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14話

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自キャラが、しゃがみこんでから鼻へ目掛けてアッパーを放つ。
 アッパーが、少女の鼻に入る。
 拳に、少女の鼻に一点突破のどっかーんした感触がくる。

 「気持ちいいぜぇぇ!」
 僕は、考えるより先に叫んでいた。
 前世でこんなに気持ちいい事なんてなかった。
 僕はこの気持ちよさを味わうために異世界転生してきたんだ。
 
  痛みに悶えた彼女は、最早コントローラーを操作する事さえ覚束ない模様だ。
  これ程大きな痛みを味わえば、そうもなるだろう。
 だから、この異世界のゲームでは痛みを受けない戦い方も重要なのかもしれない。
 そう思うだろう。
 
  受けて良かったんだ。
 もう、彼女はコントローラーを操作する必要がないんじゃないか。
 全て、終わっていたのではないか。
 
  苦痛に悶えながらもにまりとする少女の表情はやはり僕だけが見ていた。
 
 あの反射速度の遅さ。
 それは、彼女の性分が反射速度が遅いからとか、そんな事じゃない。
 遅いのだ。ゲームに及ぼす何かとして、反射速度も遅くなっている。
 それなら、それに対する強みが出てきて当然だ。
 その大きすぎるデメリットに対するメリットは何か。
 技の1つ1つは弱い。
 僕は、間違っていた。
 一点突破の技を持たず半端に多種の技を使うタイプだと思っていた。
 違ったんだ。
 むしろ、彼女は一点突破の技にコストを一つぎ込んでいたいんだ。
 あのまま、こちらのパンチキックの射程範囲内からちまちまとしていれば勝てた勝負だったんだ。
 それでも、僕のこの気持ちよさは真実だ。
 
  僕がこの異世界にこの場所に来たのは、彼女が僕を召喚したからだろう。
 彼女は召喚士だ。
 その推測は終わっている。
 その召喚士である部分が、ゲームに関わっていないと。
 何故、考えなかった。
 彼女は本当にリバースゲージを貯めさせたくなかったわけじゃない。
 貯めさせないなら貯めさせないのはまぁメリットでもあり、それがブラフでもあったんだ。
 リバースゲージを貯めさせたくないのだと、意識が行き過ぎていた。
 もう、このゲームにリバースゲージなんて関係ない。

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