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1話 「アナスタージア、名字を変えてくれないか」 はぁー!? 御婦人の方が名字を変えるのが当たり前だとでも思ってるのかしら
しおりを挟む「アナスタージア、名字を変えてくれないか」
は、はぁー!?名字を変えろ!?
このアナスタージア・シュターデン様に名字を変えろ!?
なんて不遜なのでしょう。なんて失礼なのでしょう。
なんて自分勝ってで他者の気持ちを考えない自己中クソ婚約者なのでしょう。
名字を変えたければ自分が変えればいいのに。
婚約者に名字を変えてくれないかなんて、いったい何様なのでしょう。
「はぁー?誰に向かって口をきいてるのかしら殿下。
私は名字を変えないわよ。ねぇ、貴方何様?
何調子に乗ってるのよ。
御婦人の方が名字を変えるのが当たり前だとでも思ってるのかしら。
殿下、そんなに名字を変えたいなら貴方が変えなさい。
まさか、私に名字を変えろと言っておいて、自分は名字を変えるのが嫌だとでも言うんじゃないでしょうね。
どうせ貴方なんてマイズナー王家で必要とされていない邪魔者王太子なのだから、名字も変えておいた方がいいわよ。
王太子という事になっていても、どうせ何か理由をつけて次期フィラザフリムノイスナー王国王位は第二王子ゲルカフが
手にいれるのだから、名字も変えて王位継承権も放棄して置いた方がいいわよ。
だってそうでしょう、殿下の弟のゲルカフはイケメンで知略に優れ人格も優れ、貴方なんかが敵いやしないわ。
誰がどうみたって、殿下の弟のゲルカフが次期国王になった方がいいと思ってるわよ。
それなのに、そんな殿下がなんで私に名字を変えてくれなんて言えるのでしょうか」
はぁ、まったく殿下には困ったものです。
殿下のためを思って忠告してあげてるんですけどね。
殿下ももういい年齢なのですから、大人しく私の忠告を聴いておいた方がいいですよ。
「ふ、ふざけるな!!この俺様ゲオルク・マイズナー様が名字を変えるわけがない!!
名字を変えるのはお前だ!!このブス聖女!!
お前のようなブス聖女とわざわざ婚約してやったんだぞ!!
それなのにだ!!なんだその態度は!!
ゲオルク・マイズナー様への敬意が足りんぞ!!
婚約者といえども、俺様と対等だとでも思っているのか!?
俺様を敬えブス聖女!!俺様は偉いのだ!!
お前のような弱いブス聖女が!!何故俺様と対等に接しようとする!?
おかしい!!おかしいだろうこれは!!
うるさい!!お前はうるさい!!
ブスで弱くてヒステリックとはどうしようもないな!!
黙って聴いてやっていればぎゃーぎゃーぎゃーぎゃーいつまでも!!
会話のターンエンドというものをしらないのかお前は!!」
は、はぁー!?
殿方の癖によくもまぁそれだけべらべらべらべらよく喋りますね。
殿方というのは、御婦人の話しを黙ってきかなければいけないんですよ。
それを御婦人、しかも婚約者の話しもまともに聞かず自分ばかり
ぎゃーぎゃーぎゃー自分の主張ばかり押し出して。
最低ですね殿下。
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