自称病弱な妹へ。家族の前で言ってあげる。貴女は病弱なんかじゃないわ。チートレベルの王召喚で世界を敵に回してでも私のやりたいように生きます

甘いからあげ

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俺様男子がしおらしくしてても気持ち悪い。キャラ貫けないなら俺様男子なんて辞めちまえと思ったけど、一人称が俺様なだけだった

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 パオロ親方が手当を受ける中、私は喋る。
 「ええ、本当。私と征服王でやったと言っても皆も巻き込まれるわね」
 「帝国軍と戦うだろわくわく村長」「当然、フェアちゃん付きだして帝国に詫び入れるなんてないだろわくわく村長」
 「聞くだけ野暮さね」 
 村の皆は帝国軍と戦うつもりのようだ。
 「当然」
 リスティは村人の期待に応えるように言う。
 リスティの言葉に皆鼓舞される。
 「しゃーっ」「祭りだよ祭り」「帝国がなんぼのもんじゃい」
 「主よ、この土地はもう俺様が征服したのだから外敵から守るために戦うのは当然だがな」
 さっきから妙に静かだった征服王が言いづらそうに言う。
 村人はまだ貴方の事を支配者として認めてないと思うけれども、彼の中ではもうこの村を征服したとなっているようだ。
 召喚して契約状態にあると言っても王の意思に反すれば無理矢理契約で戦わせても
 力を十分に発揮する事はできないのだから、この村のために戦ってくれる意思があるならなら都合がいいからいいけど。
 「何よ。征服王の癖にもじもじと。はっきり言いなさいよ」
 まぁ聞かなくても予想はできるのだけれども。
 「俺様は征服王だから、防衛戦は苦手だぞ。防衛戦は家臣に任せて侵略戦ばかりしていたからな」
 予想通りの答えだった。
 「どのような王を召喚するかは召喚士が決める事だもの。この状況に貴方の特性が合ってないのは貴方の責任じゃないわ。
 防衛戦まで考えずに召喚した私の責任よ」
 後先考えなかった私の責任だ。征服王は何も悪くない。
 「そう言ってくれてもな主。落胆させただろう。始めに召喚するには防衛が得意な他の王の方が良かったのではないか」
 なんだか気持ち悪くなるぐらいしおらしいわね。
 「始めに召喚したのが貴方でよかったわ。妹を私達を助けてくれたじゃない。
帝国兵にむけた怒りは本物でしょう」
 「俺様は征服王だ。征服した土地で不正を行う外道どもは許しておけなかったからな」
 「合格。貴方が来てくれてよかったわ。私に召喚された事を誇りに思いなさい。
私は貴方を召喚できた事を誇りに思っているわ」
 王と言っても色々いる。ただ殺戮を楽しむ者も罪無き者を拷問にかける事を楽しむ王もいる。
 彼はそのような非道外道の王ではないようだ。それだけでも十分に始めに召喚した王として適任だった。
 村の皆が盛り上がっている中、リスティに言う。
 「でもこの村で帝国軍を迎えうっても勝負にもならないわね。征服王は防衛戦では十分に能力を発揮できないわよ。
帝国軍が攻めてきたら、特性があっていても王一人と私達だけでは勝負にならないわ。
次の王を召喚するにしても素材が足りないし」
 「こんな時のために備えてあるんだよ」
 もうその言葉を発する彼はリスティではなくわくわく村長になっていた。
 「リスティ、わくわく村長だ」
 デイジーが嬉しそうに言う。デイジーはリスティのこういう所好きだったわね。
 「意味が分からないけれど」
 意味が分からないけれど、リスティとはこういう少年だ。
 武器や兵器でも隠してあるのだろうか。
 リスティの事だから何かの機械を作っているのだろうか。
 何にせよ帝国と渡り合うような備えなんて、こんな村に用意できているわけがない。
 しかし、リスティの事だから何かをやってくれるのではないかと期待してしまう。
 少年ながらに村長をやってのけるのは、そんな何かをやってくれるのではないかという期待を
させる彼の何かだろうか。
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