妹は可愛い少女だったのですが美少女というわけではなかったので今は己をいつまでも美少女だと勘違いしている 痛い女です。もう貴女は愛されませんよ

甘いからあげ

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1話  やれやれ、妹はどうやら殿方にも両親にも愛されていると思っているようです。 思うだけならかってですがね

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 「お姉様、お姉様のヘアカフスを下さい」
妹のマリリスは私の物をなんでも欲しがります。
私の物に限らずなんでも欲しがるのです。
その癖、自分自身の力で1円も稼がず自分では何も手にいれないのです。
何故、自分で稼いで欲しい者を手入れ、努力して己を向上させより良い物を手に入れようとしないのでしょう。
努力を続けてきた私には妹のように怠惰で望むだけの生活をしているような欠陥品の気持ちは分からないのです。
 「マリリス、私に貴女のような欠陥品の気持ちは分からないわ。ちゃんと説明してよ。
なんで私が貴女にヘアカフスをあげないといけないのかしら」
 説明して下さい。馬鹿だからできませんかねぇ。
 「私は可愛くて殿方にもお父様お母様にも愛されているモレスキ男爵家令嬢マリリスよ。
私はまぁ少なくとも侯爵夫人にはなれますから、モレスキ男爵家にも貢献しているという事なのです。
それに比べてお姉様はブスで殿方に愛されませんから、どこのお嫁にもいけないでしょう。
ですから、お姉様は罪悪感を感じその罪悪感を軽減するために私に感謝して私が欲しがる物をなんでも差し出せばいいのですよ。
お姉様ってモレスキ男爵家に必要ないですものね。
なんでまだモレスキ男爵家を出ていかないのですか。
なんで生きてるんですか。
お姉様の物全部私に差し出して死んで下さい。
はい、死んで下さい。死んで。死んで。しーんーでー。」
妹がコールを始めました。
やれやれ、妹はどうやら殿方に愛されていると思っているようです。
確かに幼い頃の妹は可愛かったんですよ。
馬鹿で物を知らなくて恥ずかし気もなく人の物を欲しがるのも、妹が幼い頃は
殿方もそれを微笑ましく思い妹が欲しがる物を差し出してきました。
 少し体が成長して、少年達が学問訓練仕事に励んでいても、妹は毎日何の努力もせず遊んで暮らしていました。
欲しい物があれば欲しがれば差し出しました。
 何も知らず馬鹿で弱いのも、それを見下して安心している少年と殿方には愛されていました。
 勉強からも訓練からも仕事からも逃げていていつまでたってもの駄目男子には妹のように
馬鹿で弱くて毎日遊んでいるだけの妹は見下せて安心できるのでよかったのでしょう。
 しかし、妹ももう可愛い少女と呼べなくなる年頃になってくると、妹は殿方に愛されなくなっていました。
当然でしょう。
今の妹はもう可愛い少女ではありませんが、美女とは呼ばれません。
そもそも妹は可愛い少女であったのであって美少女だったわけではないのですから。
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