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競艇編③
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次の日私は今までにないエクスタシーを感じていた。
一体Cはどんなふうにイカサマをするのだろう…?
昨夜からずっと頭の中でイカサマの構図を描いていた。
実際のレースは全く普通のスタートかも知れない。
私がBの言葉を鵜呑みにしてCがイカサマをするものとばかり思っていたのかも知れない。
それ答えは後、数分もすればわかる。
私はこのレースの為にお金を作ってきた。
少しばかりの貯金と友人に無理を言って金を借りたのだ。
何故私は本当にイカサマかどうかも分からないレースに大金を注ぎ込むのだろうか…?
実は昨日のBの話がでまかせとはどうしても思えなかったのだ。
おそらくでまかせではないで欲しい…との私の気持ちが強かったのもあったのだろう。
だがそれだけではない。
もしもそれが本当ならば、この回を逃したらもう二度と美味しい話は無いような気がしたのだ。
私の心は動いた。
はっきり言って全財産、いや、借りてまでして作った金である。
それをこのCのレースに賭けてもいいのだろうか…?
いや、いいのだ。
私は昨日のBの言葉を信用した。
戯言だろうが、賽は振られたのだ。
大金(私にとって)をかけたレースがスタートした。
再内枠のBはまずまずのスタートである。
スタートを出おくれるとイカサマレースであることがバレる心配があるのでここは仕方ないところだろう…。
問題の一周目の1コーナーに入った。
ここで膨れてズボズボに差される展開か…?
…??? 膨れない?
な、何故だ…!
昨日のBの話は戯言だったのか…?
私は思いっきり頭をぶち抜かれた感覚に陥った。
お、終わった………。
な、何もかも…!!!!
現実に頭の中は真っ白になり、自分の行動を恥じた!
全く根拠のない話を信じて、命の次に大事な金を注ぎ込んでしまった。
私は二、三度首を振ってから目を伏せた。
その時だ。
周りから悲鳴にも違い叫び声がして私は目を開けた。
何と、一周目の2コーナーで1枠のCが2番人気の2号艇と沖の方へ流れていくではないか。
2艇が流れている間に後ろの4艇が先マイをした。
夢でもみているのではないか…?
さっきまで愚かな自分を蔑んでいた私はもう既に生き返ったタコのようにはしゃぎ回っている。
ゴールをしたのは順に5号艇、6号艇、3号艇であった。
私は驚いた。
ゴールした順位に驚いたのではない。
普通なら全く人気のない5番艇と6番艇で来たのに、3連単は9800円しかついていないのだ。
普通なら50000円、最低でも30000円はつくであろう配当金が、3分の1以下になっていたのだ。
(誰かがまとめて入れたな…)
そう思ったと同時にやはり、イカサマはあるんだ…!
と改めて感じたのだった。
9800円という低い配当になったとはいえ、このイカサマレースにさぞ大金を入れたであろう私は自分の買った全ての舟券を見直した。
買った舟券は1号艇(B)以外の5艇の3連単を10000円ずつ、つまり600000円買っていた。
だが、万が一…の気持ちもあって1号艇の頭の3連単を10000円ずつ買い足していたのだった。
イカサマをするのならば2番人気の2号艇をも消して24通りで良かった筈だ。
それなら100万円を振り分けて40000円ずつ買うことができたはずだ。
それなら390万円になっていて、バカ勝ち…とまでは行かないまでも、一世一代の大博打の気持ちでやったレースが18万円勝ちで終わった悔しさと情けなさで私はストレス溜まりまくり…になってしまった。
だが、このことでイカサマは本当にある…と確信したのだ。
しかもその数年後にNの事件が起きている。
因みにCはこのレース以外にも何度か疑惑を持たれてはいたが逮捕とかには至らず、何故か静かに引退していたのだ。
こういったことがあったからこそ私は競艇には殆ど手を出さないと決めているのだった。
一体Cはどんなふうにイカサマをするのだろう…?
昨夜からずっと頭の中でイカサマの構図を描いていた。
実際のレースは全く普通のスタートかも知れない。
私がBの言葉を鵜呑みにしてCがイカサマをするものとばかり思っていたのかも知れない。
それ答えは後、数分もすればわかる。
私はこのレースの為にお金を作ってきた。
少しばかりの貯金と友人に無理を言って金を借りたのだ。
何故私は本当にイカサマかどうかも分からないレースに大金を注ぎ込むのだろうか…?
実は昨日のBの話がでまかせとはどうしても思えなかったのだ。
おそらくでまかせではないで欲しい…との私の気持ちが強かったのもあったのだろう。
だがそれだけではない。
もしもそれが本当ならば、この回を逃したらもう二度と美味しい話は無いような気がしたのだ。
私の心は動いた。
はっきり言って全財産、いや、借りてまでして作った金である。
それをこのCのレースに賭けてもいいのだろうか…?
いや、いいのだ。
私は昨日のBの言葉を信用した。
戯言だろうが、賽は振られたのだ。
大金(私にとって)をかけたレースがスタートした。
再内枠のBはまずまずのスタートである。
スタートを出おくれるとイカサマレースであることがバレる心配があるのでここは仕方ないところだろう…。
問題の一周目の1コーナーに入った。
ここで膨れてズボズボに差される展開か…?
…??? 膨れない?
な、何故だ…!
昨日のBの話は戯言だったのか…?
私は思いっきり頭をぶち抜かれた感覚に陥った。
お、終わった………。
な、何もかも…!!!!
現実に頭の中は真っ白になり、自分の行動を恥じた!
全く根拠のない話を信じて、命の次に大事な金を注ぎ込んでしまった。
私は二、三度首を振ってから目を伏せた。
その時だ。
周りから悲鳴にも違い叫び声がして私は目を開けた。
何と、一周目の2コーナーで1枠のCが2番人気の2号艇と沖の方へ流れていくではないか。
2艇が流れている間に後ろの4艇が先マイをした。
夢でもみているのではないか…?
さっきまで愚かな自分を蔑んでいた私はもう既に生き返ったタコのようにはしゃぎ回っている。
ゴールをしたのは順に5号艇、6号艇、3号艇であった。
私は驚いた。
ゴールした順位に驚いたのではない。
普通なら全く人気のない5番艇と6番艇で来たのに、3連単は9800円しかついていないのだ。
普通なら50000円、最低でも30000円はつくであろう配当金が、3分の1以下になっていたのだ。
(誰かがまとめて入れたな…)
そう思ったと同時にやはり、イカサマはあるんだ…!
と改めて感じたのだった。
9800円という低い配当になったとはいえ、このイカサマレースにさぞ大金を入れたであろう私は自分の買った全ての舟券を見直した。
買った舟券は1号艇(B)以外の5艇の3連単を10000円ずつ、つまり600000円買っていた。
だが、万が一…の気持ちもあって1号艇の頭の3連単を10000円ずつ買い足していたのだった。
イカサマをするのならば2番人気の2号艇をも消して24通りで良かった筈だ。
それなら100万円を振り分けて40000円ずつ買うことができたはずだ。
それなら390万円になっていて、バカ勝ち…とまでは行かないまでも、一世一代の大博打の気持ちでやったレースが18万円勝ちで終わった悔しさと情けなさで私はストレス溜まりまくり…になってしまった。
だが、このことでイカサマは本当にある…と確信したのだ。
しかもその数年後にNの事件が起きている。
因みにCはこのレース以外にも何度か疑惑を持たれてはいたが逮捕とかには至らず、何故か静かに引退していたのだ。
こういったことがあったからこそ私は競艇には殆ど手を出さないと決めているのだった。
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