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 「妹のベロニカを虐めていただろう。婚約破棄だ」と言われても虐めてないんですが

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 「ノエリア。お前には婚約破棄を告げてやる」
 はぁ?いえね、この私の婚約者マルシオ、女遊びの噂も全然出ないような少年なんですよ。
 だからどこかで遊びの娼婦に本気になって真実の愛に目覚めたとかもなさそうだなぁって。
 気のせいだそんなわけがないと考えないようにしていたんですけどね。
 マルシオは、シスコンと言えばまだいいんですが、シスコンなんて可愛いものじゃなくて
妹のベロニカとちょめちょめしちゃってるんじゃないかとかいう噂まであります。
 婚約者の私もそんな所は目撃したわけじゃありませんから、私はそこまでは言いませんけどね。
 マルシオが私と婚約破棄するって事はやっぱり、妹のベロニカとって事なのではと。
 「返事がないのは己の罪を自覚してるから何も言えないと言う事か」
 はぁ?私は何も罪を犯してませんよ。
 「罪を自覚してるなら、公にせずこのまま静かに婚約破棄してやってもいい」
 だからなんの罪を自覚しろって言うんですか
 「私、なんの罪も犯してないんですけど」
 まぁ信仰が定める罪は犯してますけどね。
ダルシア王国の定める罪は何も犯してませんよ。
 「そうか、婚約者としての温情も受ける気がないと言う事か。いいだろう」
 無実の罪をふっかけられる温情ってなんですかね。
 「あの、私が何の罪を犯したのか言ってくれないかしら」
 「俺の妹のベロニカを虐めていただろう」
 はぁ?ベロニカちゃんを虐めてるわけなどない。
 「ベロニカちゃんを虐めてなんていないのだけれど」
 「しらばっくれるか、この外道」
 「誰が外道よ。無実の罪をふっかける貴方の方が外道でしょう。死んで詫びる事を要求するわ」
 「もうやめてノエリアお義姉様。もうやらないのならそれでいいから」
 義理の妹になる前に婚約破棄を告げられているが、ベロニカちゃんは私の事をお義姉様と呼んでいる。
 「ノエリアのファイティングファンタジアのカードが盗まれたのだ。お前がやったのだろう」
 はぁぁぁ?私が人のカードを盗むわけがない。カードとは闘技者の闘志。
 闘技者の闘志を持つ私が闘技者の闘志を盗むわけがない。
 「私が人のカードを盗むわけがないでしょう。それは闘技した貴方なら知っているはずよベロニカちゃん」
 ベロニカちゃんとは闘技をした仲だ。そのベロニカちゃんに疑われるのは辛い。
 「私もそう思いたいけど、ノエリアお義姉様ぐらいしか持ってないこの
"防具職人うさぴー"のカードが私の部屋に落ちてたの。
 !
 あれは、大陸中探さないと私以外に持っている人なぞいないだろう幻の希少カード"防具職人うさぴー"
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