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2話 「何をする!俺様の左耳が!引きちぎれたではないか!」「そうね。確かに殿下の耳を引きちぎったわ。で、それで。それ、私に関係ありますか?」

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 「はぁ、もういいわ。貴方のような馬鹿にこれ以上喋っても無駄よね。
どうせ変わる意思もないんでしょう。
そうやって一生クズのままでいたいのなら私にはどうしようもないわ。
殿下が苗字を変えないというのなら、死んで下さい」
 もうこれ以上この馬鹿殿下に何を教えようが無駄なので、きっぱりと言っておきました。
 「ふざけるなー!!俺様は苗字を変える気もないし、死ぬ気も死ぬ必要性もない!!
お前が苗字を変えないというのなら、お前が死ね!!
なんなら俺様が殺してやろうか!!」
 「はぁ?」
 あの、会話が通じないんでしょうかこの殿下は。
通じていません。
人の話しを聴く気がないのでしょうか。
そうやって、一生耳を塞いで生きていくつもりなのですか。
変わろうという意思を、少しも持てないのですか。
では、仕方有りませんね。
少しだけ、ほんの少しだけ痛い目にあって貰いましょう。
殿下の左耳を引きちぎりました。
 「ふざけるなよ!!何をする!!俺様の左耳が!!引きちぎれたではないか!!」
 はぁ、殿方の癖に左耳を引きちぎられたぐらいでうるさいですね。
殿下、貴方が悪いんですよ。
少しは、他者の痛みが分かりましたか。
少しは目が覚めましたか。
少しでも、生きるという事が分かったでしょうか。
生きていくという事は、痛みを伴います。
失う事もあります。
何も失わずに生きていくなぞできません。
一切の痛みを断ちたいのなら、何も失いたくないのなら、
死ぬしかありません。
殿下はそんな簡単な事も知らなかったのでしょうか。
目を逸して逃げてきたのでしょうか。
最低ですね殿下。
それで生きていると言えるのでしょうか。
 「そうね。確かに殿下の耳を引きちぎったわ。
で、それで。それ、私に関係ありますか?」
殿下の左耳を引きちぎったのは私ですが、悪いのは殿下なのです。
殿下に原因があり、殿下は左耳を引きちぎられる事になったのです。
なので、私には関係のない事なのです。
 「ふざけているのか!!俺様の左耳を引きちぎっておいて!!
関係あるもないも!!お前がやったんだろうが!!」
 はぁ、みっともないですね。
殿下はなんでも人のせいにしますね。
私のせいではないのに、私のせいにして自分を成長させず逃げたいんですか。
私には、その成長しなくていいという生き方が理解できません。
何故成長しようとしないのでしょうか。
まぁ。殿下の左耳を引きちぎったのは私だという事だけは事実ですが。
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