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コルネッサ、お前に婚約破棄を告げる」婚約破棄ってそんなの困ります。私何かしましたか。婚約破棄の理由は私が何もしていないからだそうです

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  「コルネッサ、お前に婚約破棄を告げる」
 婚約者の公爵令息べリザリオに唐突に婚約破棄を告げられた。
はぁ?そんな事言われても困ります。言いたい。はぁ?と。言えない。
対等な関係ではない。男爵令嬢の私と公爵令息べリザリオ。はぁ?と言えるわけがない。
婚約破棄されたら困るでしょ、そりゃ。せっかく男爵令嬢ながら、公爵令息ベリザリオと婚約したのだから。
 私に非は思い当たらない。
 「私何か貴方の気に入らない事でもしたかしら」
 「何もしてないさ」
 会話が通じない。
 「何もしていないのなら、なんで婚約破棄になるのかしら」
 「この私に2度同じ事を言わせるか」
  ベリザリオが威圧を当ててくる。
 私は威圧にやられ片膝を付く。
 屈辱。恥。理不尽。当然感じる。
が、べリザリオの威圧を当てられれば並の男爵でも片膝をつく。
 所詮男爵令嬢の私がべリザリオの威圧を当てられ、片膝つかず立っていられるわけがない。
 「何も分からないわ。説明が足りないのよ」
 これが私の出せる言葉だ。
 「何もしてない。お前は。平穏。安泰。そんな感情に任せ何もしなかった。
リンピオ子爵の首を取ったお前はどこに行った」
 言われた通りだ。べリザリオと婚約してからは勝ちの決まった戦いしかしていない。


---過去
 ラホツキル子爵領がリンピオ子爵に潰された。
私達の領土にまで来るのはまだ先だろうが、いずれ私達の領土まで来るかもしれない。
「ねぇコルネッサ、リンピオ子爵、殺しましょう」
 友達のブリエリナ男爵令嬢が部屋に掛けた周辺地図を見ながら無茶な提案をしてくる。
 無理。足りない。
 「私達の兵を合わせてもリンピオ子爵の兵の半分程度しかないのよ」
 倍の兵力差ならまだ戦えると思うでしょうね、普通。
 が、違う。兵の練度が。"皆殺しリンピオ子爵"の称号を持つリンピオ子爵は、
侵略した領土の兵も民も称号通り1人残らず皆殺しにしてきた。
兵数が少なくとも、それは人を吸収してこなかったからだ。
ただ領土しか増やしてこなかった。
兵1人1人の練度がまるで違う。
リンピオ子爵単騎の強さは大国の王と変わらない。
私達2人と私達のお父様とお兄様お爺様お母様10人がかりでも指1本落とせるか分からない。
私達10人がリンピオ子爵にかかりきって、兵の指揮は誰が執る。
指揮だけではない。リンピオ子爵に仕える騎士が最前線に出れば、私達の兵では何人で囲んでも勝てない。
リンピオ子爵に使える騎士は他の領土に行けば男爵の称号で迎えられるような猛者なのだ。
 ブリエリナ:「兵の数でも兵の練度でも劣っている事は分かるわ」
 勝てなくても、戦わないといけない時があるのかもしれない。
 それは分かる。分かるが、今はまだその勝てなくても戦わないといけない時ではない。
 ブ:「生かしておいてはいけない人に生まれながら人とも呼べず悪魔とも言えない存在っているのよ。
悪魔は人を無差別に殺さないわ。契約と引き換えに契約者の命を貰うものよ」
コルネッサ:「悪魔は契約をしなければ人に触れる事もできないものね」
ブ:「じゃあ、民も赤ちゃんも子供も自らの足で立つ事もできない老人も無差別に殺すのは」
コ:「悪魔よりたちの悪い」
ブ:「人ながらに悪魔になった、悪魔とも言えない外道よ」
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