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鈴木警部補の実状

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真犯人が見つかった事は次の日のトップニュースで大々的にマスコミに公表された。
このことで警察への信頼は揺らぐことにはなったが、泰治はそれはそれで仕方のないことだと思った。
現実に冤罪事件だったわけだし、その事を隠し続けて林をなお苦しめる事は出来ないと感じたからだ。
この発表で再審は決定したのだ。
その報道を塀の中で弁護士から聞いた林は綾香のおかげであると思った。
判決が下りて誰もが自分の話を信じてくれない中、まさか被害者の娘さんが手を差し伸べてくれて本当に助けてくれるなどと想像をもしていなかったのだ。
あの時小比類巻綾香さんを信じてよかった!と心から感謝したのである。

警察内部では今回の捜査について警視総監から雷が落ちた事は言うまでもなかった。
特に捜査段階での指紋についての捜査説明は内海警視に詳しく聞くことになった。
実は小比類巻元警視正が殺された日に駆けつけたのは鈴木警部補が最初だった。
綾香が警察に連絡して他の署員が駆けつけるよりも五分以上早かったので、警察内で話題になったそうだが、近くで捜査していたらしく騒ぎを聞いて駆けつけたとのことだった。
上司は内海警視だった為、内海が詳しく鈴木に聞いて捜査段階の説明をしなくてはならなかったのだ。
鈴木の話によると自分が到着した時には不審な人物が近くをうろついていたという情報はなかったと内海に語ったのだ。
だが、内部にジェーンとの内通者がいるとの疑いがあったのでより詳しく坂本が調べることにした。
坂本は鈴木警部補が怪しいと睨んでいた。
最初に駆けつけたのも鈴木だし、近くにいたことも不自然といえば不自然である。
だが、鈴木は犯行当時のアリバイというか犯行時には近くの喫茶店でサボってコーヒーを飲んでいたということが喫茶店の店主の証言で明らかになったのだ。
近くにいたのは偶然の可能性も否定できなかった。
そこで坂本は鈴木の借金状況を調べることにした。
何故ならもしジェーンの仲間もしくは情報提供者であるとしたなら、毎月、或いは情報提供ごとに金銭の動きがある筈だからだ。
だが、ギャンブルばかりやっているせいかあるのは消費者金融への返済ばかり。
毎月、返済額が多くて今はギャンブルどころか煙草銭にも苦労をしている状態だった。
坂本は怪しいと思っていた鈴木警部補を少しの間監視することにした。
しかし、いつまで経っても全く何の動きもない。
そんな時にジェーンが動く?という情報が入った。
この情報は絶対にあり得ないと思う人物からのものでまさか?と思えるものであった!
まさか?と思わすのはもう一つ理由があった。
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