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48話 「中村黄葉」「英雄になる者の名前だよ」
しおりを挟む「ええ、ええ。英雄よ」
「皆ログアウトするのが怖いもの」
「貴女がログアウトしてまたログインしてきて」
「安全を証明してくれたら」
「貴女は英雄よ」
「これから英雄になる者の名前を聴いておかないといけないわね」
「貴女の名前を教えてちょうだいな」
群衆が、皆同じような事をいう。
英雄になりたい少女は、にまりと嬉しそうにしている。
「中村黄葉」
「英雄になる者の名前だよ」
黄葉ちゃんは、嬉しそうだった。
「黄葉ちゃーん」
「英雄黄葉ー」
「お前は英雄だ」
「英雄として称えるぞ」
「英雄として語り継ぐ」
「ふひひぃぃ」
「私、英雄」
「英雄黄葉」
「ふひぃ?」
「ログアウトして、死んだら英雄じゃない」
ログアウトする前の、彼女の戸惑いはそこだった。
死ぬ事よりも、死んでしまえば英雄でない事を黄葉ちゃんは戸惑った。
「生きて帰ってきたら、貴女は現実世界で世界中に英雄として称えられるでしょうね」
「でも、それは永遠じゃない」
「いずれ、メディアや世の人々は飽きるわ」
「ここにいる人達も、現実世界の日常に戻っていき、エターナルファンタジーの事を忘れていき」
「英雄黄葉の事も忘れていくわ」
「それどころか、少女を生贄にした事を忘れるため」
「積極的に忘れていくでしょう」
「本人がかってにやった事で、誰もそんな事を望んでいなかったと」
「記憶を、気持ちを改ざんしていくでしょう」
「死んだら、エタファンに戻ってこれなかったら」
「私達はこのエターナルファンタジーの中で、貴女を永遠に英雄黄葉として称え続けるわ」
「永遠に、忘れない」
「勇敢に死んでいった、英雄青葉の事を」
「私達全員が、勇敢な貴女に英雄としての行動を望んだ事を」
「私達はその姑息で汚らわしい普通の人間としての行動を、気持ちと」
「向き合い続けるわ」
「改ざんもしないし、忘れもしない」
「この場にいる誰もが約束する」
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