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中津川虎松保育園児編
虎松幼少編1話 幻撃
しおりを挟む僕は、臆病で、勉強も嫌いで、勉強も全然してなかった。
ゲームは、好きだ。
けれど、そんなに強くはない。
近所の同年代では強い方。
その程度の強さ。
英雄なんてなりたくもないし、なろうとしても遠い。
「中津軽、勝負しろよ」
「お前の好きなゲームだよ」
「原始の頃より続くGAMEじゃない」
「痛みも何もない」
「死ぬ事なんてありえない」
「ただのゲームだよ」
大川目沢君が、ゲーム勝負を持ちかけてくる。
本当に、ただのゲームのようだ。
原始の頃より続くGAMEじゃない。
僕は、臆病だから、原始の頃よりのGAMEは、絶対に出来ない。
「いいよ」
「ただのゲームなら」
「勝負しよう」
「僕もゲームは好きだから」
僕達は、つがるりんご保育園にいる。
保育園といっても、殆ど皆、ゲームをしているだけだ。
僕も大川目沢君も、それは変わらない。
僕はゲームが好きだから、ゲームをする。
大川目沢君が、ゲームをするのは、ゲームが好きだからなのか。
英雄になりたいからなのか。
運命の通りにゲームをしているだけなのか。
自分を表現するためなのか。
それは、今はまだ分からない。
それを分かるためにも、僕はゲームをするんだ。
このつがるりんご保育園には、ゲームが山のように、空気のように、義務教育のように存在する。
モニターと据え置きゲーム機も携帯ゲーム機も、埋まるなんて事はありえない。
僕達は、向かい合った2台の筐体に座りあう。
機体に、コインを入れる。
Credit 01と表示される。
このコインは、ゲーム機の機体の上にでも保育園中にもどこにでも、いくらでも置いてある。
無限クレジットフリークレジットでも別にいいんだ。
ただ、雰囲気を出すためだけにこのコインを入れて遊ぶ事になっているだけだ。
僕は、AボタンとBボタンの同時押しで飛び道具を出せるキャラクター、幻を選ぶ。
体力:4
防御力:4
攻撃力:3
素早さ:3
通常攻撃:3
必殺技:7
幻の一般的な評価は、こんな所だ。
体力防御力は若干低め。
攻撃力と素早さは低め。
AボタンとBボタン同時押しの必殺技:幻撃を得意とするキャラクターだ。
体力防御力は数値の上では低くなるが、得意な幻撃を使って相手の射程外から攻撃が出来るので、防御的な戦い方が出来るキャラクターだ。
しかし、通常攻撃の評価が3なのは間違いでもなんでもなく事実で、一度相手のペースに支配されれば、間合いを取り直す事もできずに
負けてしまう事にもなる。
この選択は、向かい合った機体に座っている、大川目沢君には見えない。
が、大川目沢君は僕が幻を使う事は分かっているだろう。
別に、大川目沢君を軽んじての選択ではない。
幻を使うと読まれていても、この選択が僕のベストだからだ。
【Character select finished】
2人とも、キャラ選択が終わった事をゲーム機が告げる。
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