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52話 「英雄黄葉は死んだんだ」
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義徒が、汚い言葉を使う。
これ以上は、殺されるでしょうね。
すーぐ紳士風の振る舞いを失うわね。
所詮は人の姿に似たサルだものね。
なんで、サルがそんなに人間のふりをしたがるのかしら。
サルはサルでいいのに。
森の中に逃げ込んだ敗北者共が。
「まだ、戻ってこないな」
義徒サルとのやり取りをしている内に時間も立ったわ。
群衆達は、黄葉ちゃんが無事にすんなりと往復するには、時間が立っている事を口にし始めていた。
「少なくともメスガキはエタファンをやりながら死んだんだ」
「現実世界でも騒ぎになっていて」
「ログアウトしてきた英雄黄葉に皆が話しを聞いている」
「なんてことは、薄いな」
「そうよ。エタファンのサービス開始と同時にログインするユーザーは10億人はいるはずよ」
「その中で、メスガキ1人を皆が気にかけて取り囲んでるとは考えづらい」
「メスガキが1人でログインしていたら、まだ誰もメスガキの死にも気づいていない」
「なんて事は普通だろう」
「10億人がログインしていても」
「メスガキの死亡が全プレイヤーにアナウンスされていれば」
「誰もログアウトなんてしないわよ」
「メスガキ死亡アナウンスの前に早々にログアウトする者が少数いても」
「まだ騒ぎにもなっていないかもしれないわ」
「英雄黄葉が、また戻ってくる事を怖がるなんてことは」
「ないわね」
群衆の予測というものは、かなり正しい。
自分達では行動できずに、推測、予測、勘ぐるのは、群衆というのは得意なものよ。
私もね。
群衆達は、時間とともにどんどん、答えに近づいていく。
「ログアウトすると、無事ではすまない」
誰も、ログアウトすれば無事ではすまないとった意見を否定しなかった。
「英雄黄葉は死んだんだ」
「英雄として、俺達のために勇敢に死んでくれたんだ」
「うぉぉぉ」
「英雄黄葉を称えるぞー」
「石碑を作るわよ」
「英雄黄葉のための石碑を作らなきゃ」
群衆は、ログアウトした黄葉ちゃんの死を受け入れていた。
自分達の死は受け入れずに。
それこそが、群衆であり、市井の者達というものよ。
勿論、私も黄葉ちゃんの死を受け入れられても、
私の死は受け入れられない。
私は、市井の者だから。
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