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真実
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「やはり小比類巻さんは何かを感じてこのカメラを忍ばせていたんですね…!」
隠しカメラなんて忍ばせていたとしても普通は一つだろう。
それを殺される半月前に三つも購入して忍ばせるとは…。
いや、買ったのは四つかもしれない。
新谷学に渡したのも小比類巻純真の可能性が高い。
何かあった時に残せるものを新谷に買って渡したのだろう…。
坂本と大地は元広早苗さん宅のカメラ一つと小比類巻家の三つ、合わせて四つのカメラをすぐに解析に回すべく、紙袋に入れた。
カメラを発見した事で犯人の一味が何らかの行動を起こす可能性がある。
「しばらくは警備をしますが、綾香さんも何かあったら直ぐに僕か坂本さんに連絡を下さい!」
大地としてみれば僕に連絡を下さい!と言いたかったのだが、坂本が側にいた為、仕方なく坂本の名前も付け加えた。
解析後に直ぐに連絡することを約束して小比類巻家から車で帰る事にした。
画像解析は警察署内ではなく、法科学鑑定研究所というところに持っていくのが一番早く、正確であるとされていた。
今回もそこに持って行き、素早く解析を頼んだ。
二年前に埋め込まれたカメラだけに損傷や腐敗も無く、綺麗な画像が映し出されていた。
解析と言っても単に再生するだけなのだが、万一の事を考えて専門に任せているのだ。
先ずは新谷学の部屋にあったカメラから調べ始めた。
カメラは超小型で親指の爪二つ分位の大きさでやはりビデオ機能が付いていた。
新谷が行方不明になった日の場面になった。
アパートの部屋に帰って辺りを見回している。
自分の部屋だと言うのに随分警戒している姿勢だ。
時間は小比類巻純真の葬式の後に仕事が終わって夜の九時を過ぎていた。
それから一時間ほどして灯りを消した。寝るつもりだろう…。
夜間でもはっきり見える機能があるので灯りを消してもどんな動きをしているのかがわかる。
就寝してから暫くは何もない状態が続いたが、午前0時になった時に動きがあった。
突然男二人組が部屋に入ってきた。
おそらくピッキングか合鍵を作って侵入したかのどちらかだろう。
一人が枕元の新谷の口を塞いだ。
もう一人の右手には注射器らしいものが握られている。
もがく新谷の口をタオルで塞いだまま首元にもう一人の注射器の針が入った。
二、三秒もがいていた新谷の動きが止まる。
それを確認すると一人が灯りを付けた。
新谷はぐったりとしていて布団の上でピクリともしない。
その時に息の根を止められたか眠らされたのかはよくわからなかったが、しばらくして新谷の表情が見える場面になると目が半目に開いているのがわかる。
その場で薬殺されたのだ。
灯りを付けた事で二人組の姿が鮮明に写る。
一人はでかい!
百八十センチはゆうにあり、ガタイもいい。
吉沢に間違いなかった。
もう一人はマスクをしていたが、その風貌からしてジェーン斎藤に違いない。
吉沢は持ってきた工事用のデカ袋に新谷を入れて、軽々と肩に担いで外に出た。
ジェーンは部屋の中で何かを探していたが何を探しているのかは察することはできなかった。
ジェーンは部屋の中を元どおりにして灯りを消してドアを閉めた。
この日から元広早苗が入ってくるまでカメラが動くことはなかった。
隠しカメラなんて忍ばせていたとしても普通は一つだろう。
それを殺される半月前に三つも購入して忍ばせるとは…。
いや、買ったのは四つかもしれない。
新谷学に渡したのも小比類巻純真の可能性が高い。
何かあった時に残せるものを新谷に買って渡したのだろう…。
坂本と大地は元広早苗さん宅のカメラ一つと小比類巻家の三つ、合わせて四つのカメラをすぐに解析に回すべく、紙袋に入れた。
カメラを発見した事で犯人の一味が何らかの行動を起こす可能性がある。
「しばらくは警備をしますが、綾香さんも何かあったら直ぐに僕か坂本さんに連絡を下さい!」
大地としてみれば僕に連絡を下さい!と言いたかったのだが、坂本が側にいた為、仕方なく坂本の名前も付け加えた。
解析後に直ぐに連絡することを約束して小比類巻家から車で帰る事にした。
画像解析は警察署内ではなく、法科学鑑定研究所というところに持っていくのが一番早く、正確であるとされていた。
今回もそこに持って行き、素早く解析を頼んだ。
二年前に埋め込まれたカメラだけに損傷や腐敗も無く、綺麗な画像が映し出されていた。
解析と言っても単に再生するだけなのだが、万一の事を考えて専門に任せているのだ。
先ずは新谷学の部屋にあったカメラから調べ始めた。
カメラは超小型で親指の爪二つ分位の大きさでやはりビデオ機能が付いていた。
新谷が行方不明になった日の場面になった。
アパートの部屋に帰って辺りを見回している。
自分の部屋だと言うのに随分警戒している姿勢だ。
時間は小比類巻純真の葬式の後に仕事が終わって夜の九時を過ぎていた。
それから一時間ほどして灯りを消した。寝るつもりだろう…。
夜間でもはっきり見える機能があるので灯りを消してもどんな動きをしているのかがわかる。
就寝してから暫くは何もない状態が続いたが、午前0時になった時に動きがあった。
突然男二人組が部屋に入ってきた。
おそらくピッキングか合鍵を作って侵入したかのどちらかだろう。
一人が枕元の新谷の口を塞いだ。
もう一人の右手には注射器らしいものが握られている。
もがく新谷の口をタオルで塞いだまま首元にもう一人の注射器の針が入った。
二、三秒もがいていた新谷の動きが止まる。
それを確認すると一人が灯りを付けた。
新谷はぐったりとしていて布団の上でピクリともしない。
その時に息の根を止められたか眠らされたのかはよくわからなかったが、しばらくして新谷の表情が見える場面になると目が半目に開いているのがわかる。
その場で薬殺されたのだ。
灯りを付けた事で二人組の姿が鮮明に写る。
一人はでかい!
百八十センチはゆうにあり、ガタイもいい。
吉沢に間違いなかった。
もう一人はマスクをしていたが、その風貌からしてジェーン斎藤に違いない。
吉沢は持ってきた工事用のデカ袋に新谷を入れて、軽々と肩に担いで外に出た。
ジェーンは部屋の中で何かを探していたが何を探しているのかは察することはできなかった。
ジェーンは部屋の中を元どおりにして灯りを消してドアを閉めた。
この日から元広早苗が入ってくるまでカメラが動くことはなかった。
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