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感情屋 マサくん リメイク
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キツイ言葉はかけられたくない。
蔑んだ目でなんか見られたらやっていけない。
痛いことはしたくない。
これは気にし過ぎなのだろうか??
マサはいつもそんな疑問を抱いていた。
こんなこともできないんですか?と冷めた目で後輩の女子に言われれば1週間は凹み、高いヒールを履いた女性を見れば怖そうな人だと心の中でビクビクしている。
顔に出ていないかいつもヒヤヒヤしていた。が、なんとかポーカーフェイスでいるのがなによりの自慢できるところではあった。
だか次第にメンタルが耐えきれなくなることが増え、体を壊し、とうとう胡散臭い噂を信じてこの公園に来ていた。
「にしても…ホントに現れるのか…」
それは満月の夜、池に反射した月の道を渡ってやってくるという。
感情という目には見えないものを具現化させ売買を行っているらしい。
売った感情は持ち主から綺麗になくなり、買ったものには永遠になくならない。
そんな夢のようなことをしてくれる、感情屋。
その感情屋に今までで1番嬉しかったこと、1番楽しかったことなど、普通の人だったら手放したくないような感情が欲しくて欲しくてたまらなかった。
「それにしても…」
マサは感情屋の真偽よりも、もしいるとしたらどんな怖い人なのかということで頭がいっぱいだった。
「きっと「はぁ?こんな感情が欲しいわけ?キッモ、ばっかじゃないの?」とか「あらあら、マサ君になんか渡すなんて思ってるのかな」とか言ってくるのかな…ああ…どうしよう…」
「ええ…ああ、ちょっとそこの…もの、…大丈夫か?」
心の底から心配そうな顔をして男は声をかけたが、そんな声は聞こえるわけもなくマサは続けた。
「服装はもダサいし、顔も垢抜けないしって言われたらああ…どうしよう…」
「いやー、人間意外とそんな所まで見てはないからなー」
男は遠くて聞こえなかったのかと思い、マサの真横で言い切った。
「でも敢えてノーコメントって言うのも…1番きつ…」
「だからそんなところまで一々見ないって言ってるだろう!!!」
「わ、わ、わ、だ、誰ですか!?え、いつからそこに…」
慌てだしたマサに感情屋は優しく言う。
「まあ落ち着け、私がその感情屋だ」
「あなたが…」
マサは怯えきった様子で感情屋を見つめた。
「そう構えるな。で、依頼はなんだ」
「はい…」
マサは本来欲しかったものよりも現在何とかして欲しいことを頼むことにした。
「誰かと接する度不安で不安で仕方がなくって…ぜひこの気持ちを買取ってくれませんか?」
「おお、実によくある依頼だ。では何故そのように不安になるのか考えたことはあるか?」
「うーん…」
「逆に自分も不安にさせてるかも?なんてことを考えたことは?」
「えっ…?」
「ないとは言いきれないのでないか?実際普段君が接している人だって、不安にさせたくてそうしてるわけじゃないと思うぞ」
「た、確かに…?」
「ほら、そうだろう。要は考えすぎの心配性で繊細なだけではないか」
「う、うーん」
感情屋はマサの肩に優しく手を添え、
「まあ、頑張れ少年、物は捉えようなんだ。その繊細さを活かすも殺すも自分次第だ」
「自分…次第…」
「怖いだとか、不安ならそれを逆手にとったことが出来ると思うんだがな」
のちに【モンスターハウスのマサ】と言えば知らぬものはいない、ホラー映画監督としての道を目指すきっかけとなる出来事だった。
蔑んだ目でなんか見られたらやっていけない。
痛いことはしたくない。
これは気にし過ぎなのだろうか??
マサはいつもそんな疑問を抱いていた。
こんなこともできないんですか?と冷めた目で後輩の女子に言われれば1週間は凹み、高いヒールを履いた女性を見れば怖そうな人だと心の中でビクビクしている。
顔に出ていないかいつもヒヤヒヤしていた。が、なんとかポーカーフェイスでいるのがなによりの自慢できるところではあった。
だか次第にメンタルが耐えきれなくなることが増え、体を壊し、とうとう胡散臭い噂を信じてこの公園に来ていた。
「にしても…ホントに現れるのか…」
それは満月の夜、池に反射した月の道を渡ってやってくるという。
感情という目には見えないものを具現化させ売買を行っているらしい。
売った感情は持ち主から綺麗になくなり、買ったものには永遠になくならない。
そんな夢のようなことをしてくれる、感情屋。
その感情屋に今までで1番嬉しかったこと、1番楽しかったことなど、普通の人だったら手放したくないような感情が欲しくて欲しくてたまらなかった。
「それにしても…」
マサは感情屋の真偽よりも、もしいるとしたらどんな怖い人なのかということで頭がいっぱいだった。
「きっと「はぁ?こんな感情が欲しいわけ?キッモ、ばっかじゃないの?」とか「あらあら、マサ君になんか渡すなんて思ってるのかな」とか言ってくるのかな…ああ…どうしよう…」
「ええ…ああ、ちょっとそこの…もの、…大丈夫か?」
心の底から心配そうな顔をして男は声をかけたが、そんな声は聞こえるわけもなくマサは続けた。
「服装はもダサいし、顔も垢抜けないしって言われたらああ…どうしよう…」
「いやー、人間意外とそんな所まで見てはないからなー」
男は遠くて聞こえなかったのかと思い、マサの真横で言い切った。
「でも敢えてノーコメントって言うのも…1番きつ…」
「だからそんなところまで一々見ないって言ってるだろう!!!」
「わ、わ、わ、だ、誰ですか!?え、いつからそこに…」
慌てだしたマサに感情屋は優しく言う。
「まあ落ち着け、私がその感情屋だ」
「あなたが…」
マサは怯えきった様子で感情屋を見つめた。
「そう構えるな。で、依頼はなんだ」
「はい…」
マサは本来欲しかったものよりも現在何とかして欲しいことを頼むことにした。
「誰かと接する度不安で不安で仕方がなくって…ぜひこの気持ちを買取ってくれませんか?」
「おお、実によくある依頼だ。では何故そのように不安になるのか考えたことはあるか?」
「うーん…」
「逆に自分も不安にさせてるかも?なんてことを考えたことは?」
「えっ…?」
「ないとは言いきれないのでないか?実際普段君が接している人だって、不安にさせたくてそうしてるわけじゃないと思うぞ」
「た、確かに…?」
「ほら、そうだろう。要は考えすぎの心配性で繊細なだけではないか」
「う、うーん」
感情屋はマサの肩に優しく手を添え、
「まあ、頑張れ少年、物は捉えようなんだ。その繊細さを活かすも殺すも自分次第だ」
「自分…次第…」
「怖いだとか、不安ならそれを逆手にとったことが出来ると思うんだがな」
のちに【モンスターハウスのマサ】と言えば知らぬものはいない、ホラー映画監督としての道を目指すきっかけとなる出来事だった。
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