ゲーム世界に転生したら家柄自慢せずに口を開けない子爵で殺されまくる嫌われ者の従者になっていた。一つのルートを除き子爵と従者も死ぬので守ります

甘いからあげ

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ゲーム世界転生した私が仕えるのは死亡イラストが一番多い嫌われ者の子爵の三男坊

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「お前がこれから仕えるアンセンサ君の所に行くんだ。失礼のないようにな」
 気がついたらそんな言葉をかけられていた。どうやら滅びの竜に消滅させられ異世界転生したらしい。
 アンセンサ?私の好きなゲームキャラで家柄自慢をせずに喋る事ができず、自分より強い者偉い者には
弱く、死亡イラストが一番多い嫌われ者のティピックの事なのだろうか。 
 私が転生したこの体は幼女だろうか。そんな幼女の時からアンセンサに仕える。目の前のゲームで見た事のある男性と女性
からしても、私はアンセンサの従者ナディアだろう。
 「返事をしろよ」
 ゲーム世界に異世界転生したのだからそんな事を考えてると、この世界での父が返事の催促をしてくる。
そりゃあそうでしょうね。
 「ええ。私の仕える人だもの。ちゃんと守らないといけないわね」
 「守る気があるのは感心だが、今はまだそこまでの事は期待していない。まずは失礼のないようにだ。
これからアンセンサ君と共に学び訓練し、ティピック君を守れるように強くなればいい」
 「わかった。失礼のないよう気をつけるわ」
 「そうか。分かってくれるならいい」
 「無茶しないでね」
 この世界での父、お父様の隣に座る女性、当然私のこの世界のお母様が心配そうに言う。
 「ええ。死にたくはないもの」
 「貴方はこれからアンセンサ家で暮らすのだから、もう毎日は会えなくなるわ。
寂しいけれど、また会える日を楽しみに待ってるわ」
 お母様からしてみれば私はこれから主君の下で暮らすようになる幼い我が子かもしれないが、
私にしてみればゲームの中で少し見た事ある程度のキャラだ。
まったく寂しくもなんともない。
私の本来の家族もきっと滅びの竜に消滅させられたのだろう。そっちの方が寂しい。
もう元いた世界の家族や友達に会えないのかと思うと悲しくなり涙が出てくる。
お母さんもお父さん。妹も律も皆滅びの竜に消滅されたのかな。
 「お母さん。お父さん。瑠奈、律。もう会えないのかな」
 涙とともに自然とそんな言葉が出てくる。
 「そんなことないわよ。生きてればまた会えるわ」
 「お前もそんな大げさな言い方するからだ。私はアンセンサ家に仕事で行く事もあるから、お前もついてくればいい」
 「そうね。週1でいいかしら」
 「頻繁すぎるだろ。一年に一度は来る機会がある」
 「もう皆消滅したんだって、死んだお母さんもお父さんも瑠奈も律も皆いないのだから。私生きていくわ。死にたくないし」
 「お母様もジェロームも生きてるわよ。貴方も今すぐ死ぬような危険はないでしょうに」
 お母様が不思議そうに言う。
 「偉い。もう両親の事は死んだと思って、ただ学び強くなりアンセンサ君を守る従者になると。
ただそのためだけに生きると。そういうことだな。いずれ来る実践で死なないようにと。そこまで考えていたか」
 「凄い。凄いわ、この子は」
 「あっぱれな心意気だ。成果を上げればいずれは騎士になる事も不可能ではない。頑張れ」
 本当の両親とこの世界の両親の話でなんだかすれ違ってる。
滅びの竜に消滅された者は異世界転生する事が多いとうのは誰もが聞いてきた事だ。
私も誰も滅びの竜を信じてはいなかったけど。
家族や律に死んでいて欲しくはないけど、人類皆滅びの竜に消滅させられただろうから、
家族も律もこのゲーム世界に転生していてまた会える事があるかもしれない。
家族も律もこのゲーム好きだったし、滅びの竜に消滅された場合は好きな世界に転生する場合も多いとか聞くし。
この世界で生き抜いて行けばまた家族や律に会えるかもしれない。私頑張るよ。
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