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2話 「ニメレイナ、身の程知らずだったでしょう。謝罪しなさい」

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 「やるわよ。闘技」
 「闘技」
 始めから、勝てるわけがないと思って始めた闘技です。
そんな気持ちで勝てるわけがありません。
 悔しいのですが、このイケメンハンサム殿方は私の事を見て殴ってきます。
私なんて、見るに足らない存在のはずなのに、私の事を見てきます。
それなのに、私の方がこのイケメンハンサム殿方を見ていないのです。
私は何を殴っているのでしょう。
私が殴っているのは誰なのでしょう。
 当然、私は負けました。
負けた事より、イケメンハンサム殿方が私を見てきて私がイケメンハンサム殿方を見ていなかった事の方が辛く苦しかったのです。
私は、何を見てたのでしょう。
自分さえ見えていらず、お父様も見えていらず、何も見えていない。
自分が何を見ているのかも分からない。分かろうともしない。
 「弱いな」
 否定できるわけがありません。
 「ニメレイナ、身の程知らずだったでしょう。謝罪しなさい」
 私は何も言わなかった。
悔しくて、情けなくて、恥ずかしくて、何も言えませんでした。
お母様が懇願してくれる事を見込んで何も言わなかったのです。
こんなクズが他にいるでしょうか。
私はクズなのです。
 「ホフテス、許して頂戴。この子は馬鹿で弱くて未熟で甘ったれでクズでカスでゴミで謝る事もできないの」
 「お前の娘なんだ。これから俺の義理の娘にもなるんだ。何もしやしないさ。
何かをする価値もない、どうでもいい存在だ。
こんなカスにわざわざ怒る気にもならない」
 どうやら私はどうされる事もないようです。
私は情けない事に安堵していました。
 
---ニメレイナ自室---
デッキを見直しても、デッキに問題があるわけではありません。
当然です。
カードのせいにできるわけもない。
私が悪いんだ。
イケメンハンサム殿方が強くて負けたなんてものじゃない。
私が弱く闘技をする気もないから負けたのです。
ごめんなさい。貴方達の主である私が、貴方達を使いもせず負けた。
 
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