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66話 この汚物を見捨てられないんだ
しおりを挟む「あのクズの頭蓋骨、ハンマーで叩き割る」
知能が低いからか、そんな事しか言えないようだ。
僕は知能が高くて良かった。
「一緒にリンチしようね。さよみ」
「ええ。頭蓋骨叩き割りリンチ」
知能の低い会話を聴いていると、頭が痛くなる。
このさよみという下女は、本当に知能が低い汚物だ。
ハンマーを扱える力も体力も技量もないのに、ハンマーを使う。
こと移動がまともに出来ない。
どれだけ忠告してやっても、この汚物はハンマーを使う事をやめない。
まぁ、汚物に学習なんて出来るわけがない。
だから仕方ないかとも思う。
が、僕も毎度毎度ながら今度も言わずには居られない。
「さよみ、君はそのハンマーを使わない方がいい」
「いや、そのではないな」
「君にハンマーは重すぎるし」
「扱いこなす技量もない」
「古角家メイドとして、あまり恥を晒すな」
「短刀も脇差も、与えてやってるだろう」
「今は、持ってきていないのか」
この古角家メイドの恥さらしさよみには、似合った武器も与えてやってる。
それなのに、使ってる所を見た事がない。
「全て叩き割った」
「ハンマーで」
「頭蓋骨を割る練習にした」
はぁぁ。頭が痛い。
もうだめだ。
こいつには何度何を言っても無駄なんだ。
でも僕は明日には、また言ってるだろう。
今日にあと5回は言うかもしれない。
もう、この汚物を見捨てられないのかと言われても。
僕はどうしてもどうしても何故だか。
この汚物を見捨てられないんだ。
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