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競艇編①
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次は競艇である。
前に書いたように基本的に私は競艇は余程のことがない限りやらない。
どんな時が余程の事なのかと言えば、平日の競輪で買えるレースがない時の事だ。
1レースも買うレースがない日などほとんどないのだが、気が乗らないレースをやって負けるよりはやらない日を作ることも必要だ…と勝手に理解して?競艇を買いに行くのだ。
そもそも何故私が競艇をやらないのかを説明しよう。
私も以前はちょくちょく舟券を買いに行っていた。
私の生まれは広島でもちろん麻雀もいろんな雀荘を渡り歩いていた。
ある時、とある雀荘に見覚えのあるメンバーが卓を囲んでいた。
よく見ると全員が競艇の選手だ。
当時A1でベスト10にも何度も入っていた人もいる。
メンバーはいつも5人出来ていて、1人は麻雀ができないのかいつも見ているだけなのだ。
全員がA1ではなかったが、そこそこ勝率は高い選手ばかりだった。
その雀荘はフリーがメインだったが貸卓もありの雀荘で、選手たちは貸卓専門で選手同士で打っていた。
何度かその雀荘で見かけるうちにたまに話をするようになったが、麻雀は一緒に打ったことはなかった。
その後、しばらくして寿司屋で偶然一緒になって話をする事になったが、体重の関係で選手のほとんどが酒を飲まない。
だが、一度だけある選手と飲み屋で一緒になり、少しだけ仲良くなった。
と言っても、レースの話などする筈も無かったのだ。
だが、帰り際にその選手が妙な事をポツリと言った。
「Mには気をつけたほうがいい…」
Mとは競艇の選手のことで当時A2のクラスにいたのだ。
Mは少し前までA1のクラスで戦っていた実力者だったが、最近はレースが荒いというか着順が安定しなくて成績が下降気味…な感じだった。
「M…?」
何のことを言っていたのかは後でわかった。
イカサマ疑惑が週刊誌に載ってしまったのだ。
それからしばらくしてMは突然引退した。
まだ、40代半ばで引退する年でもない筈だったが体力の衰えを感じたらしく、詳しいことは分からなかった。
当時はその事に関してはそこまで気にしてはいなかったのだが、8年前に決定的な事件が起きた。
この事件は今やボートファンで無くても誰もが知っているNのイカサマレース事件のことではない。
Nのイカサマレース事件とは4、5年前のことだろうか…。
当時NはA級2班で腕的にはいつA1になっていてもおかしくない実力だった。
そのNが知人と組んでイカサマレースを仕組んでいたのだ。
どういう風にイカサマをしていたのかを説明しよう。
NはA1レースではそこまで人気はしなかったが、A2では人気、実力共に抜けていたのだが、時々ポカをすることがあった。
人気になりすぎるとたまに着外に沈んでしまうことがあったのだ。
そう、これがイカサマレースを仕組んだ時の結果だったのだ。
人気の時…すなわち、1号艇掴んだ時にレースを動かすのだ。
競艇は言わずとも知れた1号艇が1着の確率が半端なく高い。
競艇のイカサマはもちろん1番人気の1号艇を連から飛ばすことである。
しかも4着以下に落とせば、大体何が入ろうが4桁配当だ。
スタートを遅れるのが着外になる可能性は高いが、スタートをして2番人気の艇を飛ばしにかかる方法もよく見る。
これだと3番人気以下の艇が1着になるのだから穴も穴、大穴の出来上がりである。
1号艇を除く5艇の3連単、60通りを買えば良いのだ。
もし2号艇の2番人気を飛ばすとしたら3号艇から外の4艇の3連単24通りを買えば大穴の出来上がりである。
万が一2号艇が着外から3着まで上がる可能性があるとして、2号艇の3着流しを付け加えれば良い。
ただし、1号艇の選手が2号艇を外に飛ばす技術を持っていなくてはこのイカサマは出来ない。
故にある程度力のある選手でないとこのイカサマは仕組めないのだ。
そのイカサマをNはしていたのだ。
これは新聞やテレビのニュースなどでも大々的に放送されてNは競艇界を追放された上に懲役刑になったのだ。
だが、私はこの事件の少し前からマスコミには出ていないあるイカサマレースの話を聞いていたのだ。
しかもそれは現実に私の目の前で起こったのだ。
前に書いたように基本的に私は競艇は余程のことがない限りやらない。
どんな時が余程の事なのかと言えば、平日の競輪で買えるレースがない時の事だ。
1レースも買うレースがない日などほとんどないのだが、気が乗らないレースをやって負けるよりはやらない日を作ることも必要だ…と勝手に理解して?競艇を買いに行くのだ。
そもそも何故私が競艇をやらないのかを説明しよう。
私も以前はちょくちょく舟券を買いに行っていた。
私の生まれは広島でもちろん麻雀もいろんな雀荘を渡り歩いていた。
ある時、とある雀荘に見覚えのあるメンバーが卓を囲んでいた。
よく見ると全員が競艇の選手だ。
当時A1でベスト10にも何度も入っていた人もいる。
メンバーはいつも5人出来ていて、1人は麻雀ができないのかいつも見ているだけなのだ。
全員がA1ではなかったが、そこそこ勝率は高い選手ばかりだった。
その雀荘はフリーがメインだったが貸卓もありの雀荘で、選手たちは貸卓専門で選手同士で打っていた。
何度かその雀荘で見かけるうちにたまに話をするようになったが、麻雀は一緒に打ったことはなかった。
その後、しばらくして寿司屋で偶然一緒になって話をする事になったが、体重の関係で選手のほとんどが酒を飲まない。
だが、一度だけある選手と飲み屋で一緒になり、少しだけ仲良くなった。
と言っても、レースの話などする筈も無かったのだ。
だが、帰り際にその選手が妙な事をポツリと言った。
「Mには気をつけたほうがいい…」
Mとは競艇の選手のことで当時A2のクラスにいたのだ。
Mは少し前までA1のクラスで戦っていた実力者だったが、最近はレースが荒いというか着順が安定しなくて成績が下降気味…な感じだった。
「M…?」
何のことを言っていたのかは後でわかった。
イカサマ疑惑が週刊誌に載ってしまったのだ。
それからしばらくしてMは突然引退した。
まだ、40代半ばで引退する年でもない筈だったが体力の衰えを感じたらしく、詳しいことは分からなかった。
当時はその事に関してはそこまで気にしてはいなかったのだが、8年前に決定的な事件が起きた。
この事件は今やボートファンで無くても誰もが知っているNのイカサマレース事件のことではない。
Nのイカサマレース事件とは4、5年前のことだろうか…。
当時NはA級2班で腕的にはいつA1になっていてもおかしくない実力だった。
そのNが知人と組んでイカサマレースを仕組んでいたのだ。
どういう風にイカサマをしていたのかを説明しよう。
NはA1レースではそこまで人気はしなかったが、A2では人気、実力共に抜けていたのだが、時々ポカをすることがあった。
人気になりすぎるとたまに着外に沈んでしまうことがあったのだ。
そう、これがイカサマレースを仕組んだ時の結果だったのだ。
人気の時…すなわち、1号艇掴んだ時にレースを動かすのだ。
競艇は言わずとも知れた1号艇が1着の確率が半端なく高い。
競艇のイカサマはもちろん1番人気の1号艇を連から飛ばすことである。
しかも4着以下に落とせば、大体何が入ろうが4桁配当だ。
スタートを遅れるのが着外になる可能性は高いが、スタートをして2番人気の艇を飛ばしにかかる方法もよく見る。
これだと3番人気以下の艇が1着になるのだから穴も穴、大穴の出来上がりである。
1号艇を除く5艇の3連単、60通りを買えば良いのだ。
もし2号艇の2番人気を飛ばすとしたら3号艇から外の4艇の3連単24通りを買えば大穴の出来上がりである。
万が一2号艇が着外から3着まで上がる可能性があるとして、2号艇の3着流しを付け加えれば良い。
ただし、1号艇の選手が2号艇を外に飛ばす技術を持っていなくてはこのイカサマは出来ない。
故にある程度力のある選手でないとこのイカサマは仕組めないのだ。
そのイカサマをNはしていたのだ。
これは新聞やテレビのニュースなどでも大々的に放送されてNは競艇界を追放された上に懲役刑になったのだ。
だが、私はこの事件の少し前からマスコミには出ていないあるイカサマレースの話を聞いていたのだ。
しかもそれは現実に私の目の前で起こったのだ。
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