冥聖のアンティフォナ⓵

弧月蒼后

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──悪魔。
炎獄の魔神・テュポーンが創造せし、異質の力を持つ彼らがそう呼ばれる理由。
それは彼らが人を喰らいその力を増大させる「人喰い《マン・イーター》」であるからだ。

「月食《ルーナ・イクリプス》」の起きた夜は多くの悪魔が人間界に降り立ち「人喰い」を行う。

最近では「月食」になる日が増え、悪魔達の人間狩りは熾烈を極めていた。
そのまさに悪魔の所業に耐えられなくなった悪魔族の青年ルアグは、ある日の「月食」の夜に「人喰い」には参加せず悪魔界を抜け出した。

しかしそれをよしとしない人物がいた。
現在の悪魔界のトップ、ルシャメイだ。
ルシャメイは配下の悪魔に命じてルアグを追わせ、特別な首輪で力を封じて人間界へと堕とした。
この物語はそんな「人喰い《マン・イーター》」でありながらも「人喰い」になれなかった悪魔の冒険譚である。
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