1 / 6
1話 やれやれ、妹はどうやら殿方にも両親にも愛されていると思っているようです。 思うだけならかってですがね
しおりを挟む
「お姉様、お姉様のヘアカフスを下さい」
妹のマリリスは私の物をなんでも欲しがります。
私の物に限らずなんでも欲しがるのです。
その癖、自分自身の力で1円も稼がず自分では何も手にいれないのです。
何故、自分で稼いで欲しい者を手入れ、努力して己を向上させより良い物を手に入れようとしないのでしょう。
努力を続けてきた私には妹のように怠惰で望むだけの生活をしているような欠陥品の気持ちは分からないのです。
「マリリス、私に貴女のような欠陥品の気持ちは分からないわ。ちゃんと説明してよ。
なんで私が貴女にヘアカフスをあげないといけないのかしら」
説明して下さい。馬鹿だからできませんかねぇ。
「私は可愛くて殿方にもお父様お母様にも愛されているモレスキ男爵家令嬢マリリスよ。
私はまぁ少なくとも侯爵夫人にはなれますから、モレスキ男爵家にも貢献しているという事なのです。
それに比べてお姉様はブスで殿方に愛されませんから、どこのお嫁にもいけないでしょう。
ですから、お姉様は罪悪感を感じその罪悪感を軽減するために私に感謝して私が欲しがる物をなんでも差し出せばいいのですよ。
お姉様ってモレスキ男爵家に必要ないですものね。
なんでまだモレスキ男爵家を出ていかないのですか。
なんで生きてるんですか。
お姉様の物全部私に差し出して死んで下さい。
はい、死んで下さい。死んで。死んで。しーんーでー。」
妹がコールを始めました。
やれやれ、妹はどうやら殿方に愛されていると思っているようです。
確かに幼い頃の妹は可愛かったんですよ。
馬鹿で物を知らなくて恥ずかし気もなく人の物を欲しがるのも、妹が幼い頃は
殿方もそれを微笑ましく思い妹が欲しがる物を差し出してきました。
少し体が成長して、少年達が学問訓練仕事に励んでいても、妹は毎日何の努力もせず遊んで暮らしていました。
欲しい物があれば欲しがれば差し出しました。
何も知らず馬鹿で弱いのも、それを見下して安心している少年と殿方には愛されていました。
勉強からも訓練からも仕事からも逃げていていつまでたってもの駄目男子には妹のように
馬鹿で弱くて毎日遊んでいるだけの妹は見下せて安心できるのでよかったのでしょう。
しかし、妹ももう可愛い少女と呼べなくなる年頃になってくると、妹は殿方に愛されなくなっていました。
当然でしょう。
今の妹はもう可愛い少女ではありませんが、美女とは呼ばれません。
そもそも妹は可愛い少女であったのであって美少女だったわけではないのですから。
妹のマリリスは私の物をなんでも欲しがります。
私の物に限らずなんでも欲しがるのです。
その癖、自分自身の力で1円も稼がず自分では何も手にいれないのです。
何故、自分で稼いで欲しい者を手入れ、努力して己を向上させより良い物を手に入れようとしないのでしょう。
努力を続けてきた私には妹のように怠惰で望むだけの生活をしているような欠陥品の気持ちは分からないのです。
「マリリス、私に貴女のような欠陥品の気持ちは分からないわ。ちゃんと説明してよ。
なんで私が貴女にヘアカフスをあげないといけないのかしら」
説明して下さい。馬鹿だからできませんかねぇ。
「私は可愛くて殿方にもお父様お母様にも愛されているモレスキ男爵家令嬢マリリスよ。
私はまぁ少なくとも侯爵夫人にはなれますから、モレスキ男爵家にも貢献しているという事なのです。
それに比べてお姉様はブスで殿方に愛されませんから、どこのお嫁にもいけないでしょう。
ですから、お姉様は罪悪感を感じその罪悪感を軽減するために私に感謝して私が欲しがる物をなんでも差し出せばいいのですよ。
お姉様ってモレスキ男爵家に必要ないですものね。
なんでまだモレスキ男爵家を出ていかないのですか。
なんで生きてるんですか。
お姉様の物全部私に差し出して死んで下さい。
はい、死んで下さい。死んで。死んで。しーんーでー。」
妹がコールを始めました。
やれやれ、妹はどうやら殿方に愛されていると思っているようです。
確かに幼い頃の妹は可愛かったんですよ。
馬鹿で物を知らなくて恥ずかし気もなく人の物を欲しがるのも、妹が幼い頃は
殿方もそれを微笑ましく思い妹が欲しがる物を差し出してきました。
少し体が成長して、少年達が学問訓練仕事に励んでいても、妹は毎日何の努力もせず遊んで暮らしていました。
欲しい物があれば欲しがれば差し出しました。
何も知らず馬鹿で弱いのも、それを見下して安心している少年と殿方には愛されていました。
勉強からも訓練からも仕事からも逃げていていつまでたってもの駄目男子には妹のように
馬鹿で弱くて毎日遊んでいるだけの妹は見下せて安心できるのでよかったのでしょう。
しかし、妹ももう可愛い少女と呼べなくなる年頃になってくると、妹は殿方に愛されなくなっていました。
当然でしょう。
今の妹はもう可愛い少女ではありませんが、美女とは呼ばれません。
そもそも妹は可愛い少女であったのであって美少女だったわけではないのですから。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
聖女はただ微笑む ~聖女が嫌がらせをしていると言われたが、本物の聖女には絶対にそれができなかった~
アキナヌカ
恋愛
私はシュタルクという大神官で聖女ユエ様にお仕えしていた、だがある日聖女ユエ様は婚約者である第一王子から、本物の聖女に嫌がらせをする偽物だと言われて国外追放されることになった。私は聖女ユエ様が嫌がらせなどするお方でないと知っていた、彼女が潔白であり真の聖女であることを誰よりもよく分かっていた。


婚約破棄……そちらの方が新しい聖女……ですか。ところで殿下、その方は聖女検定をお持ちで?
Ryo-k
ファンタジー
「アイリス・フローリア! 貴様との婚約を破棄する!」
私の婚約者のレオナルド・シュワルツ王太子殿下から、突然婚約破棄されてしまいました。
さらには隣の男爵令嬢が新しい聖女……ですか。
ところでその男爵令嬢……聖女検定はお持ちで?


「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる