3 / 3
おはよぉ…
しおりを挟む
「かーなー」
朝、教室に向かう階段に足を掛けようとした時。
上方の、壁一面がガラス張りの踊り場には、仁王立ちの綾ちゃんがいました。
「あ、おはよぉ…」
「─ 聞いても良い?」
「え?」
「私達、友達じゃないの?」
「…は?!」
「どうなの!?」
「ちょ、ちょっと 落ちついて!」
私は急いで、踊り場まで駆け上がります。
「とりあえず、教室に行こう。ね?」
困惑を抑えつつ、強引に綾ちゃんの腕を取って、階段を登り始めたのでした。。。
----------
「おはよぉ」
階段を登り切り、廊下に出た瞬間。
先に登校していた、一子ちゃんに出くわしました。
「ん!?」
不機嫌そうな綾ちゃんの手を、私が引いている事に気が付きます。
「あ! そう言えば…」
不穏な香り嗅ぎ取り、踵を返そうする一子ちゃん。
その腕を、空いている手で綾ちゃんが 乱暴に掴みます。
「いーちーこー」
「な…何? 怖い顔して」
「私達3人、友達じゃないの?」
唇を噛んで涙目の綾ちゃん。
私は急いで答えます。
「と、当然じゃないの!」
この手の話題が苦手な一子ちゃんは、渋い顔で固まっていました。
事態が事態なので、私は肘で突きます。
「…何か言ってあげて!!」
「き、嫌いな人間とは…四六時中一緒に行動しないし。」
「ほら! 一子ちゃんも こう言ってるでしょ♡」
納得いかない様に、綾ちゃんは 2人を睨みました。
「─ じゃあ、昨日は?」
「えーとぉ…綾ちゃん??」
「知ってるんだからね。」
「落ち着け、綾」
「私に内緒で、2人で何処かに行ったよね?」
「いや…だってね? 綾ちゃん!?」
「どうして私だけ…除け者にするの!」
----------
「2人共、ひどい!」
涙で目を潤ます綾ちゃんに、私は慌てます。
「そ、それは…だって……」
「仕方ないでしょ」
「いーちーこー」
「あ、綾ちゃん? 私達が行ったのは、中学校の同窓会なのよ??」
「それなら尚更!」
綾ちゃんは、今にも大泣きを始めそうでした。
「どうして私には…声も掛けてくれないの!?」
「落ち着いて、綾ちゃん!」
一子ちゃんが、ゲンナリした様に呟きます。
「逆に訊くけど…何で誘わないと、いけないの?」
「あー 開き直った!」
「私達と佳奈は同じ学校だったけど…綾は別の中学卒業じゃない。」
「─ え!?」
----------
「ちょ…ちょっとまって!」
焦りだす綾ちゃん。
「わ、私達…同じ中学 だったよね!?」
沈黙する2人に、畳み掛けます。
「体育祭も…文化祭も……しゅ、修学旅行も………3人一緒だったじゃない!!」
一子ちゃんと私は、顔を見合わせました。
「おい…大丈夫か!?」
「綾ちゃんと私達が知り合ったのは、この高校に入学してからよ?」
「あー!?」
突然奇声を上げて、綾ちゃんが後ずさりします。
「ご、ごめん…」
音がする勢いで、両手を自分の顔の前で両手を合わせました。
「さっきのは…理想の思い出でした。」
虚を衝かれた表情で、一子ちゃんが口を開きます。
「り、理想の思い出って…何?」
「自分だけ2人と違う中学なのが悔しくて…どうせならって、3人は中学から一緒にいたって言う設定の思い出♡」
脱力した私は、その場に崩れ落ちました。
「あ、綾ちゃん…」
上目遣いで様子を伺う綾ちゃんの頬を、一子ちゃんが両手で挟みます。
「記憶を捏造するは あんたの自由だけど…人に迷惑を掛けない様にしてくれるかな?」
「やぁーめぇーーてぇーーー いぃーたぁーーいぃーーー」
朝、教室に向かう階段に足を掛けようとした時。
上方の、壁一面がガラス張りの踊り場には、仁王立ちの綾ちゃんがいました。
「あ、おはよぉ…」
「─ 聞いても良い?」
「え?」
「私達、友達じゃないの?」
「…は?!」
「どうなの!?」
「ちょ、ちょっと 落ちついて!」
私は急いで、踊り場まで駆け上がります。
「とりあえず、教室に行こう。ね?」
困惑を抑えつつ、強引に綾ちゃんの腕を取って、階段を登り始めたのでした。。。
----------
「おはよぉ」
階段を登り切り、廊下に出た瞬間。
先に登校していた、一子ちゃんに出くわしました。
「ん!?」
不機嫌そうな綾ちゃんの手を、私が引いている事に気が付きます。
「あ! そう言えば…」
不穏な香り嗅ぎ取り、踵を返そうする一子ちゃん。
その腕を、空いている手で綾ちゃんが 乱暴に掴みます。
「いーちーこー」
「な…何? 怖い顔して」
「私達3人、友達じゃないの?」
唇を噛んで涙目の綾ちゃん。
私は急いで答えます。
「と、当然じゃないの!」
この手の話題が苦手な一子ちゃんは、渋い顔で固まっていました。
事態が事態なので、私は肘で突きます。
「…何か言ってあげて!!」
「き、嫌いな人間とは…四六時中一緒に行動しないし。」
「ほら! 一子ちゃんも こう言ってるでしょ♡」
納得いかない様に、綾ちゃんは 2人を睨みました。
「─ じゃあ、昨日は?」
「えーとぉ…綾ちゃん??」
「知ってるんだからね。」
「落ち着け、綾」
「私に内緒で、2人で何処かに行ったよね?」
「いや…だってね? 綾ちゃん!?」
「どうして私だけ…除け者にするの!」
----------
「2人共、ひどい!」
涙で目を潤ます綾ちゃんに、私は慌てます。
「そ、それは…だって……」
「仕方ないでしょ」
「いーちーこー」
「あ、綾ちゃん? 私達が行ったのは、中学校の同窓会なのよ??」
「それなら尚更!」
綾ちゃんは、今にも大泣きを始めそうでした。
「どうして私には…声も掛けてくれないの!?」
「落ち着いて、綾ちゃん!」
一子ちゃんが、ゲンナリした様に呟きます。
「逆に訊くけど…何で誘わないと、いけないの?」
「あー 開き直った!」
「私達と佳奈は同じ学校だったけど…綾は別の中学卒業じゃない。」
「─ え!?」
----------
「ちょ…ちょっとまって!」
焦りだす綾ちゃん。
「わ、私達…同じ中学 だったよね!?」
沈黙する2人に、畳み掛けます。
「体育祭も…文化祭も……しゅ、修学旅行も………3人一緒だったじゃない!!」
一子ちゃんと私は、顔を見合わせました。
「おい…大丈夫か!?」
「綾ちゃんと私達が知り合ったのは、この高校に入学してからよ?」
「あー!?」
突然奇声を上げて、綾ちゃんが後ずさりします。
「ご、ごめん…」
音がする勢いで、両手を自分の顔の前で両手を合わせました。
「さっきのは…理想の思い出でした。」
虚を衝かれた表情で、一子ちゃんが口を開きます。
「り、理想の思い出って…何?」
「自分だけ2人と違う中学なのが悔しくて…どうせならって、3人は中学から一緒にいたって言う設定の思い出♡」
脱力した私は、その場に崩れ落ちました。
「あ、綾ちゃん…」
上目遣いで様子を伺う綾ちゃんの頬を、一子ちゃんが両手で挟みます。
「記憶を捏造するは あんたの自由だけど…人に迷惑を掛けない様にしてくれるかな?」
「やぁーめぇーーてぇーーー いぃーたぁーーいぃーーー」
0
お気に入りに追加
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
手帳!
紀之介
ライト文芸
手帳の予定に関するお話
1.週末空いてる?
スケジュール管理は手帳で?
(二葉さんと美卯さんのお話)
2.何かあるの?
植木市に行く理由
(文月さんと睦月さんのお話)
3.スケジュール。
予定されてない行動は一切取らない
葉月さんと真一君のお話
紀之介
キャラ文芸
*大欠伸のお話
1.お待たせ。
デート中に大欠伸なんかすると…
2.チャンス♪
デート中に、おネム
*日常のお話
3.して下さい♡
- 今年の誕生日のプレゼントは、花束希望です♡ -
*お弁当のお話
4.手作りの。。。
お返しに私が作ってあげます♪
5.懸案事項?
何を作ってきても、文句なしですからね?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

喫茶店奇話
紀之介
ライト文芸
喫茶店での出来事
1.2人連れの客…
2人連れの客に店主は?
2.裏通りの喫茶店。
1人で入った店で…
3.行きつけの喫茶店…
1人のテーブルに置かれた、2人分の水とおしぼり
4.カップ半分だけ…
初見の客が注文したのは、カップ半分のコーヒー
だいえっと
紀之介
ライト文芸
するなら…しても……
1.迂闊に量ったら…
不用意に他人をダイエットに誘うと…
(初音さんと二葉さんのお話)
2.まだ続けるの?
目標体重になってもダイエット? (如月さんと睦月さんのお話)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる