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2話  ペット面は辞めて。貴方はペットじゃないわ

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 「おかえり」
 夫に近づき言い直してあげましたが、夫は返事をしません。
 無視はDVですよ。最低ですね。
夫の耳を口に含み「おかえり」と叫んであげました。
これでもまだ返事をしないのでしょうか。
夫は何故か不機嫌に被害者面をしています。
!!!「最低ですね。いつまでそうやって悲劇のヒロイン気取りなのでしょうか。
甘やかされて育ったから、いつまでも大人になれないのでしょうね。
もういい加減大人になったらどうなの。
ユヴァン、貴方もう26歳よね。
貴方の26年ってまるで無駄だったのね。
遊んでるだけならペットと同じじゃない。
ペットは可愛いし癒してくれるけど貴方は容姿も平凡だし私に負担を押し付けるだけじゃない。
貴方はペットじゃないのよ。
ペット面は辞めて。
それでもプロウメイト伯爵家嫡男なのですか。
いつまでそうやってふてくされて逃げてるの。
いつか誰かが助けてくれるって囚われのお姫様のつもりなの。
きもいわね。死んでいいわよ。死になさい。死ね」
夫の耳を口に含んだまま我慢していた事を叫びましたが、夫はまだ口を開きません。
 まだDVを続けるのですか。
もういい加減にして下さい。
私の痛みをまったく分かってくれないのは何故ですか。
私は貴方と違って思ってることを言いました。
それでも、何故分かってくれないんですか。
ユヴァン、これでは私は貴方の妻と言えません。
私は貴方の奴隷ですか。家政婦ですか。
違いますよね。
ユヴァン、私は貴方の妻です。
 「なんで被害者面してるのよ。被害者は私よ。口も利かない夫にDVされて、その辛さは貴方なんかには分かるわけないわよね」
 夫はこれだけ言ってあげてもまだ怒ってる表情をして何も言いません。
 「何故、口を利いてくれないんですか。
そりゃあ、私も貴方も親に無理矢理決められ結婚したのですが、それでも私達は夫婦じゃないですか。
本人が望む望まないに関わらず私達は地球に人として生まれているのです。
全てが自分の思い通りに行くわけではありません。
それでも私達は生きていくのです。
私と夫婦でいる事が嫌なら離婚してもいいのよ。
貴方の両親がたっぷりお金を持っているから、親に泣きついてでも慰謝料2億円下さい」
 2億円欲しいです。こんな平凡容姿で学歴70点収入63点の夫より、慰謝料2億円の方が35憶倍魅力的です。
初めから、ずっと夫婦を続ける気なんてありませんでした。
そのうちに貴方が離婚の理由を作ってくれるでしょうから、それまで耐えれば慰謝料も億は貰えて自由になれると。
その願いでDVにも耐えてこれたんです。
 「ねぇ、何がそんなに不満なのかしら。言ってよ。
私達夫婦だもの。もっと聞かせてよ。貴方は何を考えているの」
 夫はまだ返事をしません。
夫も昔からこうではなかったはずです。
何故、こうなってしまったのでしょうか。
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