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嘘は嫌い?
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文に口では愛していると言ってはいたが、愛よりギャンブルを選んでいたのはもはや明白であった。
文と知り合ったのはお好み焼き屋を始める三年前のことだった。
スーパーの催事でラーメンの試食販売をしていた私は同じ店に偶然、乳製品の試食販売をしていた文を見かけた。
同じ催事の仕事とはいえ、全く異なる業種だから挨拶するくらいであった。
だが、挨拶の感じがよく私好みのボーイッシュだったのもあって私の方から声をかけた。
午前中の仕事が終わったら昼ご飯一緒にいかがですか?
当時の私は決してかっこいい青年ではなかったが、決して不男ではなく可愛らしい感じ…と言われていた。
第一印象はそんなに悪い感じではなかったのだろうから、昼ごはんの誘いには躊躇わずオッケーの言葉をもらった。
近くの二階の喫茶店でピザとスパゲティと飲み物を頼んだ。
昼休憩なので一時間もなかったが、ご飯を食べながらいろんな話をした。
あっという間に昼休憩は終わる。
私は仕事が終わってから会うことができないか?と聞いた。
会社に帰ってからなら時間はあると文は言ってくれた。
私も片付けをして会社に帰らねばならなかったのでちょうど同じくらいの時間に体は空く。
実は当時私には付き合っていた女性がいた。
二ヶ月前くらいに知り合った別のスーパーでレジをしていた女性だった。
高校を卒業して四月から働き出したらしくまだ十八歳だった。
当時私は二十七歳だったが、かなりの童顔で二十歳そこそこに見られていて彼女の働いていたスーパーで知り合った。
私好みのショートカットでしかも若くて可愛らしかったのだが、そのスーパーが私の住んでいた場所から車で二時間ほどかかる。
付き合い始めて最初の一ヶ月は毎日の様に家のそばで待ち合わせをしてホテルに入る。
朝五時にはホテルから出なくては仕事に間に合わない。
仕事が終わって夜十時ごろに会い、五時前には彼女の家まで送っていく。
仕事が休みの日はもちろん会っていたから体を休める時間がなかった。
そのことに疲れていた…というのもあったが、金銭的にも大変だったのだ。
毎日のホテル代、ガソリン代、食事代…、一ヶ月でかなりの額を使ってしまっていたのだ。
彼女はまだ十八歳ということもあって、もちろん会う時は私が払っていた。
彼女からしたら当たり前のことだし、私の方から会いにいくわけだから仕方のないことと言われたらその通りだった。
一ヶ月を過ぎると流石に毎日は合わなくなっていた。
今の時代と違い携帯電話が無いので彼女の家に電話をかける。
長電話が続くとお父さんから怒られる。
お金がないので会いにもなかなか行けない。
そのうち電話さえかけるのが毎日ではなくなった。
冷めたのではなかったが、かっこつけの私は金がないのを彼女に言えなかったのだ。
?は
少し遠かった頃に文と知り合った。
文は家もそんなに離れていないし車も持っていた。
文の車でデートする事もあり、お金も時々出してくれた。
心も身体も楽だったのだ。
十八歳の彼女とは全く連絡をしなくなり、彼女から連絡してくる事はなかった。
私が文と付き合う時に言った言葉を文は忘れる事はないと言っていた。
私もはっきりと覚えている。
「僕は嘘をつかれるのは嫌だから嫌になった時にはちゃんと言ってね。
お互いの気持ちに嘘はつかない様にしようね…」
その時の気持ちに嘘はなかった。
でも嘘をつかれるのは嫌なのは本当だが、何時もついていたのだった。
文と付き合い始めてからは女遊びはしなかった。
というよりは女遊びよりもギャンブルの方がよりエクスタシーを感じていたからであろう…!
文と一緒にパチンコは何度か行った。
当時は一発ものが主流で一度穴に入れば終了まで続くもので、一度で一万円だった。
二人並んで打つのだが、必ず最初に当たりになるのだ。
最後の方には「当たりになる打ち方がわかった!」
とまで言っていたが、そんなには甘くはなかった。
数回しかパチンコには行かなかったが、トータルは負けてはいなかったはずだった。
そこが私と少し違うところだった。
麻雀もよく行ってるのは知ってはいたが、あまり行くなとは言わなかった。
まあ、言ったところでそれを素直に聞く私ではないと思っていたにたがいないが、小遣いでギャンブルをするのは目を瞑っていてくれていたのだ。
それに甘えていたのが私だった。
お好み焼き屋の売り上げは文の協力もあって順調に上がっていった。
やがて文は自分の仕事をやめて私のお好み焼き屋を本格的に手伝ってくれる様になった。
家から遠かった事もあり、店の近くにアパートを借りて二人で住むことにした。
割と順調に思えた二人だったが、これからが文の悪夢の始まりだったのだ。
文と知り合ったのはお好み焼き屋を始める三年前のことだった。
スーパーの催事でラーメンの試食販売をしていた私は同じ店に偶然、乳製品の試食販売をしていた文を見かけた。
同じ催事の仕事とはいえ、全く異なる業種だから挨拶するくらいであった。
だが、挨拶の感じがよく私好みのボーイッシュだったのもあって私の方から声をかけた。
午前中の仕事が終わったら昼ご飯一緒にいかがですか?
当時の私は決してかっこいい青年ではなかったが、決して不男ではなく可愛らしい感じ…と言われていた。
第一印象はそんなに悪い感じではなかったのだろうから、昼ごはんの誘いには躊躇わずオッケーの言葉をもらった。
近くの二階の喫茶店でピザとスパゲティと飲み物を頼んだ。
昼休憩なので一時間もなかったが、ご飯を食べながらいろんな話をした。
あっという間に昼休憩は終わる。
私は仕事が終わってから会うことができないか?と聞いた。
会社に帰ってからなら時間はあると文は言ってくれた。
私も片付けをして会社に帰らねばならなかったのでちょうど同じくらいの時間に体は空く。
実は当時私には付き合っていた女性がいた。
二ヶ月前くらいに知り合った別のスーパーでレジをしていた女性だった。
高校を卒業して四月から働き出したらしくまだ十八歳だった。
当時私は二十七歳だったが、かなりの童顔で二十歳そこそこに見られていて彼女の働いていたスーパーで知り合った。
私好みのショートカットでしかも若くて可愛らしかったのだが、そのスーパーが私の住んでいた場所から車で二時間ほどかかる。
付き合い始めて最初の一ヶ月は毎日の様に家のそばで待ち合わせをしてホテルに入る。
朝五時にはホテルから出なくては仕事に間に合わない。
仕事が終わって夜十時ごろに会い、五時前には彼女の家まで送っていく。
仕事が休みの日はもちろん会っていたから体を休める時間がなかった。
そのことに疲れていた…というのもあったが、金銭的にも大変だったのだ。
毎日のホテル代、ガソリン代、食事代…、一ヶ月でかなりの額を使ってしまっていたのだ。
彼女はまだ十八歳ということもあって、もちろん会う時は私が払っていた。
彼女からしたら当たり前のことだし、私の方から会いにいくわけだから仕方のないことと言われたらその通りだった。
一ヶ月を過ぎると流石に毎日は合わなくなっていた。
今の時代と違い携帯電話が無いので彼女の家に電話をかける。
長電話が続くとお父さんから怒られる。
お金がないので会いにもなかなか行けない。
そのうち電話さえかけるのが毎日ではなくなった。
冷めたのではなかったが、かっこつけの私は金がないのを彼女に言えなかったのだ。
?は
少し遠かった頃に文と知り合った。
文は家もそんなに離れていないし車も持っていた。
文の車でデートする事もあり、お金も時々出してくれた。
心も身体も楽だったのだ。
十八歳の彼女とは全く連絡をしなくなり、彼女から連絡してくる事はなかった。
私が文と付き合う時に言った言葉を文は忘れる事はないと言っていた。
私もはっきりと覚えている。
「僕は嘘をつかれるのは嫌だから嫌になった時にはちゃんと言ってね。
お互いの気持ちに嘘はつかない様にしようね…」
その時の気持ちに嘘はなかった。
でも嘘をつかれるのは嫌なのは本当だが、何時もついていたのだった。
文と付き合い始めてからは女遊びはしなかった。
というよりは女遊びよりもギャンブルの方がよりエクスタシーを感じていたからであろう…!
文と一緒にパチンコは何度か行った。
当時は一発ものが主流で一度穴に入れば終了まで続くもので、一度で一万円だった。
二人並んで打つのだが、必ず最初に当たりになるのだ。
最後の方には「当たりになる打ち方がわかった!」
とまで言っていたが、そんなには甘くはなかった。
数回しかパチンコには行かなかったが、トータルは負けてはいなかったはずだった。
そこが私と少し違うところだった。
麻雀もよく行ってるのは知ってはいたが、あまり行くなとは言わなかった。
まあ、言ったところでそれを素直に聞く私ではないと思っていたにたがいないが、小遣いでギャンブルをするのは目を瞑っていてくれていたのだ。
それに甘えていたのが私だった。
お好み焼き屋の売り上げは文の協力もあって順調に上がっていった。
やがて文は自分の仕事をやめて私のお好み焼き屋を本格的に手伝ってくれる様になった。
家から遠かった事もあり、店の近くにアパートを借りて二人で住むことにした。
割と順調に思えた二人だったが、これからが文の悪夢の始まりだったのだ。
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