喫茶店奇話

紀之介

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裏通りの喫茶店。

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 その店は、所謂、裏通りにありました

 古いと言うか、うらぶれたと言うか、何か怪しい感じの喫茶店です。

 彼は、その店が気になっていました。

 ある日、思い切って、その喫茶店に入ってみます。

 店には、客は誰もいませんでした。

 男性が席に着くと、お盆を持った店主が来ます。

 そして、彼のテーブルに、2人分の水とおしぼりを置いたのでした。

「?」

 思わず店主の顔を見て、男性は思います。

(ボケてる? …冗談??)

 そこで彼は、ある事を思い付き、実行してみました。

「あなたは、見える方なんですね? 息子も喜んでます」

 その言葉に、店長はこう答えたのです。

「…え? 息子さんなんですか。 ─ あんまり可愛い顔の子なんで、娘さんかと思いましたよ。。。」
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