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聖女死亡ルート
私はこの時間を絶対に忘れない。友達と過ごす最後の時間はお祭りのようで、少年少女の雄たけびは太鼓のように心臓に響く
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私はこの時間を絶対に忘れない。友達と過ごす最後の時間はお祭りのようで、凄く良い気分
「俺達が立ちふさがるもの全部ぶっ壊す。姫は後ろをついてきてくれ」
大剣を持った少年が言う。同年代の中学生なのだろうが、クラスの男子とはかけ離れた男性ホルモンと男性フェロモンを感じる。
メスの本能を刺激してくる。あまり長く近くにいるとやばい。今は骨抜けにされてる場合ではない。
背は低く引き締まったというような無駄のない体ではなく脂肪がついているが、
脂肪の上からでも筋肉の太さが分かる。
彼が大和君の幹部だろうか。彼の後ろには重そうな武器を持った兵達がいる。
姫だって。ふふーん。
「私達が先導しよう。姫の通る道の外道を全て殲滅しておこう」
長身で引き締まった金髪碧眼の美しい少年が言う。馬に乗って弓と長剣を持っている。
彼も大和くんの幹部のようで騎兵を従えている。お馬さん可愛い。
「おい、お前俺達に速度合わせろよ。お前馬鹿だから何も考えずに突っ込んでいくのやめろな」
大剣の少年が言う。彼等の装備では早く移動することはできそうにないが、攻撃力殲滅力は高そうだ。
「ふん、お前達の鈍足に合わせていられるか。全速前進だ恐れを知らぬ私の精鋭達よ」
騎乗の少年が大剣の少年と配下の騎兵達に言う。
「やべ、楽しい。気持ちいい。頭ばかになりゅ。たつたつたつ。あー最高。もう我慢できない」
「リハルド君のってるのってる」「行っちゃう行っちゃうリハルド君」
騎兵達がコールをかける。あーこういう感じか彼。大体察した。
「もう行っちゃうよ。はい行った」
リハルド君って言うんだね。なんかそう呼ばれてるし。なんかもう行っちゃった。
「リハルド君一人で突っ込んじゃだめだって」「リハルド君突っ込んじゃうから弓使いこなせてないんだよね」
「リハルド君突っ込まなきゃ弓ぱねぇのになぁ」
騎兵もリハルド君の後を追って行く。リハルド君は馬鹿なんだろうなぁ。大和君幹部さえ扱いこなせてないじゃん。
大和君の好感度がまた下がる。まぁ徹君も生首楽しそうに振り回して『もっと首だ首を寄こせ。部屋に飾るんだ』ってはしゃいでたから。
『俺の部屋に飾るのやめてな。お前の部屋に飾るのもやめて。お前の部屋に泊まる時嫌なんだよね。首飾ってたら』
『首の数は男子のパロメーターだろ』『首を飾るとか古いよ』
二人がそんな話してたなさっき。
まぁ男の子っぽいのかな。
車で突っ込んでくる悪党もいるが、大剣の少年と配下の兵達が車ごと粉砕していく。爽快。
「子供の喧嘩じゃないんだぞ。お前等、家族に拷問されたいのか」
「この争いが一旦静まろうが、俺達はしつこいぞ」
「今日からお前等家族も常に怯えて暮らす事になるよ」
悪も集まった正義の数に警戒して脅しをかけてくる。
まともに戦って現状の戦力は私達正義の方が上だ。
外道の強味なんて戦わぬ家族達を拷問するぞ殺すぞという脅迫だけなのは私にも分かる。
「へぇ、じゃあその家族も悪の断罪に加わったら、あんた達はどこを狙うんだい」
「島を去るのは貴方達だ外道ども」
「島から去るか死ぬか選べ外道ども」
「この島を綺麗にしよう。皆揃って大掃除だよ楽しいよ」
「子供を戦争の火種にしようなんて下種どもめ、水守と戦争するなら、僕達の意思でやる。お前等下種が
余計な事をする必要はない」
「島の人間はね、子供達だけ戦わせたり子供を戦争の火種にしたりしないのよ」
大人達も悪の大掃除パーティに参加してくる。
父ちゃん母ちゃんパパママお父さんお母さんと叫ぶ者が見え、叫ぶ声が聞こえる。
家族総出で大掃除のようだ。大掃除は家族揃ってやるものだよね。
大掃除なのかお祭りなのか、とにかく楽しい。
正義に猛る中学生集団は悪を滅して行く。
正義とかそんな疲れる事って馬鹿にしてたけど、人間は正義を求め正義に生きるものだと。
悪を撃つのが人間の生き方なのだと分かった。
パパが斧で悪の首を飛ばしていく。爽快か。
ママの牽制と私の千穂のノールック同時斬腕で銃を持つ一人の右腕を切り落とす。
私の動きの遅さは千穂は分かっていた。私も陸上部短距離走選手のの千穂の初動の速さが分かっていた。
私はそのまま剣を突き刺すが、中々殺せない。何度も剣を抜いて、やっと殺せた。
人殺しなんて初めて。私が雄たけびをあげると、指揮が更に上がった。初めて雄たけびをあげた。
悪を滅せ外道を殺せ正義を信じろと私らしくない事を言うが、らしくないと思いながらもこれが人間なんだろう。
なら私は今まで人間として足りていなかったのだろう。
殺されるな殺せ。愛する人を家族を友達を守るために死ね。愛する人を家族を友達に危害を加えるものがいるなら殺せ。
何度言われても面倒だと思っていた言葉が、今私の中に急速に入って来る。分かる時が来る。
分かる時は分かると先生が言っていた事を思い出す。いやあれは数学の話かな。
島は最早戦場でお祭り会場になっていた。私を聖女にしたい外道どもが私を狙ってくる。
こちらも大和君の仲間が増援に来てくれる。
今はこのお祭りを楽しもう。永遠に忘れることのないように、忘れようがない。
千穂といられる最後の時間だ。とても愛おしい時間だ。
「楽しいね、千穂」
「ええ、私この時間を絶対忘れない。杏子ともう会えなくても、忘れようがない最高の時間を最後に過ごせて良かったわ」
少年少女達の叫びは音楽隊もいないのに太鼓の音のようで心臓に響く。
「俺達が立ちふさがるもの全部ぶっ壊す。姫は後ろをついてきてくれ」
大剣を持った少年が言う。同年代の中学生なのだろうが、クラスの男子とはかけ離れた男性ホルモンと男性フェロモンを感じる。
メスの本能を刺激してくる。あまり長く近くにいるとやばい。今は骨抜けにされてる場合ではない。
背は低く引き締まったというような無駄のない体ではなく脂肪がついているが、
脂肪の上からでも筋肉の太さが分かる。
彼が大和君の幹部だろうか。彼の後ろには重そうな武器を持った兵達がいる。
姫だって。ふふーん。
「私達が先導しよう。姫の通る道の外道を全て殲滅しておこう」
長身で引き締まった金髪碧眼の美しい少年が言う。馬に乗って弓と長剣を持っている。
彼も大和くんの幹部のようで騎兵を従えている。お馬さん可愛い。
「おい、お前俺達に速度合わせろよ。お前馬鹿だから何も考えずに突っ込んでいくのやめろな」
大剣の少年が言う。彼等の装備では早く移動することはできそうにないが、攻撃力殲滅力は高そうだ。
「ふん、お前達の鈍足に合わせていられるか。全速前進だ恐れを知らぬ私の精鋭達よ」
騎乗の少年が大剣の少年と配下の騎兵達に言う。
「やべ、楽しい。気持ちいい。頭ばかになりゅ。たつたつたつ。あー最高。もう我慢できない」
「リハルド君のってるのってる」「行っちゃう行っちゃうリハルド君」
騎兵達がコールをかける。あーこういう感じか彼。大体察した。
「もう行っちゃうよ。はい行った」
リハルド君って言うんだね。なんかそう呼ばれてるし。なんかもう行っちゃった。
「リハルド君一人で突っ込んじゃだめだって」「リハルド君突っ込んじゃうから弓使いこなせてないんだよね」
「リハルド君突っ込まなきゃ弓ぱねぇのになぁ」
騎兵もリハルド君の後を追って行く。リハルド君は馬鹿なんだろうなぁ。大和君幹部さえ扱いこなせてないじゃん。
大和君の好感度がまた下がる。まぁ徹君も生首楽しそうに振り回して『もっと首だ首を寄こせ。部屋に飾るんだ』ってはしゃいでたから。
『俺の部屋に飾るのやめてな。お前の部屋に飾るのもやめて。お前の部屋に泊まる時嫌なんだよね。首飾ってたら』
『首の数は男子のパロメーターだろ』『首を飾るとか古いよ』
二人がそんな話してたなさっき。
まぁ男の子っぽいのかな。
車で突っ込んでくる悪党もいるが、大剣の少年と配下の兵達が車ごと粉砕していく。爽快。
「子供の喧嘩じゃないんだぞ。お前等、家族に拷問されたいのか」
「この争いが一旦静まろうが、俺達はしつこいぞ」
「今日からお前等家族も常に怯えて暮らす事になるよ」
悪も集まった正義の数に警戒して脅しをかけてくる。
まともに戦って現状の戦力は私達正義の方が上だ。
外道の強味なんて戦わぬ家族達を拷問するぞ殺すぞという脅迫だけなのは私にも分かる。
「へぇ、じゃあその家族も悪の断罪に加わったら、あんた達はどこを狙うんだい」
「島を去るのは貴方達だ外道ども」
「島から去るか死ぬか選べ外道ども」
「この島を綺麗にしよう。皆揃って大掃除だよ楽しいよ」
「子供を戦争の火種にしようなんて下種どもめ、水守と戦争するなら、僕達の意思でやる。お前等下種が
余計な事をする必要はない」
「島の人間はね、子供達だけ戦わせたり子供を戦争の火種にしたりしないのよ」
大人達も悪の大掃除パーティに参加してくる。
父ちゃん母ちゃんパパママお父さんお母さんと叫ぶ者が見え、叫ぶ声が聞こえる。
家族総出で大掃除のようだ。大掃除は家族揃ってやるものだよね。
大掃除なのかお祭りなのか、とにかく楽しい。
正義に猛る中学生集団は悪を滅して行く。
正義とかそんな疲れる事って馬鹿にしてたけど、人間は正義を求め正義に生きるものだと。
悪を撃つのが人間の生き方なのだと分かった。
パパが斧で悪の首を飛ばしていく。爽快か。
ママの牽制と私の千穂のノールック同時斬腕で銃を持つ一人の右腕を切り落とす。
私の動きの遅さは千穂は分かっていた。私も陸上部短距離走選手のの千穂の初動の速さが分かっていた。
私はそのまま剣を突き刺すが、中々殺せない。何度も剣を抜いて、やっと殺せた。
人殺しなんて初めて。私が雄たけびをあげると、指揮が更に上がった。初めて雄たけびをあげた。
悪を滅せ外道を殺せ正義を信じろと私らしくない事を言うが、らしくないと思いながらもこれが人間なんだろう。
なら私は今まで人間として足りていなかったのだろう。
殺されるな殺せ。愛する人を家族を友達を守るために死ね。愛する人を家族を友達に危害を加えるものがいるなら殺せ。
何度言われても面倒だと思っていた言葉が、今私の中に急速に入って来る。分かる時が来る。
分かる時は分かると先生が言っていた事を思い出す。いやあれは数学の話かな。
島は最早戦場でお祭り会場になっていた。私を聖女にしたい外道どもが私を狙ってくる。
こちらも大和君の仲間が増援に来てくれる。
今はこのお祭りを楽しもう。永遠に忘れることのないように、忘れようがない。
千穂といられる最後の時間だ。とても愛おしい時間だ。
「楽しいね、千穂」
「ええ、私この時間を絶対忘れない。杏子ともう会えなくても、忘れようがない最高の時間を最後に過ごせて良かったわ」
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