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47話 私も、誰かを犠牲にし、誰かを生贄にし、生きている。私は、英雄ではない。私の前世は英雄ではなかった。
しおりを挟む「私達は無事にログアウトできるのかしら」
「ログアウトできないとか」
「ログアウトしたら死んでしまうとかそれはないわよね」
群衆の中から、重要な事を聞く者が現れてくる。
【ええ、当然、皆さんの意思でログアウトできますよ】
【ログアウトしたからといって現実世界の皆さんには何の問題もありません】
【但し、戦闘中、PVP中、原始の頃より続く合意のGAME中】
【ダンジョンの中、危険地帯、逃走中、隠れている状態、イベント中等によっては】
【ログアウトできない状況もあります】
アナウンスが、ログアウトできる事。
ログアウトしても現実世界で問題が起きる事も何もないという事が伝えられる。
が、このアナウンスの言葉が本当だと証明できる者もいない。
「良かったわ、ログアウトしても何も問題ないらしいわよ」
「さっさとログアウトしようぜ。こんな死人がでるようなゲーム」
皆、まだログアウトする者は出てこない。
この状況で、アナウンスに何を問い合わせても無意味なのは誰もが分かる。
言葉を信用できない相手から何を言われても、信用できないのは同じなんだから。
「ふひひひぃ」
「ここで私がログアウトすれば、私って英雄?」
「英雄って崇めてくれる?」
「ログアウトして何も問題なくて、またログインできるなら」
「また戻ってきて皆に知らせるよ」
「ログアウトしてもなんの問題もないって」
「1回の往復でまだ不安なら」
「10回でも100回でも往復するよ」
「1往復事に私を英雄として崇めてくれるなら」
「私はいつまでも往復するよ」
1人の、12,13歳ぐらいの美少女とは言えない少女が、英雄になりたいような事をいう。
群衆の誰もが、彼女に注目する。彼女に期待する。
彼女を犠牲にしようとする。
彼女を生贄にしようとする。
今、彼女がログアウトの安全性を証明しても、私はまた状況が違う。
が、私もこの群衆の者達と同じだった。
私も、誰かを犠牲にし、誰かを生贄にし、生きている。
私は、英雄ではない。
私の前世は英雄ではなかった。
それは、記憶がなくとも分かる。
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