って、あたし大ッ嫌いです!!」

早口で一気に話す鈴原に俺は「あはは」と笑うしかなかった。

鈴原の言ったことは本当のことだったから。
ごめん、大倉。フォローできない。
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