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涙の別れ

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ここはどこだろう?

右も左も真っ暗で、自分が進んでいるのか戻っているのかもわからない。



俺、死んだんだよな、きっと。


迎えとかないのかよ。

まさか、地獄行きとかいうんじゃないだろうな。

でも俺、別にそんなに悪いことしてきてなかったぞ?


俺は周りの様子を窺いながら、とりあえず足を進める。






「よしや君…」

いきなり目の前に人影が現れ、思わず足を止めた。

目の前に現れたのは、よく見るとまだ小さな少年だった。
その悲しそうな顔を俺は知ってる。

「大倉!」

小学生の、あのときだ。


「大倉、ごめ」

謝る前にフッと大倉の姿が消え、辺りはまた暗闇に包まれた。


謝れないって、こんな気持ちだったんだ。
ごめんな、大倉…。



「謝らないで!」

ハッとして顔を上げると、今度は鈴原の姿があった。

今にも零れそうなほど目に涙を溜めている。


ああ、これは俺達が別れた日だ。


人には謝らせないで、自分は謝ってスッキリか。
何が『そんなに悪いことはしていない』だ。

今更ながらに自分の勝手さに気づく。
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