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ハルハナ解釈

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いつか人の命は枯れ落ち行く…
どんな綺麗に咲いてても…
それはまるで真っ赤なバラが強風で散るように一瞬だった
彼女の春歌が交通事故にあってから、もう半年が過ぎようとしていた
2人で仲良く歩いているところに、居眠り運転をしていたトラックが突っ込んだのだ
達太の方はかすり傷程度で済んだが、春歌はトラックに轢かれてしまった
達太はそんな血だらけの春歌を、ただただ抱きしめることしかなかった
脈がどんどん弱くなっていき、そしてとうとう…
最愛の人の死を見届けて怖くなった 
「生きる」ことはこんなにも簡単に出来なくなるという冷酷さに

【枯れ落ち行く… どんな綺麗に咲いてても…
クラシックローズな色のはなびら 旅立つように
終止符(フィーネ)まで 時の音符を奏でてた
 花の最後見届け怖くなった「生きる」の冷酷さ】

(終止符(フィーネ)まで 時の音符を奏でていた
の部分を脈拍に)

他人ならこの死を乗り越えられると思う
だけど目の前で春歌を失った自分だけは乗り越えられない
そんなにも哀しみが
染み付いていた
だけど悟られる訳にはいかなかった
そうして次第にポーカーフェイスが上手くなっていた

【他人なら背負えても
自分だけは背負えない
 哀しみが
染み付いて
大人ぶる仕草だけが
  辛(から)くも上手く】

夜になるといつも春歌と電話をしていた
そんなことをふと思い出すと
忘れてたはずの痛みが胸を刺す
耐えきれなくなり友人に電話をすると
「いつか忘れる日が来るから」
と言われた
聞く耳を持たなかったが、春歌もそう思ってるのなら?と考えるとなんとか乗り越えることが出来た

【Ah...夜風がロンリネス締め付けて
忘れてた痛みが胸を刺すけど
「変わらぬ季節はないから」と
   春の歌がそっと抱きしめた】

(ロンリネス=孤独)


ずっと大好きだよ
来世でも私を好きになって
春歌の遺言だった
パニックになった達太を見て最後の力を振り絞ったのだろう
聞き取るのが困難な声だったが、その言葉のおかげで達太は春歌の後を追いかけるのを思い留まり、生きていくことを決めた

【愛は死なない
時をも越えると
小さな手でも
強く袖を引き
愛しき花は云う
愛しき花は云う】
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