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1話  真実の愛に目覚めた馬鹿婚約者は婚約破棄を告げ逆ぎれ。 これが私の婚約者様。 はー、婚約破棄したい

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 「ヘルミナ、お前に婚約破棄を告げてやる」
 「はぁ?」
 思わずはぁ?なんて言葉が出てしまった。
男爵令嬢としてはしたないわ。
 「無礼だな。まぁいい、許してやろう」
 いえ、正統な理由なく婚約破棄をしようというのだから貴方は許されないんですが。
 「それはどうもありがとうございます」
 まいったわね。こいつ馬鹿なのよね。
あまりに馬鹿でまともに会話が成り立った事がない。
これはまた頭が痛くなるというよりもうすでに頭が痛い。
私頭痛で死ぬんじゃないかしら。
慰謝料も必要だけど最低限頭痛で死なないようにしないといけない。
慰謝料もらう前に頭痛で死んでしまいそうだもの。
 「俺様は真実の愛に目覚めて機嫌がいいんだ」
 はぁー、そうですか。
 真実の愛に目覚めたのは結構なんですがね、私は聖女で貴方はプラホッホ王国王太子なんですよ。
お互い好きで婚約者になったのではなく、聖女は王族の妻になる。
陛下・王太子は聖女を妻にするというのが伝統なわけで。
これはどこの国に行っても殆ど同じになっているわ。
どこの国に行こうが聖女は王族の妻になり王族は聖女を妻に迎える。
聖女の重要性を考えれば当然の事である。
どこの国にも例外はなく聖女は重要な存在で、真実の愛に目覚めただなんて
王太子が聖女と婚約破棄するなんてあってはならないわけです。
というかこれ常識ですよ。jk的に考えて。
5歳の子供でも分かりますよー。貴方もう21歳でしょー。
5再の子供でも分かる事を知りもしない。
知ってなくても分かる事なのに分からない。
貴方赤ちゃんですかー?
この21歳の赤ちゃんの教育担当は誰ですかー?
え、私ですか?
私がこの馬鹿王太子に会った時には1年前ですよ。
そんなの20歳にまで教育しておいてください。
そもそも私は聖女で馬鹿王太子の妻であってこの馬鹿の教育係じゃありませんよ。
 「そうですか。ですがね、馬鹿王太s---ダヴィノス」
 「俺様が馬鹿だとっ!」
 あーあ。つい本当の事言ってしまった。
ダヴィノスは本当顔を真っ赤にして怒ってしまった。
あ、頭の中でダヴィノスって言えたのになんでさっき口で馬鹿王太sなんて言ってしまったのかしら。
 「言い間違えよ。途中で止めたでしょう。馬鹿王太sって」
 「てめぇぇぇぇっ」
なぜだかダヴィノスは椅子で激しく暴れ出す。
私、何かやっちゃいました?
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