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婚約破棄ですか。死んで詫びて下さい
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「ヘルミーナ、お前に婚約破棄を告げてやる」
はぁ?聖女の私に向かってよくそんな言葉を出せるわね。
私がいなくなったらヘドマン家領なんて滅びますよ。
それでもいいのなら、まぁ婚約破棄はどうぞご自由に。
「強く出るじゃないの。私に対してよくそんな事言えたわね」
「理由は言わなくても分かってるだろう」
難癖つけてくるならともかく、私に非は何もあるわけがない。
「どんな難癖をつけてくれるのかしら。私に非があるのなら言ってみてよ」
「モンスターが攻めてきた時は俺を守れと言っていただろう」
え。ちょっと待って。伯爵令息が俺を守れ?
馬鹿すぎて意味が分からない。
罪を背負い領土を広げ領土を民を守るのが伯爵令息でしょう。
貴方が守らなければいけないんですが、民を領土を。
本気で言ってます?
言われてみればそんな事言ってたような気もするけれど、その時は流石に冗談だと。
冗談だと思わなければその場で殺してしまいそうになったので、無理矢理冗談だと自分に言い聞かせて
その場を我慢したのだっけ。
「それなのに、ヘドマン家領にモンスターが攻めてきたというのに、お前は俺を守らず
精鋭兵を率いイブレマワス村を守りに行った」
モンスターの出現位置、進行方向からしてイブレマワス村が始めに襲われるのは明らかなのだから、
当たり前の事をしたまでなのだけれど。
婚約者があまりにゴミクズ過ぎる発言をするため、理解に悩む。が、やっと分かった。
こいつは殺した方がいい。
「私は貴方の婚約者なのだから、ヘドマン家領の領土も民も村も守るのが当然で、私の行動は何も非がなかった」
「自らの非を認めない、謝罪もなしか」
何を謝ればいいのか分からない。
本来当然謝るのは貴方でしょうに。
伯爵令息が民を領土を守らずに怯えていた。
当然それは自ら首を差し出すべき罪だ。
「謝るのは貴方でしょう。理由は言うまでもないはずよ、本来ならね」
「俺に謝れだと」
モーガストは左手で顔を覆い、笑う。
喋るだけ無駄のようだ、このクズとは。
このクズには何を言っても分からないだろう。
「正統な理由なく婚約破棄を要求するのだから、自害を持って詫びなさい」
「ねぇーお姉様ー。なんで、自害を要求するの」
「うっ」
情けない声を出さずにはいられなかった。
部屋の外から話を聞いていた妹が口を挟んできたのだ。
が、それはどうでもいい。
私の物をなんでも欲しがる妹が私の婚約者のモーガストを欲しがりとうに2人はしっぽりぬっぽりぬっぽぬっぽ
な関係な事は分かり切っていたし、今そんな事はどうでもよかった。
分かっていた。自覚していたが、気づかないふりをしていた。
正統な理由なく婚約破棄され死に値する罪を犯したモーガストに何故決闘を挑まない。
正統な理由なく婚約破棄されれば決闘を挑む。それが男爵令嬢の生き方。
婚約者が伴侶が死に値する罪を犯せば決闘で殺してあげるのが男爵令嬢の慈悲と務め。
それなのに挑まない。決闘を。
嫌だ、認めたくない。いくら認めたくなくても、本能が分からせてくる。いや、分かっている。
初めてモーガストに会った時にもうすでに本能は分かっている。
私は、モーガストに怯えている。
はぁ?聖女の私に向かってよくそんな言葉を出せるわね。
私がいなくなったらヘドマン家領なんて滅びますよ。
それでもいいのなら、まぁ婚約破棄はどうぞご自由に。
「強く出るじゃないの。私に対してよくそんな事言えたわね」
「理由は言わなくても分かってるだろう」
難癖つけてくるならともかく、私に非は何もあるわけがない。
「どんな難癖をつけてくれるのかしら。私に非があるのなら言ってみてよ」
「モンスターが攻めてきた時は俺を守れと言っていただろう」
え。ちょっと待って。伯爵令息が俺を守れ?
馬鹿すぎて意味が分からない。
罪を背負い領土を広げ領土を民を守るのが伯爵令息でしょう。
貴方が守らなければいけないんですが、民を領土を。
本気で言ってます?
言われてみればそんな事言ってたような気もするけれど、その時は流石に冗談だと。
冗談だと思わなければその場で殺してしまいそうになったので、無理矢理冗談だと自分に言い聞かせて
その場を我慢したのだっけ。
「それなのに、ヘドマン家領にモンスターが攻めてきたというのに、お前は俺を守らず
精鋭兵を率いイブレマワス村を守りに行った」
モンスターの出現位置、進行方向からしてイブレマワス村が始めに襲われるのは明らかなのだから、
当たり前の事をしたまでなのだけれど。
婚約者があまりにゴミクズ過ぎる発言をするため、理解に悩む。が、やっと分かった。
こいつは殺した方がいい。
「私は貴方の婚約者なのだから、ヘドマン家領の領土も民も村も守るのが当然で、私の行動は何も非がなかった」
「自らの非を認めない、謝罪もなしか」
何を謝ればいいのか分からない。
本来当然謝るのは貴方でしょうに。
伯爵令息が民を領土を守らずに怯えていた。
当然それは自ら首を差し出すべき罪だ。
「謝るのは貴方でしょう。理由は言うまでもないはずよ、本来ならね」
「俺に謝れだと」
モーガストは左手で顔を覆い、笑う。
喋るだけ無駄のようだ、このクズとは。
このクズには何を言っても分からないだろう。
「正統な理由なく婚約破棄を要求するのだから、自害を持って詫びなさい」
「ねぇーお姉様ー。なんで、自害を要求するの」
「うっ」
情けない声を出さずにはいられなかった。
部屋の外から話を聞いていた妹が口を挟んできたのだ。
が、それはどうでもいい。
私の物をなんでも欲しがる妹が私の婚約者のモーガストを欲しがりとうに2人はしっぽりぬっぽりぬっぽぬっぽ
な関係な事は分かり切っていたし、今そんな事はどうでもよかった。
分かっていた。自覚していたが、気づかないふりをしていた。
正統な理由なく婚約破棄され死に値する罪を犯したモーガストに何故決闘を挑まない。
正統な理由なく婚約破棄されれば決闘を挑む。それが男爵令嬢の生き方。
婚約者が伴侶が死に値する罪を犯せば決闘で殺してあげるのが男爵令嬢の慈悲と務め。
それなのに挑まない。決闘を。
嫌だ、認めたくない。いくら認めたくなくても、本能が分からせてくる。いや、分かっている。
初めてモーガストに会った時にもうすでに本能は分かっている。
私は、モーガストに怯えている。
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