婚約破棄された聖女の私が敵国に行けばイケメン王子に溺愛され愛ある幸せな日々が待ってました。 元婚約者に自称病弱な妹?もう首落としてきましたよ

甘いからあげ

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お待ちかねの触手回。触手が聖女候補生マトローナを拘束する。 戦えマトローナ。頑張れマトローナ。触手に負けるなマトローナ

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 マトローナとオティーリエが向かい合う。
両者決闘の同意は済んでおり、もうどちらが先に動くかの睨み合いだ。
というかなんで私は観戦してるのだろうか。
本当なら私があのゴミどもを始末してやりたいのに。
 案の定マトローナが先に動く。
 距離を詰めながら炎魔法をオティーリエに発動し、50kgはあるであろう斧を振り下ろす。
 噂通りの炎魔法を牽制に使い重量級の斧の一撃で仕留める単純なスタイルだ。
しかし、この単純な戦い方が聖女候補生同士での決闘では有用なのだ。
ちまちました攻撃では相手の防御を崩してダメージを与える事もできないし、
少しの傷ぐらいでは回復されてしまう。
聖女候補生同士の決闘の定石は相手を上回る耐久性回復力があれば持久戦で勝つ。
それがなければ不確定要素が増えるが相手の防御を崩し一気に攻め込むかのどちらかである。
 マトローナは馬鹿だが、自分の神聖魔法の実力と魔力で持久戦をして
オティーリエに勝てるわけがないと分かっているのだろう。しかし気力は噂通り高い。
 なら、取る戦法は一つ。得意の斧の一撃にかけて当然だ。40kgを超える斧の一撃とマトローナの高い気力の
一撃が同時に打ち込まれれば、防御魔法も回復魔法も意味を成さないだろう。
最早私はマトローナをただの馬鹿だとは言えなくなっていた。
"炎斧マトローナ"の称号は伊達ではないようだ。
もし私があの斧の一撃と気力を食らってしまえばと思うと、死への恐れと強者への高鳴りが同時に湧きあがる。
 炎に隠れて見えなかったオティーリエの姿が見えると、振り下ろされた斧の横にぎりぎりで避けていた。
マトローナが振り下ろした斧は床を大きく陥没させている。
 マトローナが斧を持ち上げるより早く、触手がマトローナの体を拘束する。
 触手がマトローナの体を締め上げ、体中の肉を潰す。
 斧を持っていないマトローナは気力で触手を振り払おうとするが、一度完全に決まったオティーリエの触手
はマトローナの高い気力でも振り払う事ができない。
 触手がマトローナの肉を超え骨と内臓を壊していく。
マトローナが馬鹿なら骨を折られていく中で痛みから気力と体を使うのではなく炎魔法を使っていただろう。
だが、マトローナはそれをしなかった。
痛みを超えてでも気力による勝機を目指した。
もし痛みに負け炎魔法を使っていたなら勝機は1京分の1もなかっただろう。
マトローナと戦った事はないのに、私はもうマトローナに敬意を持っていた。 
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