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2話  ほう、自分が酷いやつだと認めたか。やはりお前がエルミーユをいじめたのだな

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 「そんな事言っている場合ではないでしょう」
 本当に、まずは止血をして治療をしなければいけません。
 「お姉様が私の骨がこんなに切断されそうになるまで斬ったのよ」
 あの~、貴女そんな事言ってる場合ではないですよ。
死にますよ。
死んででも私にいじめられた事にしたいんですか。
もうそこまでして私にいじめられた事にしたいのならいじめられた事にしてあげてもいい気がしてきました。
普通そこまでしますかね。
その馬鹿っぷりと執念は認めてしまいます。
 「なんて酷いやつだ!」
 お父様は娘の事が心配じゃないのでしょうか。
これ早く治療しないと死にますよ。
 「酷いやつでもなんでもいいですから、まず止血しなさい」
 「ほう、自分が酷いやつだと認めたか。やはりお前がエルミーユをいじめたのだな」
 「あー、はいはい。私がいじめたという事でもなんでもいいですから。今はとにかくエルミーユの治療をですね」
 「こんな事をして許されると思うなよ」
 「嫌っ!まだ私を斬る気なの?その布で私の首を絞めようと言うの?」
 妹を治療しようと出した手をはじかれました。
 妹ってば本当に馬鹿ですね。
命張ってますね。
その度胸と覚悟と熱意とラオポヨ大陸1の馬鹿っぷりは認めてあげますから大人しくしなさい。
 「辞めてっ!近づかないで。リョナクイーンみたいな事する気でしょ」
 しませんよ。
 「なんだとっ!リョナクイーンみたいな事を実の妹にするつもりか。なんて残虐非道な娘なんだ。
ちなみに私はつくすくが好きだな」
 聞いてませんしそんな事はしません。
同人誌みたいな事もしません。
 妹を治療しようとしても適格に腕を弾かれます。
 妹は今まで勉強から逃げ続けて努力もせずに遊んでいただけだと思っていましたが、間違いだったようです。
勉強はしてないでしょうが、何かの訓練はしていたのでしょう。
 「嫌っ!嫌ー。辞めてお姉様!」」
ちょっ、妹に触れる事すらできません。
妹は何の訓練をしていたのでしょう。
この技術を身につける時間と努力を少しは頭を鍛える事には使わなかったのでしょうか。
エルミーユ、貴女このままじゃ馬鹿すぎて自滅しますよ。
 「クラリーヌ!お前まだエルミーユに酷い事する気か」
 「衛生兵!衛生兵!メディーック!」
 あぁ、誰でもいいからとにかく妹を助けて下さい。
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