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小悪魔的魅力
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私は待ち合わせの前に銀行に行き、キャッシュカードから五十万円を引き出した。
もちろん萩原海人名義のカードである。一千万円あった金はすでに三百万円を切っていた。
半年もしないうちに七百万円も使っていたのだ。
あまり考えることもなく博打ばかりしていて入院するまでは飲み屋をハシゴすることも度々あった。
入院してからは酒で金を使う事は無くなったが、相変わらずパチンコ、競馬は続けていたのでなくなるのは当然の結果であった。
(う~ん、早めにこの詐欺を進めないとすぐに残りの金もなくなるな…。)と考えていた。
そのカードから五十万円を出したのは当然直美に何かプレゼントするためである。
今時の十八歳の女子高生が何を欲しがるのかは私には分からなかったが、ブランド品の何かを欲しがった時に金を持ってなく、クレジットカードも持ってなければ恥ずかしいと思ったからであった。
クレジットカードなど私は持ってはいない。
黒崎伸一郎の名の時でさえブラックだった為、クレジットカードは作れなかったのだ。
実は私はすごく見えはりだった。
格好も良くないのにカッコつけたがる情けない男なのだ。
金をカードで出した私は少し早めに待ち合わせの場所に着いた。
前回私より直美の方が先に来ていたので今度は私が待つ番だと思ったのだ。
約束の二十分前に着いた私は、実は直美に会うためというか直美に会った時に前回と同じ服装で会うことは(服は1着しか持っていないのか?)と思われるのが嫌だったので先日買い揃えた。
あまりセンスがいいわけではないのでそれぞれの店でコーディネートしてもらったのである。
もちろんすごく高いブランドの店で買える筈などなかったが、それでも靴まで揃えると十万円は軽く超えた。
ただその金額よりも数倍の額のものをプレゼントするつもりなのだからただのエロオヤジとなっているのかもしれない。でも、いいのだ。
私にとっては今は直美の素晴らしい業績が唯々嬉しく思えたからだった。
約束の十分前に直美は現れた。
私を見た直美は走って駆け寄ってきた。
それはまるで恋人と待ち合わせをしていた女の子のようだった。
(勝手に思っただけなのだ)
「どうしたんだ、慌てて走ってきて…。何かあったのか?」私は走って私の腕を掴んだ直美にキョトンとした表情で聞いた。
「だって、時間前なのに待ってくれてたなんて思わなかったから、つい、嬉しくって…」
よく驚かす女である。
中年の男と手を組んでデパートの前にいる姿は援助交際をしている女子学生とエロオヤジとの関係に世間は見えるだろう。
そんなことはお構いなしの直美だったのだ。
「とりあえずお祝いのプレゼントを買いに行こう」
「やった!私、欲しいものがあったんだ」直美はそう言いながら、私の左腕に自分の右腕を差し込んで私をデパートに引っ張って入った。
もちろん萩原海人名義のカードである。一千万円あった金はすでに三百万円を切っていた。
半年もしないうちに七百万円も使っていたのだ。
あまり考えることもなく博打ばかりしていて入院するまでは飲み屋をハシゴすることも度々あった。
入院してからは酒で金を使う事は無くなったが、相変わらずパチンコ、競馬は続けていたのでなくなるのは当然の結果であった。
(う~ん、早めにこの詐欺を進めないとすぐに残りの金もなくなるな…。)と考えていた。
そのカードから五十万円を出したのは当然直美に何かプレゼントするためである。
今時の十八歳の女子高生が何を欲しがるのかは私には分からなかったが、ブランド品の何かを欲しがった時に金を持ってなく、クレジットカードも持ってなければ恥ずかしいと思ったからであった。
クレジットカードなど私は持ってはいない。
黒崎伸一郎の名の時でさえブラックだった為、クレジットカードは作れなかったのだ。
実は私はすごく見えはりだった。
格好も良くないのにカッコつけたがる情けない男なのだ。
金をカードで出した私は少し早めに待ち合わせの場所に着いた。
前回私より直美の方が先に来ていたので今度は私が待つ番だと思ったのだ。
約束の二十分前に着いた私は、実は直美に会うためというか直美に会った時に前回と同じ服装で会うことは(服は1着しか持っていないのか?)と思われるのが嫌だったので先日買い揃えた。
あまりセンスがいいわけではないのでそれぞれの店でコーディネートしてもらったのである。
もちろんすごく高いブランドの店で買える筈などなかったが、それでも靴まで揃えると十万円は軽く超えた。
ただその金額よりも数倍の額のものをプレゼントするつもりなのだからただのエロオヤジとなっているのかもしれない。でも、いいのだ。
私にとっては今は直美の素晴らしい業績が唯々嬉しく思えたからだった。
約束の十分前に直美は現れた。
私を見た直美は走って駆け寄ってきた。
それはまるで恋人と待ち合わせをしていた女の子のようだった。
(勝手に思っただけなのだ)
「どうしたんだ、慌てて走ってきて…。何かあったのか?」私は走って私の腕を掴んだ直美にキョトンとした表情で聞いた。
「だって、時間前なのに待ってくれてたなんて思わなかったから、つい、嬉しくって…」
よく驚かす女である。
中年の男と手を組んでデパートの前にいる姿は援助交際をしている女子学生とエロオヤジとの関係に世間は見えるだろう。
そんなことはお構いなしの直美だったのだ。
「とりあえずお祝いのプレゼントを買いに行こう」
「やった!私、欲しいものがあったんだ」直美はそう言いながら、私の左腕に自分の右腕を差し込んで私をデパートに引っ張って入った。
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