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番外編-3

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それでも今日、アイツと話ができた。

自分に孫ができる日がくるなんて考えられなかった。


笑顔も見れた。
君といるとあんなに優しい笑顔で笑うんだな。

私にはそれだけでもう本当に十分だ。


君には本当に感謝しているよ。
あの子を父親にしてくれてありがとう。

吉哉のことをよろしく頼みます」



そう言って頭を下げるお義父さんの姿は、きっと吉哉さんがほしくてほしくてたまらなかった父親そのものだと思う。



私はもう涙でまともに声がでなかった。


吉哉さん、吉哉さんは跡継ぎの道具なんかじゃないよ。

こんなにも愛されてるんだよ――。



「これはもう吉哉さんには渡さないんですか?」

パタンとクローゼットを閉めて振り向くと、

「もう吉哉には必要のないものばかりだからね」

と返された。


「それでも、気持ちは伝わると思います」

「今さらだよ。こんなもの言い訳にしかならない」

「そっ」

「もう帰りなさい。吉哉が心配する」


それは強制的な話の終了の合図。


一気に線を引かれた私は何も言えなくなった。

それに、そんなことないって言いたかったけど、私が言うには言葉が軽すぎる気がする。


私が吉哉さんと時間を共にしたのはほんの数年。
吉哉さんとお義父さんの年月の重さを私は知らない。

お義父さんが望まないなら私が関わるべきじゃないのかもしれない。
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