婚約破棄され自由になれましたが家族にいじめられるしもう我慢も限界です。いじめないで下さい。家族を殺したらモテ期到来。愛されすぎて困ってます

２話 「主、主だけでも逃げるか」「主だけでも生きて欲しいんだ」はぁ、このイケメン執事は何も分かっていないようですね。 教育が必要なようです

　「大将、これはきついぜ」
　こちらは１００人以上いるのです。
チュアダムは所詮５０数人。
しかし、チュアダムの兵とはまるで兵の経験が違います。
倍の頭数がいても、それだけで勝てるなんてものではありません。
私は、デナム男爵家長女として、デナム男爵家領第一聖女として、なんとか生きてきました。
ただただ、生き抜く事を考え生き抜き、デナム男爵家領を守ってきました。
チュアダムは違います。
チュアダムは闘技と抗争の日々を送ってきました。
私は、出来るだけ抗争を避けてきました。
デナム男爵家がそう軽々と抗争をしていては、その抗争で勝ったとしてもすぐに消耗した所を狙われ滅びてしまいます。
私は、戦って生き抜いてきたのではなく、ただ生き抜いてきただけなのです。
　「主、主だけでも逃げるか」
　「はぁ、アロイド。貴方って執事の癖に馬鹿なのね」
ここで兵を失えばますますデナム男爵家は弱まり四方八方から攻められることになります。
婚約破棄を告げられ兵を置いて逃げたとなれば、アチェテシャパン大陸中から舐められる事になり、
アチェテシャパン大陸中から格好のカモとして餌食になります。
　「主だけでも生きて欲しいんだ」
はぁ、このイケメン執事は何も分かっていないようですね。
頭は回る方だと初めて会った時から思ってたんですが。
生きて帰れたら教育しなければいけません。
生きて帰れたらの話ですが。
　「大将、ここにいる１００数名は全員死も覚悟で来たんだぜ」
　はぁ、そうですよね。チュアダムの屋敷に乗り込むという事は、そういう事でしょう。
屋敷の連中も殺してきたようですし、もう引くに引けませんね。
　「ミュリスタ！！これはどういう事だ！！
お前の舎弟兵隊が！！屋敷の人間を殺して来ただと！！
これはもう！！金で済む問題ではないぞ！！」